銀杏BOYZのルーツと現在が交差、7年ぶりバンド編成ツアー「昭和100年宇宙の旅」終幕

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銀杏BOYZのライブツアー「昭和100年宇宙の旅」が、7月8日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)でファイナルを迎えた。

銀杏BOYZ(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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銀杏BOYZ「昭和100年宇宙の旅」最終公演の様子。(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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「昭和100年宇宙の旅」は、銀杏BOYZにとってバンド編成で国内を回る約7年ぶりのライブツアー。音楽ナタリーでは先日、ツアー初日の模様をお伝えしたが、開場中のBGMとして峯田和伸(Vo, G)が昭和時代の楽曲から選曲したミックステープが流れたり、ライブ中盤の幕間で今年3月から4月に行われた初のアメリカツアー「銀杏BOYZ アメリカ西海岸ツアー~YOU & I VS.THE WORLD 2025~」のドキュメンタリー映像の上映が行われたりと、銀杏BOYZのルーツと現在が交差する特別な内容となった。

熱狂にまみれた「昭和100年宇宙の旅」最終公演

銀杏BOYZ(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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この日最後の開場SEとしてPsychic TV「Godstar(Hyperdelic Mix)」が爆音で流れる中、ステージの幕が開き、山本幹宗(G)、藤原寛(B, Cho)、岡山健二(Dr, Cho)、加藤綾太(G, Cho)、そして峯田が姿を見せると、超満員のフロアから歓喜の声が上がる。銀杏BOYZは歪んだギターと重厚なドラムが印象的な「アーメン・ザーメン・メリーチェイン Remix ver.」で観客の体を揺さぶると、焦燥感漂うイントロを合図にキラーチューン「若者たち」の演奏へとなだれ込む。フロアに次々とダイブやモッシュが起こる中、5人はオーディエンスにひと息つく暇も与えないまま「NO FUTURE NO CRY」「大人全滅」「SKOOL PILL」といった攻撃的なナンバーを畳みかけ、序盤から熱狂的な空間を作り出した。

峯田和伸(Vo, G)(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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MCでは峯田が会場に向かう車中で見かけたというデート中のカップルに毒を吐きつつ、自身の私生活を自虐的に語ると客席から歓声と拍手が沸き起こる。峯田は「どういう拍手なのよ(笑)。俺はあんたたちが幸せになろうと知ったこっちゃない。俺は俺の幸せを低姿勢にやっていきたいと思います」とにこやかに呼びかけ、銀杏BOYZ屈指のラブソング「恋は永遠」を歌唱。どこかノスタルジックなバンドサウンドと、温かなノイズを会場いっぱいに響かせた。第1部の締めくくりに披露されたのは、GOING STEADY時代の楽曲「夜王子と月の姫」。峯田はここ数カ月、世間の注目を集めていた「7月5日に日本で大災難が起こる」という噂話に内心怯えていたことを明かすと、柔らかな照明の下で「世界の終わり来ても僕等は離ればなれじゃない 世界の終わり来てもきっと君を迎えにゆくよ」とファンに語りかけるように歌った。

銀杏BOYZのアルバムが出るかもしれねえよ?

峯田和伸(Vo, G)(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

峯田和伸(Vo, G)(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])[拡大]

アメリカツアーのドキュメンタリー映像の上映を挟んだのち第2部が開演。第2部ではステージ後方の巨大スクリーンを用いた映像演出が行われたほか、バンドメンバーに最新アルバム「ねえみんな大好きだよ」のレコーディングに参加したUCARY & THE VALENTINEがコーラスとキーボード演奏で加わるなど、第1部とは趣向の異なるステージが届けられた。6人編成の銀杏BOYZは「二回戦」「漂流教室」を続けて徐々に演奏のギアを引き上げると、現在進行系のバンドの姿を見せつけるように、硬質な打ち込みビートと轟音ギターのコントラストが心地いい未発表の新曲をパフォーマンス。その後披露された「ナイトライダー」では、峯田が不慮の事故でこの世を去った「落合カーニバル」主催の落合まこと氏との思い出を語り、曲の最後には「落合! 聴いてっか!」と天国の友人に呼びかけた。

峯田和伸(Vo, G)(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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狂気をはらんだステージングで観客を圧倒した「人間」や、今は亡き国内外のロックスターたちに捧げた「GOD SAVE THE わーるど」を経てライブは終盤へ。銀杏BOYZは峯田の「もう誰もこの曲を聴きたくないと言われるまで、俺はこの曲を歌い続けます。『BABY BABY』、知ってる? あんたたちの青春だけじゃ終わらせねえよ!」という言葉を合図にキラーチューン「BABY BABY」を爆音でプレイ。そのエモーショナルな演奏を浴びた観客は、ダイブしたり、拳を突き上げたり、ともに歌ったりと、それぞれが楽曲を楽しんだ。そして峯田は新作アルバムを制作中であることを明かすと、「元気なうちに病み切ってしまう前にあんたたちが生きてるうちに、銀杏BOYZのアルバムが出るかもしれねえよ? そのときはまたツアーやりますから!」とファンとの再会を約束し、「ぽあだむ」「僕たちは世界を変えることができない」を熱唱した。

オーディエンスと銀杏コール

銀杏BOYZ(撮影:サマーエンドブルーリオ[@orz_____rio])

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「銀杏BOYZ! 銀杏BOYZ!」というサッカーのサポーターが行うチャント風のコールに応え、ステージに姿を見せたのは峯田ただ1人。彼は「中途半端なコールありがとうございます。俺は別にいいんだけど、ほかのメンバーは出てきたくないって。そんなんじゃ王者レアル・マドリードに勝てないよ?」と観客に指導すると、ともに盛大なコールをしてバンドメンバーを呼び込む。そんなピースフルなムードの中、峯田は最後に「少年少女」「DO YOU LIKE ME」の2曲を届け、やり切った表情で7年ぶりのバンド編成ツアー「昭和100年宇宙の旅」の幕を降ろした。

スペースシャワーTVでは、銀杏BOYZのアメリカツアーの模様を収めた特別番組「『銀杏BOYZ アメリカ西海岸ツアー~YOU & I VS.THE WORLD 2025~』ライブ&ドキュメント」が7月17日にオンエアされる。

ライブレポート
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セットリスト

銀杏BOYZ「昭和100年宇宙の旅」最終公演 2025年7月8日 Zepp DiverCity(TOKYO)

01. アーメン・ザーメン・メリーチェイン Remix ver.
02. 若者たち
03. NO FUTURE NO CRY
04. 大人全滅
05. SKOOL PILL
06. エンジェルベイビー
07. 夢で逢えたら
08. 恋は永遠
09. 夜王子と月の姫
10. 二回戦
11. 漂流教室
12. 新曲(※タイトル未発表)
13. 金輪際
14. ナイトライダー
15. 新訳 銀河鉄道の夜
16. 人間
17. GOD SAVE THE わーるど
18. BABY BABY
19. ぽあだむ
20. 僕たちは世界を変えることができない
<アンコール>
21. 少年少女
22. DO YOU LIKE ME

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ワンマンツアー「昭和100年宇宙の旅」
7/8(火)Zepp DiverCity公演の
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