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「八月納涼歌舞伎」染五郎・猿之助コンビで最後の弥次喜多、勘九郎「野田さんの演出は優しい」

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「八月納涼歌舞伎」囲み取材の様子。左から中村勘九郎、市川猿之助、市川染五郎、中村扇雀、坂東彌十郎、市川中車。

「八月納涼歌舞伎」囲み取材の様子。左から中村勘九郎、市川猿之助、市川染五郎、中村扇雀、坂東彌十郎、市川中車。

本日8月9日から東京・歌舞伎座で上演される「八月納涼歌舞伎」。初日に先がけて、昨日8月8日に公開舞台稽古と囲み取材が行われた。

公開されたのは第一部で上演される「刺青奇偶」、第二部で上演される「東海道中膝栗毛『歌舞伎座捕物帖』」、そして第三部「野田版 桜の森の満開の下」の一幕。

「刺青奇偶」では、市川中車が半太郎、中村七之助がお仲、市川染五郎が鮫の政五郎と、それぞれ初役に挑戦する。故・十八世中村勘三郎の半太郎でお仲を演じた坂東玉三郎が演出を担当し、幸薄な夫婦の情愛が描かれた。

杉原邦生が構成を手がける「東海道中膝栗毛『歌舞伎座捕物帖』」は、2016年に上演された「東海道中膝栗毛(やじきた)」でもおなじみの、染五郎演じる弥次さんと市川猿之助演じる喜多さんが歌舞伎座で大事件に巻き込まれる様を描く。今回は2つの結末が用意されており、その日の観客の反応でストーリーが変化する。さらに中村勘九郎、七之助、中車と、新たなメンバーが加わり、パワーアップした弥次喜多となっている。

野田秀樹が作・演出を手がける「野田版 桜の森の満開の下」には、勘九郎が出演。野田と親交が深かった父・勘三郎からバトンを受け継ぐ形となった。野田が坂口安吾の短編小説を下敷きに書き下ろした戯曲が、新たに歌舞伎として生まれ変わる。

公開舞台稽古の合間に行われた囲み取材には、扇雀、坂東彌十郎、染五郎、猿之助、勘九郎、中車が登壇。扇雀は「中車さんも加わっていただき、ものすごい人数の公演です。演目も一部から三部まで盛りだくさん。歌舞伎を観るのが初めての方にも楽しんでいただけると思います」と自信をのぞかせる。自身が出演する三部については「勘三郎のお兄さんが亡くなった後も野田版歌舞伎ができるのがうれしいです。副題にも“演劇史上に輝く珠玉の名作がついに歌舞伎に!”とあって、皆さんの期待も大きいと思います。難解でもありますが、素敵だったと思っていただける作品に仕上がっております」と穏やかな口調で語った。

彌十郎は「私も『納涼歌舞伎』の常連にならせていただき、毎回、お客様も熱くなる舞台を勤めさせていただいております。“8月は若手の月”と言われているので、まだまだ若手のつもりでがんばっていきたいです」と言葉に気合いを込める。

染五郎は「一部から三部まで出させていただいておりまして、本当にヘトヘトです」と記者たちの笑いを誘う。「歌舞伎座捕物帖」については「ストーリー展開もお客様に決めていただくという初の試みで、我々自身も初めてなので……ヘトヘトです」とまたも会場を和ませつつ、「積極的に楽しんでいきたいです」と意気込みを述べた。

猿之助は「染五郎さんの名前が(松本幸四郎に)変わられるので、染五郎・猿之助コンビでは最後の弥次喜多になるんですね。そういう意味で個人的には寂しい想いもありますが、宙乗りで2人で飛んでいく場面があるので、これが最後でよかったのかなと。最後の染五郎・猿之助コンビを存分に楽しみたいです」と述べた。

勘九郎は「一部から三部まで熱量がすごいですし、作品の美しさも楽しみに劇場に来ていただきたいです」と観客に呼びかける。また「野田版 桜の森の満開の下」については、「新しい歌舞伎座では初の『野田版』ということで、気合いが入ります。野田秀樹さんの演出は優しいと思います。出演している皆さんに声をかけてらっしゃいますね」とエピソードを明かした。

中車は「僕は『納涼歌舞伎』に初めて参加させていただきます。昨年12月に七之助さんとご一緒させていただいた時に『ぜひ納涼でやろうね』と約束していました。その通り現実になったので、すごく身が引き締まる思いです」と締めくくった。公演は8月27日まで。

「八月納涼歌舞伎」

2017年8月9日(水)~27日(日)
東京都 歌舞伎座

第一部:「刺青奇偶(いれずみちょうはん)」「上 玉兎(たまうさぎ)」「下 団子売(だんごうり)」
第二部:「修禅寺物語(しゅぜんじものがたり)」「東海道中膝栗毛 『歌舞伎座捕物帖(こびきちょうなぞときばなし)』」
第三部:「野田版 桜の森の満開の下(さくらのもりのまんかいのした)」

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