8月に東京・シアタートラムで上演される、あたらしい国際交流プログラム「『月を抱く人魚』-雨月物語より-」のキャストおよびメインビジュアルが公開された。
本作は、世田谷パブリックシアターによる「あたらしい国際交流プログラム」の第3弾。1776年に刊行された上田秋成の短編集「雨月物語」が、
鈴木は「原作のエッセンスをきちんと捉えて、現代もそれが変わらないということを観客に伝えられればと思っています」と語り、生田は「この美しくも深淵な世界をどう立ち上げられるか、大きな挑戦になると思います」とコメント。岡本は「時代を超えた物語をお届けできるのではないかととても期待しています」と述べ、南沢は「古典を下敷きにしているからこその、夢かうつつかのような不思議な空気を感じてもらえたら」と期待を込めた。
公演は8月7日から23日まで東京・シアタートラムで実施される。チケットの一般販売は6月14日10:00にスタート。なお一部公演ではポストトークが実施される。
鈴木アツト コメント
「雨月物語」という原作の小説自体が、社会的な栄達や出世、成功ではなく、人間としての誠実さや、本当に大事なものは何かということを描いているので、原作のエッセンスをきちんと捉えて、現代もそれが変わらないということを観客に伝えられればと思っています。日本の古典が持つ価値観や哲学というものを改めて味わってもらえたらと思います。生田みゆきさんの演出はいい意味でワイルドなところがあり、稽古で彼女の演出を見るだけでなく、話をしたり作品の方向性の打ち合わせをするということだけでも十分に刺激になっていますし、自分の作家性にもいい影響があるように思います。岡本圭人さんが演じる勝四郎は、美しいけれど居場所がないともがき、より本質的な自分の居所を南沢奈央さん演じる宮木との関わりの中で見つけていきます。生田さんの演出のもと、出演者の皆さんがどのように表現されるのか、期待を持って稽古を待ちたいと思います。
生田みゆき コメント
私は小学生のころから古典を読むのが好きでいろいろなものを読んできましたが、日本の古典を演劇化するのは今回が初めてになります。上田秋成の怪奇小説「雨月物語」は、人間の愛や哀しみ、執着などの感情を、幻想的に妖艶に描いていて、子供心にも強い衝撃を受けた作品です。この美しくも深淵な世界をどう立ち上げられるか・・・大きな挑戦になると思います。特にこの作品は「あたらしい国際交流プログラム」の一環での上演です。世界に向けて日本から作品を発信するということを考えた時に、そもそも自分にどういう土壌があるのか、過去から自分に受け継がれてきているものにしっかり踏み込んで、探求してみたいと思っています。鈴木アツトさんという作家と、私という演出家と、それから多彩な俳優・スタッフの皆様と共に日本の古典の名作に新しい光をあてるという作業は、過去を踏まえて今、いかに私たちらしい「雨月物語」を創り出すことができるかという冒険です。8月の暑い時期ではありますが、暑さに負けない熱量の高い芝居を創りたいと思っていますので、ぜひ劇場に足をお運びいただければと思います。
岡本圭人 コメント
自分たち俳優ができることとして僕が一番重要視しているのは「物語を伝えること」なので、今回この「雨月物語」という古典を現代に置き換えてお客様に届けられることをとても光栄に思っています。「雨月物語」の原作自体がとても面白いので、この作品が鈴木アツトによってどのように現代の「雨月物語」に生まれ変わるのか、時代を超えた物語をお届けできるのではないかととても期待しています。演出の生田みゆきさんとは昨年「不可能の限りにおいて」という作品でご一緒しましたが、稽古はもちろん本番が始まってからも常に作品がどうしたら良くなるか、どうしたらお客様に届けられるかを考えてくださる、愛のある演出家さんです。脚本家の鈴木アツトさんと演出の生田みゆきさんと素晴らしい共演者の方々と一緒に、現代の「雨月物語」を届けられるのがとても楽しみです。個人的には自分がこの作品に出ていなかったら絶対に観に行きたい作品なので、ぜひ僕の代わりにこの作品を観に来ていただき、何かを感じ取っていただけたらいいなと思っています。
南沢奈央 コメント
まだ準備稿の台本を読んだ段階ですが、全体的に幻想的な雰囲気が漂っていて、みんなで方向性を見極めて稽古を進めながら創っていかなければいけない繊細な作品だと感じています。私の役は少し神秘的でつかみどころがない、どのようにも演じられるような幅のある役ですが、女性として印象に残らなければならないし、観客の皆さんの興味を惹くような役にならなければいけないと思うので、なにかちょっと一味違う魅力を持つ女性を創り上げられたらと思っています。古典の「雨月物語」を下敷きにしているのですが、現代に置き換えることで昔も今も人間の根っこにある欲望や、美しい物を求める心とか、そういった変わらない部分がちりばめられていて共感できる部分もあると思いますし、古典を下敷きにしているからこその夢かうつつかのような不思議な空気を感じてもらえたら面白いのではないかと思います。また、この人物は一体何者だろう?というような謎を解き明かす要素もあるように感じるので、登場人物の誰かに共感して感情移入して観てもらえると、より作品世界に没入していただけるのではないかと思います。
薬丸翔 コメント
台本を読んだ時点では、浮世離れした存在などお客様の想像に委ねる余地みたいな部分を、俳優として自分の身体をもってどのようにお客様に想像させることができるかというのが、ひとつのチャレンジになるのかなと思っています。岡本圭人さんと南沢奈央さんは昨年のリーディング公演「不可能の限りにおいて」で共演しましたが、岡本さんに対して僕が日常で惹かれる部分と、役柄上で岡本さんが演じる勝四郎に対して作治がどういう風に惹かれるのかといった部分が重なるといいなと思っています。南沢さんは15歳の時に共演してからの知り合いですが、昨年はじめて一緒に演劇をして改めて南沢さんの魅力や安心感を感じたので、不安なく稽古に臨めそうだなと思っています。
鈴木結里 コメント
江戸時代に書かれた「雨月物語」を現代に上演するにあたって、愛情とか、人への憎しみとか、孤独さといった、ずっと人間が変わらず抱いている感情の些細な変化に気づいていけるように、夢子と向き合って一番の友達のような存在になれるように、役に寄り添っていきたいと思っています。演出の生田みゆきさんは同じ劇団の先輩で、研究生時代に勉強会でご一緒して以来、今回が初めての創作となります。個人的には数年経って成長した姿を見せられるように頑張りたいと思っています。戯曲の中に岩絵の具など画材が出てくるのですが、準備稿の台本を読ませていただいたときに、色彩が鮮やかに見えてくると感じて、それぞれのキャラクターの色合いを感じ取れたことが一番印象に残っているので、夢子の色を探していけたらと思っています。
上村聡 コメント
古典をもとに創っていくことは、人の営みの普遍性を確認することにつながると思っています。今回の鈴木アツトさんの戯曲は現代を描きますが、そこにノスタルジックな要素が加わり、時間感覚が揺さぶられるような作品になっていると思います。演出の生田さんは、作品ごとに違う色を出す演出家という印象があり、今回はどの引き出しを開けて演出されるのか楽しみです。共演者の方も初めての方ばかりですが、とても頼もしい方々なのは存じていますので一緒にものづくりができるということが非常に楽しみです。「雨月物語」は長らく愛されて読まれてきた作品ですが、今回とても大胆にアレンジをされています。新しい「雨月物語」を劇場でご覧いただけたら幸いです。
松岡依都美 コメント
古典には古典ならではの文体の美しさや面白さがあると思いますが、今を生きる私たち現代人が現代に置き換えて上演することによって、言葉の壁などもなくなって、演じる側も観てくださるお客様もより身近に感じられるのではないかと思います。生田みゆきさんは文学座の後輩で、いま大活躍している文学座の女性演出家のお一人なので、今回初めて演出を受けるのをとても楽しみにしています。いろいろな出自を持った多彩な方たちが集まって、いい化学反応が起こると思いますし、私もいろんな刺激を受けながら、与えながら、取り組んでいけたらと思います。この作品自体が幽玄的で幻想的な作品だと思います。その中にも人間の持つ本来の葛藤であったり、欲であったりという人間らしさの詰まった作品になると思うので、8月という暑い季節の上演ではありますが、シアタートラムでちょっと涼しくなっていただけるような感覚を体験していただければと思っています。
相島一之 コメント
「雨月物語」といえば、溝口健二さんという世界の巨匠が手掛けた映画がパッと頭に浮かびます。僕も何度も見ましたが抜群に面白い。今回のお話を聞いたときは、あれをやるのか、やれるのか、ということがまず最初に浮かびました。しかも、会場はシアタートラム!トラムはいろんな冒険ができて、その冒険が実っていく場所。日本の演劇界で一番豊かな小劇場だと思うんです。そこで、「雨月物語」という映画化もされたイメージが出来上がっている古典作品を新しく作り直す、というのはすごいチャレンジでもありますし、パワーのある作品になると思います。お芝居は集まった人たちのパワーや想いで出来上がっていくものですが、今回の座組みは若い人が多いので、きっと若々しい芝居になると思います。その中でベテラン組は僕と松岡依都美さんの二人。松岡さんとは何度もご一緒していますが、いま波に乗ってお芝居で活躍されている方ですし、僕は一番年上なので、若い人たちの中でどんな立ち位置でいたらよいのか・・・イチ俳優として楽しみですね。演劇ファンのお客様にはぜひシアタートラムに来て欲しいです。劇場でお待ちしています。
あたらしい国際交流プログラム「『月を抱く人魚』─雨月物語より─」
開催日程・会場
2026年8月7日(金)〜23日(日)
東京都 シアタートラム
スタッフ
出演
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小二田 誠二 @KONITASeiji
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「物語は、日本画家宮木と、絵画モデル勝四郎が、宮木の部屋で一夜を共にしたことから始まる。宮木はふざけて、勝四郎の背中に背ビレを描くが、翌朝、勝四郎が目覚めると、すでに彼女の姿はなく……。」