宮﨑駿による最新の仕事「パノラマボックス」お披露目、子供たちのジブリが帰ってきた

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宮﨑駿による最新の仕事「パノラマボックス」の取材会が本日3月17日に東京・スタジオジブリ第1スタジオで行われ、プロデューサーの鈴木敏夫とアニメーション監督の宮崎吾朗が出席した。

宮﨑駿のパノラマボックス「風の谷のナウシカ /『ワァーごめん』」

宮﨑駿のパノラマボックス「風の谷のナウシカ /『ワァーごめん』」

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宮﨑駿が手がけるパノラマボックスとは?

2023年に公開された監督作「君たちはどう生きるか」のその後の仕事として「パノラマボックス」と呼ばれる展示物を制作した宮﨑駿。同展示物は、箱の中に描かれたジブリ作品の絵をのぞき込むと、奥行きのある風景が広がって見える仕掛け絵のような絵箱だ。正面から見ると、映画のワンシーンのような一枚絵に見えるが、実際は背景画やキャラクターなどが別々に描かれ、箱の中にそれぞれの絵が何層にもわかれて設置されている。7月より愛知にあるジブリパークの企画展示室「ジブリの大倉庫」にて31点公開される予定。現在完成している23点が本日お披露となり、そのうち7点の撮影が許可された。

宮﨑駿のパノラマボックス「となりのトトロ/ねむいよー」。正面から見ると、映画のワンシーンのような一枚絵に見える

宮﨑駿のパノラマボックス「となりのトトロ/ねむいよー」。正面から見ると、映画のワンシーンのような一枚絵に見える [高画質で見る]

宮﨑駿のパノラマボックス「となりのトトロ/ねむいよー」。実際は背景画やキャラクターなどが別々に描かれ、箱の中にそれぞれの絵が何層にもわかれて設置されている

宮﨑駿のパノラマボックス「となりのトトロ/ねむいよー」。実際は背景画やキャラクターなどが別々に描かれ、箱の中にそれぞれの絵が何層にもわかれて設置されている [高画質で見る]

取材会に姿を見せた鈴木は「本来なら宮﨑駿がここにいるべきなんですよ!(笑)」とぼやき、「今朝も宮さんに『記者会見どうしますか?』って聞いたんですが、『俺は出ない! 吾朗がやればいいんだ』って言ってました。でも本人ものぞきたいと思っていると思うので、内緒で顔を出すかもしれませんね」と述べ、会場の笑いを誘う。

スタジオジブリ・宮﨑駿による最新の仕事「パノラマボックス」取材会に出席した宮崎吾朗(左)と鈴木敏夫(右)

スタジオジブリ・宮﨑駿による最新の仕事「パノラマボックス」取材会に出席した宮崎吾朗(左)と鈴木敏夫(右) [高画質で見る]

宮崎吾朗「とても“宮﨑駿的”」

宮崎吾朗は「(宮﨑駿が)パノラマボックスの制作を始めたのは2022年の6月ぐらい。『君たちはどう生きるか』の作画が終わって、仕上げ段階に入っていた頃で、やることがなくて暇してたんです(笑)」と振り返り、「パノラマボックスという言葉は宮﨑駿の発明で、一般的にはアートボックスというんです。技法自体は16世紀頃からあったもの。宮﨑駿は昔、キャラメルの箱が細工されているおもちゃで遊んでいたそうで、そのあたりが本人にとっての原点なんじゃないかと思っています」と紹介する。また「一般的には真横から舞台を見るように作られることが多いんですが、宮﨑駿が作ったパノラマボックスの特徴は縦構図を多用していることです。カメラを上下に動かしたような絵を作っている。これはとても“宮﨑駿的”だなと思います」と続けた。

宮﨑駿のパノラマボックス「魔女の宅急便/オーイあぶないよ」

宮﨑駿のパノラマボックス「魔女の宅急便/オーイあぶないよ」 [高画質で見る]

鈴木敏夫「宮﨑駿の絵の力は進化してる」

これを横で聞いていた鈴木は「『もののけ姫』のキャンペーンでアメリカに行ったとき、MoMA(ニューヨーク近代美術館)にサルバドール・ダリのアートボックスが展示されていたんです。宮さんは一生懸命観ていた。あれも関係があったんじゃないかな」と回想し、「(宮﨑駿は)今年85歳になって、そろそろかな?なんて思っていたら、やたら元気! まだ映画を作りたがっていて、本当に嫌なんですよ(笑)。日によって違うんだけど、体調のいい日は、映画への意欲を示している。応援はしてないです。でも世の中、何が起こるかわかんないから」と笑い、「パノラマボックスを観ると絵の力は衰えていないなと。ここに来て、進化してる。吾朗くんが作ってきたジブリパークで、吾朗くんより自分が前に出ようとしている。それがあの人の原動力。人に負けない、面白いものを作る。そういう人です」と語った。

宮﨑駿のパノラマボックス「君たちはどう生きるか/インコ帝国」

宮﨑駿のパノラマボックス「君たちはどう生きるか/インコ帝国」 [高画質で見る]

子供たちのジブリが帰ってきた

工作に関して、宮﨑駿との思い出はあるか問われると、宮崎吾朗は「教わったことはないですね。ただ小学校低学年のとき戦艦大和の模型を紙で作っていたんですが、図鑑の写真に後ろ側が写っていなくて、実際どんなものかわからず、作りかけを置いていたことがあって。朝起きたら、隣に(宮﨑駿が描いた)俯瞰図が置いてありました。それを見て、なるほどなと思った記憶があります」と回想。また宮崎吾朗による映画の企画はあるのか問われると「短いものは……でも今は黙っておきます。ないということはないです」と口にした。

取材会の前には子供たちを招いてパノラマボックスをお披露目したそう。そこに立ち会った宮﨑駿は「子供たちのジブリが帰ってきた」と喜び、宮崎吾朗に握手を求めたという。宮崎吾朗は「パノラマボックスは子供が背伸びしてのぞき込めるものになっています。だから子供の目線になって、しゃがんで観てください」と呼びかけた。

宮﨑駿のパノラマボックス「千と千尋の神隠し/鬼のふろ屋」。箱の中に千尋やカオナシ、油屋の様子が見える

宮﨑駿のパノラマボックス「千と千尋の神隠し/鬼のふろ屋」。箱の中に千尋やカオナシ、油屋の様子が見える [高画質で見る]

宮﨑駿のパノラマボックス「千と千尋の神隠し/鬼のふろ屋」。箱の中をのぞくと奥行きのある風景が広がって見える仕掛けに

宮﨑駿のパノラマボックス「千と千尋の神隠し/鬼のふろ屋」。箱の中をのぞくと奥行きのある風景が広がって見える仕掛けに [高画質で見る]

※記事初出時、写真キャプション内の人名に誤りがありました。お詫びして訂正します

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©Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

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