12月7日に東京・Zepp Tokyoにて、
5月から始まったライブシリーズもクライマックスに近付き、ますます盛り上がりをみせる中、この日のゲストとして招かれたのは藤井フミヤ。2時間強におよんだ対バンは、氣志團サイドのフミヤへの並々ならぬリスペクトを感じさせる内容となった。
先攻を務めるフミヤは、サングラスをかけ、黒いパンツにジャケットという“大人の不良”を思わせるファッションで登場。黄色い歓声を浴びながら現れると「Everybody! Are you Ready?」と呼びかけ、ロカビリー調の「ストレイキャット」からライブをスタートさせた。色気を感じさせる歌声にKISSESを含むオーディエンスはうっとり。2曲目の「ハートブレイク」では華麗にターンを決め、さらにマイクスタンドを高く掲げ器用に回すなど、滑らかな動きで会場の視線をも釘付けにしていく。
ロックモードが全開になった「Mother Freedom」、伸びやかでセクシーなボーカルが映えた「嵐の海」など、ミディアムナンバーで十分にフロアがあたたまった頃、最初のMCに。フミヤは「今日は『星と屑達のステージ』ってことで、どっちが屑でどっちが星かって話なんですが……。この年になると屑ではない気はしてるんですがねえ」と笑わせ、「しかし、疲れた。力んじゃって、今日は調子狂うな」と早くも氣志團のペースに巻き込まれていることを明かした。
「それでは藤井フミヤと証明する曲をやります」という宣言から始まったのは名曲「TRUE LOVE」。柔らかなアコースティックギターに乗せて、穏やかな歌声が響きわたる。さらに「素直にI'm Sorry」「Long Road」というチェッカーズ時代のナンバーが披露され、会場の興奮はさらにヒートアップ。オーディエンスはイントロが鳴った瞬間に「キャー!」という悲鳴のような歓声をあげ、新しいアレンジで生まれ変わった名曲に聴き入った。
「今日はもうちょっとクールにするハズだったのに」と言いながらも、後半戦はアッパーなナンバーを畳み掛けたフミヤ。「UPSIDE DOWN」では躍動感あるボーカルが会場の高揚感を煽り、続く「HOW COOL」では艶かしい動きと視線でオーディエンスをノックアウトする。最後に軽やかにターンを決めると「Thank you!」と感謝を告げ、「次は氣志團です。盛り上がっていこうぜ!」と後輩にバトンタッチした。
後攻の氣志團は、フミヤのダンサブルなステージを受けてか普段以上にアグレッシブなモードに。中でも綾小路翔(Vo)と早乙女光(Dance & Scream)の2人が緩急を付けたダンスでオーディエンスを魅了していく。しかし憧れの大先輩を前にプレッシャーを感じている様子。妙にハイテンションの綾小路は「ビビってんだよー!!」と大声で叫んだり、話の途中で噛んだりといつもの饒舌振りはどこへやら。「みんなでひとつになろう!」となんとか持ち前の強引さで観客の肩を組ませ一体感を作り出すと、チェッカーズの「Jim & Janeの伝説」の歌詞を引用しながら「ここにいるみんなを必ずPeriodの向こうへ連れていくぜ!」と高らかに宣言した。
早乙女光がダンボール製のAIBO風メカドッグに乗り、紙テープを飛ばしまくった「恋人」のあと、綾小路は「みんなのおかげでフミヤさんと同じステージに立てました! どうもありがとう」とオーディエンスに感謝。続けてデビューからこれまでの軌跡を、自身に起きた事件を交えながら回顧し始めた。「2003年には『氣志團万博』開催前に、スキャンダルがあったり……」「東京ドーム前日にもスキャンダルされたり」とこぼすと、早乙女がすかさず携帯のカメラを向け、ほかのメンバーが絶妙なタイミングで「あの娘とスキャンダル」のワンフレーズを奏でる。さらに「2005年には51本のツアーを回って、家に帰ってきたら彼女がいなくて」と衝撃の失恋エピソードが明かされると、情感たっぷりの「I Love you, SAYONARA」が響きオーディエンスの爆笑を誘った。
後半は綾小路と早乙女、微熱DANJIが金色の特攻服で現れ「俺達には土曜日しかない」「MY WAY」などのアッパーなナンバーを熱唱する。「One Night Carnival」では、吉川晃司との対バンに続きシンバルスタンドが登場。綾小路は2人の黒子に支えられながらも見事なシンバルキックを決め、「俺んとこ来ないか?」と得意げに口にした。この曲ではいつものようにサビで美しい合唱が起きたが、綾小路は「俺たちにはこの曲しかないんです! 俺たちには『TRUE LOVE』も『Another Orion』もないんだよ」とさらなる大きな合唱を求める。「歌ってくれなかったら、酷く弱った鳩2羽をフミヤさんの家のポストに入れるぞ」「鳩が死んだら、フミヤさんショックで曲を書けなくなるぞ。コンサートをやっても『ハート型の涙』しか歌わないし、アンコールは『ウサギちゃん SAY GOOD BYE』だぞ! 君たちは日本の宝を失うんだ」と脅迫。これを受けて合唱が起きるが、綾小路がチェッカーズ時代に発表されたフミヤのソロ曲「Mother's Touch」を軽く歌い出すと、それに続いて一体感のある大きな合唱が。綾小路が「さっきより大きくない!? 声ちょっと大きいよ!」と慌てふためく場面もあった。
「僕ら木更津というちょっと磯臭い『時のK-City』からやってきました」という綾小路の自己紹介からアンコールへ。「言葉にならないんです」とフミヤと同じステージに立っている感動を述べつつ、「でもずうずうしくも1曲一緒にやってくださいとお願いして……」とフミヤを呼び込んだ。再びステージに現れたフミヤは「話長いよ! しかも俺をネタにして!」と文句を言いつつ、うれしそうな表情。一方の綾小路は「フミヤさんのあとにやるプレッシャーたるや!」と先輩を前に恐縮している様子だった。
2組がアンコールセッションの曲として選んだのは「タイムマシーン」。心地良いバンドのグルーヴにのせて、フミヤと綾小路が交互にマイクをとる。「神様 お願い タイムマシーンに乗って あの娘の 未来がほしい」というサビでは2人の声が重なり、それにあわせてオーディエンスも腕を高く挙げる。最後は綾小路の「ありがとうございました!」という感謝の言葉で、この日の対バンはフィナーレを迎えた。
氣志團 Presents 極東ロックンロール・ハイスクール
~三人の若者と六人のおじさんのすべて~ 氣志團 vs フジファブリック
2011年12月13日(火)東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
~大きなフィートの木の下で~ 氣志團 vs 10-FEET
2011年12月14日(水)東京都 LIQUIDROOM ebisu
OPEN 18:00 / START 19:00
~おれがあいつであいつがおれで~ 氣志團 vs DJ OZMA
2011年12月21日(水)東京都 Zepp Tokyo
OPEN 18:00 / START 19:00
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リンク
- MIDNIGHT SPECIAL THE KNIGHTS KISHIDAN FROM ROUTE 127 OF FAIRIES.
- FFM Official Web Site
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rainbow_station @since1983_che
【12/7今日は何の日】●1988年:藤井郁弥 CMソング「Mother's Touch」発売
●2011年:藤井フミヤ 氣志團の対バンライブ「極東ロックンロール・ハイスクール」出演
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