「悪い夏」は第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人の小説を実写化する作品。市役所の生活福祉課に勤める公務員・佐々木が、同僚がシングルマザーに関係を迫っていると相談されたことをきっかけに、凶悪な事件に巻き込まれていく。
主人公の佐々木を演じる北村は、今作への出演の決め手を聞かれ「まず、本に力がありました。そのあとに原作を読んだのですが、原作からの改変が納得のいくものだったし、映画として世の中に発信するうえでのよさが詰まっていると思ったので即お返事をした形です。あとは、城定さんとやってみたかった。僕の親友といえる磯村勇斗が城定さんの『ビリーバーズ』に出ていて、『いつかやりたいね』とマネージャーとも話していたんです。そこに連絡が来たので二つ返事でした」とコメントした。
この「悪い夏」で北村と初共演した河合は、北村について「1つひとつに対して真剣なことが伝わってきますし、お芝居だったり作品を作ることが楽しいんだろうなと。毎日楽しんで現場に来ている方なんだろうなと思いました」と印象を明かす。すると北村も河合に対して「すごい人が出てきたなという印象です」と思いを語り「物事を見ている角度が近いなって。同じ目線でシーンを見ている感覚があって、それは気持ちいい時間でした」と続けた。
育児放棄寸前のシングルマザー、彼女を揺すり肉体関係を迫る公務員、裏社会の住人、生活保護の不正受給をするドラッグの売人といったキャラクターが登場し「クズとワルしか出てこない」のキャッチフレーズで話題の今作。中でも「印象的だった“クズとワル”は誰か?」という話題では、北村が山田吉男役の竹原ピストルの名前を挙げ「ピストルさん演じるキャラが非常にクズでしたね。腰が低くて気遣いがあって。柔らかさがにじんでいて憎めないですけど……クズなんですよね。それが憎たらしかったです」と回答する。また、同じ質問に河合がチャンス大城の名前を挙げると、北村は「後日、チャンスさんと共演した僕の友人から聞いた話なんですけど」と切り出し「チャンスさん、(映画撮影が)バラエティのドッキリだと思ってたらしくて。僕のことを本物だと思ってなかったんですって(笑)。芸人さんって大変だなと思いました」と裏話を明かして登壇者と客席を騒然とさせていた。
挨拶の後半には、映画タイトルにちなみ、登壇キャストが“自分の悪いところ”を自己申告するコーナーが。フリップに「サプライズが苦手です」と書き込んだ北村は「心は喜んでいるんですけど、それがまったく表に出ないんです。だから表に出す演技をするんですけど、それが下手くそで(笑)。ありがたいなと思うんですけど極力やめていただきたいなって……」と告白する。現在撮影中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」の現場でも誕生日のビッグサプライズを受けたそうで「どデカいあんぱんを渡されて、すっごいうれしかったんですけど、相当顔が引きつってたんじゃないかなって。何度も言いますけど、うれしかったですよ!(笑)」と自らをフォローした。その後、登壇メンバーが“悪いところ”を発表するたび、北村と窪田は「悪い、悪い!」「これは悪くない!」など言葉を添えて会場を盛り上げる。「目つき」と書いた毎熊が、周囲から目つきで怖がられがちだと悩みに近い告白をすると、2人は「悪くない、毎熊さんは悪くない!」と合いの手を入れていた。
最後に北村は「皆さん、覚悟はよろしいでしょうか? こんなワルが集まりました」と観客に語りかけ「僕が四の五の言わなくてもいいかなというくらい、映画として面白いです。それぞれの人間模様がジェットコースターのように流れていきます。映画を観たあとの多幸感みたいなものを持って帰って幸せになるような作品ではないかもしれないけど、『いい映画を観たな』という感情になると思います」と作品の魅力を伝え、舞台挨拶を結んだ。
ゆっくりくま @chai_fire
磯村勇斗さんの「ビリーバーズ」を観て城定監督とやりたいって話してたってのが嬉しい。
少し髪が伸びてとても精悍な印象。見惚れる
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