いきものがかり、NHKロンドン五輪テーマ曲生披露

いきものがかりがNHKロンドンオリンピック放送のテーマソングを手がけることが決定。本日6月7日に東京・NHKホールで報道陣向けのテーマソング発表取材会が行われ、新曲を初披露した。

楽曲のタイトルは「風が吹いている」。作詞作曲を水野良樹（G）が、編曲を亀田誠治が担当したミディアムナンバーで、いきものがかり史上最長の7分40秒にもおよぶ大作に仕上がった。本日の発表取材会では、この日のために短く3分29秒にアレンジされたバージョンを演奏。オーケストラをバックに従え、スケールが大きい楽曲の世界観を鮮やかに表現した。

演奏後には、NHKの廣瀬智美アナウンサーがいきものがかりの3人に質問。感想を訊かれた吉岡聖恵（Vo）は「今日人前で（この曲を）初めて歌ったので、まだドキドキしてます」と言いつつ、「オリンピックもこの曲もいよいよ始まるんだな」と期待感に満ちたコメントを披露。水野は楽曲について「オリンピックは時代を象徴するもので、アスリートの皆さんにも観ている人たちにも2度と訪れない一瞬だから、それを応援できるような曲を作りたいと思いました」と語る。山下穂尊（G, Harmonica）は、制作中のエピソードとして「リーダーが悩んでいるのは感じてました」と、いつもの楽曲制作時とは少し違った様子だったことを明かした。さらに吉岡も「リーダーの歌ってるデモテープが吐息まじりで、熱いデモテープだった」と告白。いつも以上に強い気持ちが込められた楽曲になったことが感じられた。

また歌う上で大変なことは、と訊かれると、言葉数も多く長さもあるため「カロリーを使う曲」と吉岡。そのため「レコーディングブースの中で歌ったときは今すごく（気持ちが）出てるな、熱くなってるな」と感じたと語った。

そして、オリンピックの思い出について質問されると山下が「僕ら長野オリンッピック世代なので、日の丸飛行隊がメダルを獲ったときに高校受験で観られなかったのを覚えている」と報道陣を笑わせる。吉岡は「北島康介選手の『チョー気持ちいい』って言葉が印象的でした」とコメント。水野はNHKアテネオリンピック放送において、体操男子団体が金メダルを獲得した際の名実況が思い出深いと言い、「曲とアナウンサーと観ている人がすごく一体となっていて……僕らもああいうシーンに関われるようになりたいな、と思ってました」と告白。さらに山下に、つい先程も楽屋でそのシーンを視聴していたことを暴露されていた。

その後行われた囲み取材では、「風が吹いている」というフレーズを思いついたのはどんなタイミングか、という質問に水野が「曲は自分の作業部屋で書いていて。さまざまなスポーツのクライマックスに自分たちの曲が流れていることと、それをいろんなところで観ている人がいると想像しながら」書いていたら、自然と思い浮かんだと明かした。そして楽曲がいきものがかり史上最も長いものになったことについては、水野が「（思いを込めたら）長くなっちゃった、って感じですね」と照れくさそうにコメント。それを次いで山下が「この曲は構成が少し変わってて。例えばBメロ頭で始まったり。でもその長さを感じさせないというか、この構成が必然だと思える曲になりました」と話した。さらに編曲を担当した亀田との作業について訊かれると、水野が「壮大にできれば、とは思ってて。たくさんの人が聴くんだ、と感じながら作っていたので、そういう思いは亀田さんにも共有していただけていたんじゃないかと思います」と語った。

ロンドンオリンピックは今年7月27日から8月12日まで計17日間開催。26競技302種目の選手がイギリス・ロンドンに集まり、メダル獲得を目指して熱い戦いを繰り広げる。「風が吹いている」は期間中のNHKロンドンオリンピック放送関連番組で使用される。なお、「風が吹いている」はロンドンオリンピック開幕直前の7月18日にシングルとしてリリースされることも決定。価格は610（ロンドン）円で、タイトル曲とそのインストゥルメンタルが収められる。

水野良樹コメント

2012年、ロンドンオリンピック。
輝かしい晴れ舞台に挑む選手たちも、そして彼らに声援を送る日本中の人々も。それぞれに想いを重ね、託し、二度と訪れない一瞬を、そこに感じるのだと思います。僕らが生きていたということ、僕らが生きていくということ。うつりゆきときのなかで、今ともに同じ風のなかにいて、その瞬間を共有できたなら。いつの日か“時代”と呼ばれるようなその瞬間を、ともにつくりだすことができたなら。そんな想いを込めて、この歌をつくりました。