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「ミス・サイゴン」市村正親、カムバックは想定内「息子がクリス演じるまで」

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左から東山義久、伊礼彼方、駒田一、市村正親、高畑充希、昆夏美、大原櫻子、屋比久知奈。

左から東山義久、伊礼彼方、駒田一、市村正親、高畑充希、昆夏美、大原櫻子、屋比久知奈。

ミュージカル「ミス・サイゴン」の製作発表記者会見が、本日2月26日に東京都内で実施された。

「ミス・サイゴン」は、ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、国と国に引き裂かれた人々の葛藤と悲劇を描いたミュージカル。およそ3000件の応募から抽選で選ばれた200名のオーディエンスが見守る中、会見はプロモーション映像の上映からスタートした。上映終了後、ヘリコプターの音が響く中、登壇したキャストたちが「火がついたサイゴン」をにぎやかに歌唱し、会場を一気に盛り上げた。

2度目のクリス役を務める小野田龍之介は、4年ぶりの上演に向け「4年経ったからこそ感じられる、クリスとほかのキャラクターの関係性を大切にしながら務めたい」と意気込む。2008年版にアンサンブルとして出演した海宝直人は「当時は19歳で、公演中に20歳を迎えた。クリスを誠実に、繊細に、大胆に演じたい」と出演の喜びをのぞかせる。同じくクリス役のチョ・サンウンは、海外で「ミス・サイゴン」に参加した経験を持つ。サンウンは「日本で舞台に立つのは、10年ほど前に劇団四季の作品に出演して以来。(カンパニーの)“友達”みんなと仲よくなって、一緒にがんばりたい」と微笑み、会場を和ませた。

「ミス・サイゴン」を何度も観劇したという高畑充希は「ヘリが止まって、筧(利夫)さんが15分フリートークした回も観ていました(笑)」と思い出を語る。出演に向けては「キムはすごく大変な役で、遠い存在だと思っていました。プレッシャーもありますが、ワクワクが膨らんでいます」と期待を寄せた。

3度目のキム役となる昆夏美は、前回の2016年公演の多くを声帯結節で休演したことに触れ、「皆さんにたくさんご迷惑をおかけしましたし、何よりお客様に申し訳ない気持ちで、とても悔しかったです。戻ってこられて本当にうれしい」と胸の内を打ち明け、「キムをいちから作っていきたい」と表情を引き締めた。

キム役で初参加する大原櫻子は、子供の頃から本作の楽曲が好きだったと言い、「ピアノの発表会なのに、私だけ『ミス・サイゴン』の曲を歌ったこともある」というエピソードを紹介。大原はブロードウェイでエヴァ・ノブルザダが出演する「ミス・サイゴン」を観劇したことで「演じたい気持ちが高まった」とオーディションに挑んだきっかけを明かしつつ、「いろいろ勉強して励みたい」と意欲を見せた。

同じくキム役で初参加の屋比久知奈は、大学時代に「(キム役を演じた)レア・サロンガに似ている」と言われたことで劇中曲「命をあげよう」を知り、2016年の「ミュージカルのど自慢」で同曲を歌唱し最優秀賞を獲得。屋比久は「プレッシャーと責任を感じながら、作品のことを勉強しています。キムとして帝国劇場で歌えることを喜びつつ、覚悟を持って臨みたい」と意気込みを述べた。

ミュージカル「エリザベート」トートダンサー役で帝国劇場に立った経験を持つ東山義久は「帝劇に帰ってこられて、身が引き締まる思い」とコメント。エンジニアの役作りについては「ほかの3人の真似はできないので、脚を無駄に上げるとか、柔軟性を生かすとか……まあ、うそですが!(笑) 僕なりのエンジニアをやれたら」と意欲を見せた。

「この場にたたた……立たせていただけることに感謝しています」と噛んでしまった伊礼彼方は「すみません、市村さんのお隣がこんなに緊張するものだとは」と胸の内を明かす。初演からエンジニアを演じている市村と同じ役に選ばれたことに触れ、「盗めるところはとことん盗み、『市村さんにはできないエンジニアを』とギラギラした気持ちでいます」と心境を述べた。

駒田一がエンジニア役を演じるのは今回で3度目。記者から「どのエンジニアを観るか迷っている観客に、自身の持ち味をアピールして」とリクエストされると、駒田は「4回観れば、みんな幸せになれる」と回答して会場の笑いを誘う。その後、改めて「それぞれが自分なりのエンジニアを稽古場で作っていくのが楽しみ。ただ、4回観ていただくのがいいと思う」と繰り返し、再びオーディエンスを笑わせた。

市村正親はマイクを手にすると「市村です! 初演からずっと(エンジニアを)やってます!」と元気いっぱいに立ち上がり、「僕の日のチケット買った人!?」とオーディエンスに挙手を求めて会場を盛り上げる。前回卒業宣言をしたものの、今回復帰した市村は「実は前回も別に卒業しようとは思っていなくて(笑)。今回もきっと出ると予感していたので、想定内ですね!」と笑い、「以前やっていたことは忘れ、新たに役作りしたい」と気合十分に語った。

このほか会見では、ジョン役の上原理生上野哲也、エレン役の知念里奈仙名彩世松原凜子、トゥイ役の神田恭兵西川大貴、ジジ役の青山郁代則松亜海も挨拶した。質疑応答ののち出演者は、計7曲、約20分にわたる劇中曲のメドレーを披露。キャストたちは「世界が終わる夜のように」「トゥイの死」「今も信じてるわ」「生き延びたけりゃ」「命をあげよう」「ブイ・ドイ」「アメリカン・ドリーム」といったナンバーを、声高らかに歌い上げた。

会見後の囲み取材には、エンジニア役の4名とキム役の4名が参加。歌唱披露した感想を尋ねられた市村が「早く稽古がしたいです!」と簡潔に答えると、隣の駒田が「右に同じです!」、伊礼も「右に同じです!」と即答。最後にマイクを渡された東山は「……お稽古がんばります!」と続け、会場を笑いで包む。同じ役を務める出演者たちと一緒に歌ったことへのコメントを求められた市村は「伊礼がなんか言いたいそうです」とマイクをパス。伊礼は「こういう洗礼があるんですね!?」と苦笑しながら、「貴重な経験でした、ありがとうございます」と感謝を述べた。

市村は卒業宣言の撤回に改めて言及し、「今は『続けられる限りやって』と言われていて(笑)。そうですね……僕の息子がクリスを演じるくらいまでは!」と場内を沸かせる。最後に市村が「オリンピックのミュージカル部門『ミス・サイゴン』、この面々でがんばります。イエーイ!」と挨拶すると、キャストたちも歓声を上げながらカメラに手を振った。

本作は5月19日から6月28日までの東京・帝国劇場公演を皮切りに、7月から9月にかけて北海道、長野、大阪、静岡、富山、愛知、福岡、埼玉を巡演する。チケットの一般前売りは、東京公演5月分が3月7日、6月分は3月21日にスタート。

ミュージカル「ミス・サイゴン」

2020年5月19日(火)~6月28日(日)※5月19日から22日まではプレビュー公演。
東京都 帝国劇場

2020年7月3日(金)~6日(月)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru

2020年7月10日(金)~12日(日)
長野県 まつもと市民芸術館

2020年7月16日(木)~19日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2020年7月25日(土)~27日(月)
静岡県 アクトシティ浜松 大ホール

2020年7月31日(金)~8月2日(日)
富山県 オーバード・ホール

2020年8月13日(木)~16日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

2020年8月20日(木)~30日(日)
福岡県 博多座

2020年9月4日(金)~6日(日)
埼玉県 ウェスタ川越 大ホール

オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル、クロード=ミッシェル・シェーンベルク
音楽:クロード=ミッシェル・シェーンベルク
演出:ローレンス・コナー

キャスト

エンジニア:市村正親駒田一伊礼彼方東山義久
キム:高畑充希昆夏美大原櫻子屋比久知奈
クリス:小野田龍之介海宝直人、チョ・サンウン
ジョン:上原理生上野哲也
エレン:知念里奈仙名彩世松原凜子
トゥイ:神田恭兵西川大貴
ジジ:青山郁代則松亜海
ほか
※いずれも交互出演。

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