2006年3月15日にシングル「SAKURA」でメジャーデビューを果たしたいきものがかり。「超いきものがかりフェス」は、デビュー20周年を記念して開催されたユニット初の主催フェスだ。初日の14日公演には上白石萌音、アイナ・ジ・エンド、スキマスイッチ、JUJU、槇原敬之が、2日目の15日公演には
オープニング
会場周辺エリアにはビフテキ丼やケバブを販売する多数のキッチンカーが並び、開場直後から青空の下で“フェス飯”に舌鼓を打つファンが黒山の人だかりを形成。イベントタイトル通りのフェス然としたムードが会場周辺に漂っていた。時を同じくして、ステージではDJ
やがて定刻を迎えると、8ビット風のオープニングムービーに導かれてアリーナ後方の扉から吉岡聖恵(Vo)と水野良樹(G)が自転車に乗って登場。ざわつく客席内を軽快に駆け巡ってステージまでたどり着くと、水野は「WBCやってるにもかかわらず、大谷翔平よりいきものがかり、ありがとうございます!」と同時刻開催の世界大会を引き合いに出して感謝の言葉を述べた。続いて2人がイベントの開幕を宣言しかけた瞬間、舞台袖からサプライズゲストの
TOMOO
トップバッターを務めたTOMOOは、「ベーコンエピ」「Super Ball」など7曲を披露。中学校に上がる春休みにいきものがかりのアルバムを延々リピートしながらトランポリンを跳び、不安を紛らわしていたというハートフルな思い出話なども交えながら、強靱なソウルビートとメランコリックなメロディライン、芯の通ったボーカルで聴衆を魅了した。
ステージ転換時には、吉岡、水野、wacci、TOMOOによるトークセッションが実施された。コーナーMCとして
wacci
2番手を務めたwacciは、かつて同じ事務所に所属していたいきものがかりを“唯一の直属の先輩”と慕う後輩バンド。ヒットナンバー「別の人の彼女になったよ」など全5曲を披露した。「最上級」では、会場を低音パートと高音パートに二分しての2声ハーモニーシンガロングを促してバンドとの一大セッションを繰り広げ、「大丈夫」では両手で大きなマルを作るアクションを要求。LaLa arenaの広大な空間をひとつにまとめあげるビッグスケールなステージを展開した。ラストにはサブステージに現れた水野から「橋口くんだけ残って、ちょっとこっち来て!」との指令が。橋口のギター弾き語りと水野の電子ピアノ弾き語りによるアコースティックデュオ形式で「笑顔」が歌われ、万雷の拍手を呼び込んだ。
秦基博
いきものがかりと同期にあたる秦基博は、デビュー当初からイベントでの競演が多く、そのたびに会場を盛大に盛り上げるいきものがかりのステージを「歯ぎしりしながら観ていた」とユーモラスな語り口で振り返る。彼はアコースティックギター1本の弾き語りスタイルで「在る」「鱗」など5曲をプレイ。繊細なアルペジオからパワフルなカッティングまで、多彩な表現で聴衆を魅了した。そしてラストナンバーとして披露されたアッパーチューン「キミ、メグル、ボク」では「いきものがかりを歯ぎしりさせましょう!」と煽り、会場を笑顔と狂熱で満たした。
その後の転換時には、各界の著名人から寄せられたビデオメッセージが上映された。松任谷正隆や長屋晴子(緑黄色社会)といったアーティストをはじめ、アスリートやマンガ家など幅広い分野から祝福の言葉が届けられる中、タレントの滝沢カレンから「“いきものがかり”なのに生き物を扱っていない」という根源的な疑問が投げかけられ、観客をうならせた。
鈴木雅之
テレビアニメ「かぐや様は告らせたい」シリーズの主題歌などで水野とタッグを組んできた“ラブソングの王様”こと鈴木雅之は、コーラス隊を含むソウル編成のバンドを引き連れて登場。「恋人」「違う、そうじゃない」「め組のひと」「夢で逢えたら」など、国民全員がもれなく口ずさめるヒットナンバー群を惜しみなく連発する。MCでは「ランナウェイ」などの一節をアカペラで披露するひと幕もあり、旺盛なサービス精神と百戦錬磨のパフォーマーぶりを余すことなく見せつけた。
さらに水野をステージに呼び込み、「Canaria」「DADDY! DADDY! DO!」の2曲をコラボ。いずれも水野が作曲を手がけた、鈴木の男女デュエット曲だ。オリジナルのボーカルを担当した篠原涼子や鈴木愛理の歌唱にも負けない、熱いパフォーマンスでオーディエンスを圧倒した。
秋山竜次(ロバート)
鈴木のゴージャスでアダルトなステージを受け、「こういう時間も必要ですよ。高級なものばかり観てたらバカになっちゃいますよ」というメッセージとともにアリーナに姿を現したのはロバート秋山だ。彼は神々しいオルガンサウンドに乗せて勧誘行為の正当性を主張するミディアムバラード「あやしくないから」、施設の運営母体が都か区かを探究するディスコポップナンバー「TOKAKUKA」の2曲をパフォーマンス。楽曲とトークの力でイベント全体の空気感をがらりと塗り替えると、「ちゃんとしたプロにお戻しします」と言い残してそそくさと姿を消した。
ゆず
アマチュア時代のいきものがかりが路上ライブなどで頻繁に「夏色」などの楽曲をカバーしていた、憧れであり目標でもあり原点とも言える存在・ゆず。そんな彼らのステージは、愛すべき後輩への思いがあふれ出さんばかりの内容で届けられた。かつて吉岡が自身のカバーアルバムで取り上げた「少年」や、コラボレーションアルバム「いきものがかり meets」で共演が実現した「YELL」など、2組の浅からぬ関係性を存分に反映させた選曲がファンを感涙させる。もちろん「夏色」もセットリストに。この曲で長時間にわたって展開されるコール&レスポンスは、水野曰く「じょいふる」のライブパフォーマンスに直接的な影響を及ぼしているという。そしてゆずは「栄光の架橋」で1万人の大合唱を巻き起こし、国民的人気アーティストの先輩としてこれ以上ないお手本を示してみせた。
いきものがかり
満を持してトリを務めたいきものがかりは、TOMOOとの「茜色の約束」、鈴木との「帰りたくなったよ」といったコラボパフォーマンスも交えながら、「気まぐれロマンティック」「ブルーバード」「じょいふる」など他アクトに勝るとも劣らないヒットパレード選曲を繰り出してオーディエンスを熱狂させる。MCでは水野がこの2日間を振り返り、感慨深げに「こんな日が来るんだね……」と目を潤ませるシーンや、吉岡が「20年のその先に行くので、皆さんついて来てくれますかー?」と叫んで喝采を起こすシーンも。感傷的なムードが場内に充満する中、2人は追い打ちをかけるように「ありがとう」を客席の1人ひとりの胸に届けたのち、バラードナンバー「タユムコトナキナガレノナカデ」でステージを大団円に導いた。
エンディング
すべての演目を終え、水野が改めてバンドメンバーならびにこの日の出演アーティストを紹介。そこへロバート秋山がケーキを持って再登場し、ほがらかなムードで写真撮影などが行われた。そして最後に2人だけ舞台に残った水野と吉岡は、「20年ありがとう」と固く握手。「最後に路上ライブしましょう」と水野がアコースティックギターを構えた。2人はギターと歌のみのミニマルな編成でメジャーデビュー曲「SAKURA」を朗々と響かせ、メモリアルな2日間にしめやかに幕を引いた。
セットリスト
「超いきものがかりフェス デビュー20周年だよ!! ~ありがとうって伝えたくて~」2026年3月15日 LaLa arena TOKYO-BAY
TOMOO
01. ソナーレ
02. あわいに
03. ベーコンエピ
04. オセロ
05. Super Ball
06. Ginger
07. Present
wacci
01. 感情
02. 恋だろ
03. 別の人の彼女になったよ
04. 最上級
05. 大丈夫
06. 笑顔(橋口洋平×水野良樹)
秦基博
01. 在る
02. やわらかな午後に遅い朝食を
03. 鱗
04. シンクロ
05. キミ、メグル、ボク
鈴木雅之
01. 恋人
02. 違う、そうじゃない
03. Canaria(with 水野良樹)
04. DADDY! DADDY! DO!(with 水野良樹)
04. め組のひと
05. 夢で逢えたら
秋山竜次(ロバート)
01. あやしくないから
02. TOKAKUKA
ゆず
00. ラジオ体操
01. サヨナラバス
02. 少年
03. 虹
04. YELL
05. 夏色
06. 栄光の架橋
いきものがかり
01. コイスルオトメ
02. うるわしきひと
03. 茜色の約束(w/
04. 帰りたくなったよ(w/
05. 気まぐれロマンティック
06. ブルーバード
07. キミがいる
08. じょいふる
09. ありがとう
10. タユムコトナキナガレノナカデ
11. SAKURA
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