「吉田山田祭り」は吉田山田が毎年夏に開催している恒例のワンマンライブ。2023年は「吉田山田盆踊り」、2024年は「吉田山田夏祭り」と近年は形を変えながら室内でのライブが開催されていたが、今年は3年ぶりに上野恩賜公園野外ステージにて屋外での「吉田山田祭り」が行われた。
音楽という“タイムマシン”に乗って
定刻を迎え、浴衣姿でステージインした吉田山田は、「夏のペダル」のバラードバージョンでライブをスタートさせる。時折風が吹くとステージ上に置かれた風鈴の音が鳴り響く、夏の情緒を感じさせる空気感の中、吉田結威(G, Vo)と山田義孝(Vo)は情感豊かな歌声を届けてオーディエンスを歓迎した。1曲歌い終え、「吉田山田祭り」が10年前の2015年に始まったことを振り返った2人は「10年という節目のタイミングなので、初心に返る意味でも当時のセットリストを再現する」と告知。「全部そのままのキミでいい」「ラブレター」「一番星」と、2015年の「吉田山田祭り」とまったく同じ曲順でライブを展開した。
10年前のセトリをトレースしながらこれまでの歩みを振り返った吉田は「昔から立っているステージって、昔の緊張した記憶が残っていていつもと違う緊張感がある」と、しみじみ語る。山田は2016年の「吉田山田祭り」で「魔法のような」の歌唱中に雨が止んだことを「まるで魔法のようだったよね」「音楽はタイムマシンのように、いろんな気持ちを連れてきてくれる。何年経ってもすぐにあのときに戻れる」と、過去の「祭り」の記憶を思い起こしていた。
10年続けてきた、吉田山田流の夏祭り
10年前の「吉田山田祭り」と同じく、休憩中にラジオ音声が流れるインターバルを挟み、ライブは第2部へ。大きな「祭り」のフラッグを手に、お馴染みのサポートメンバー・幡宮航太(Key)とともにステージに戻ってきた吉田山田は「新しい世界へ」でライブを再開。3人は「好き好き大好き」「Color」など近年のライブで披露されている人気曲を中心としたセットリストを展開した。
日が傾きかけた頃に披露された楽曲は「線香花火」。ひと足早いヒグラシの鳴き声に風鈴の音が重なり、野外ライブならではの空気感で観る者の心を揺さぶった。「恋」の歌唱中には吉田が客席まで降りて空席に座り、隣のファンの目を見ながら歌唱するひと幕も。会場を練り歩きながらファン1人ひとりと目を合わせて歌を届ける吉田は「歌で、音楽でみんなのことを抱きしめたい」と熱っぽく語り、「恋」のクライマックスにつなげた。
山田は10年続けてきた「吉田山田祭り」について「途中で『今年は無理だろう』ということが何度もありました。それでも自分たちの意地を張って続けてきたのは、こういう今日のような日が待っていると信じていたからです」と、自身の思いを口にした。
この日2度目の「夏のペダル」は、近年の「吉田山田祭り」でお馴染みとなった“祭りVer.”で披露された。この曲では2人が法被を羽織ってステージ中央に鎮座する和太鼓を叩き、祭り気分に拍車をかける。「ワッショイ! ワッショイ!」のかけ声でコール&レスポンスを繰り返し、会場をひとつにした2人が最後に披露したのは「約束のマーチ」。合計20曲を野外で届けた2人は最後に「また来年も、どうか元気にお会いしましょう」と再会の約束を交わし、今年の祭りを締めくくった。
セットリスト
吉田山田「吉田山田祭り2025」2025年7月6日 上野恩賜公園野外ステージ
第1部
01. 夏のペダル(バラードver.)
02. 全部そのままのキミでいい
03. ラブレター
04. 一番星
05. 泣いてもいいよ
06. ソウルフード
07. ツボミ
08. 魔法のような
第2部
09. 新しい世界へ
10. イッパツ
11. 好き好き大好き
12. Color
13. もやし
14. 線香花火
15. 恋
16. 日々
17. ガムシャランナー
18. こんな夏はいやだ
19. 夏のペダル(祭りVer.)
20. 約束のマーチ
リンク
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】吉田山田、10年前の“祭り”再現と最新のセトリでファン沸かす(写真33枚)
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