このライブは彼らにとって初のワンマンライブ。開催場所は事前に「東京都内の野外」であることしか公開せず、無観客で行われるライブの様子を音楽配信サイトOTOTOY内のコンテンツ「TV♭」にてUstreamを通じて生中継された。
会場となったのは東京・代々木公園野外ステージで、寒空の中メンバー3人は定刻を過ぎた頃にステージに登場。柴田隆浩(Vo, G)は目の前に広がる観客ゼロの客席、そしてUstreamの視聴者に向けてニューシングル「この高鳴りをなんと呼ぶ」が発売された喜びを伝えた。続けて「なんでこんなことやってんのか、全然わかんねえ! たぶん飲み会のノリで決まったんですよ。『ああ、面白いんじゃね? ナタリーさんに取り上げてもらえるんじゃね?』とか言って」と若干キレ気味に語ると、「ゾンビブルース」から無観客ライブをスタートさせた。観客は1人もいないものの、バンドのノリはいつも通り激しいもの。曲の合間には柴田が「見える。俺には見えるよ……お客がたくさんいるのが見えるから」と、いるはずのない観客に語りかける場面もあった。
ライブが進行するに連れ、Twitterなどで情報を聞きつけたファンが会場に到着。数は決して多くはないものの、忘れらんねえよの白熱のライブを間近で観ようと、最前列でバンドの熱演に大きな声援を送った。そんなファンに対して、柴田は「よく場所がわかったな、おい!」とうれしそうな様子。その後も忘れらんねえよの3人はニューシングルから「だんだんどんどん」「中年かまってちゃん」のほか、ライブで人気のナンバーを立て続けに演奏していった。ライブ終盤では、柴田は「何だ、この感じは!」と自身の思いをストレートに表現。そしてニューシングルの表題曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」をエモーショナルに歌い上げ、初ワンマンライブを終えた。
しかし、会場に集まった20名弱の観客はアンコールを求める手拍子を続ける。数分後、このアクションに応えるようにメンバー3人がステージに再登場。「ありがとうの意味を込めて、もう1曲やらせてください」と言って、無観客時に演奏した「僕らチェンジザワールド」を再びパフォーマンスし、約1時間にわたるライブを終了させた。
ライブを終えた柴田はナタリーの取材に対し、「気持ちをどこに置きゃあいいのか、正直はすげーやりにくくて(笑)。でも結局行き着くところは(胸を押さえて)ここらへんにあるものを爆発させるしかないみたいな。だから最後の『この高鳴りをなんと呼ぶ』の前にしゃべってるときに、『あっ、これなんかつながった!』と。会場に来てくれたお客さんもそうだし、PCモニターの前にいる人もそうだし、もっと言えばCDを買ってくれた人もそうだし、そういう人たちがつながる点が見つかったと思いました。この感じは次からのライブにも生かせるんじゃないかな」と心境を口にした。
続けて梅津拓也(B)は「『北極星』って曲が一番よかったです。夢中になっていて楽しくて、最後まで水を飲むのを忘れてました」、酒田耕慈(Dr)は「最近のライブはお客さんがいっぱいいる前でやらせてもらってたんですけど、今日のライブで(今まではお客さんに)すげえ助けられてたんだなって気付いた」とコメント。そして最後に柴田が「ライブっていうのはお客さんに助けられて、結局は一緒に作り上げていくもんなんだなと思いました」と、感慨深げに語り会場をあとにした。
忘れらんねえよ「この高鳴りをなんと呼ぶ」発売記念 無観客ライブ セットリスト
01. ゾンビブルース
02. 僕らチェンジザワールド
03. CからはじまるABC
04. あんたなんだ
05. だんだんどんどん
06. 中年かまってちゃん
07. 慶応ボーイになりたい
08. サンキューアイラブユー世界
09. パンクロッカーなんだよ
10. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
11. この街には君がいない
12. 北極星
13. 忘れらんねえよ
14. この高鳴りをなんと呼ぶ
<アンコール>
15. 僕らチェンジザワールド
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