butaji襲名10周年公演で折坂悠太と白熱のセッション、石橋英子やSTUTSも迎えて多彩な楽曲歌い上げる

7

103

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 14 59
  • 30 シェア

シンガーソングライターbutajiのワンマンライブ「butaji 襲名10周年記念公演」が11月24日に東京・下北沢ADRIFTで開催された。

butaji(撮影:タイコウクニヨシ)

butaji(撮影:タイコウクニヨシ)

大きなサイズで見る(全14件)

バンドやゲストと祝う10周年

butaji(撮影:タイコウクニヨシ)

butaji(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

2013年に自主制作盤「四季」「シティーボーイ☆」を発表し、現在の名義で活動を開始したbutaji。さまざまなユニットでも作品を発表しつつ、2015年に1stアルバム「アウトサイド」、2018年に2ndアルバム「告白」をリリースし、独特な歌声と幅広いソングライティング能力で音楽シーンに名を知らしめる。2021年にはSTUTSと共作したドラマ「大豆田とわ子と3人の元夫」の主題歌「Presence」で注目を浴びる中、3rdアルバム「RIGHT TIME」をリリース。同作は後藤正文が主催する音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award- 2022」の大賞を受賞するなど高い評価を集めた。

そんなbutajiの“襲名10周年”を記念したワンマンライブには、近年の彼の活動を支えてきたバンドメンバーである樺山太地(G / Taiko Super Kicks)、山本慶幸(B / トリプルファイヤー)、坂口光央(Key)、岸田佳也(Dr)やゲストが参加。ステージに登場したbutajiがアコースティックギターを爪弾き、艶のある美声を張り上げると、バンドは重厚な演奏で会場を包み、観客を一気にその世界観に引き込んでいく。ミディアムナンバー「サンデーモーニング」でライブを始めたbutajiは、STUTSプロデュースのポップな「YOU NEVER KNOW」を続けて歌唱。「長丁場なんで無理せずゆっくり聴いてください」と優しく呼びかけつつ、「花」「acception」「抱きしめて」の切ない詩情あふれる3曲をバンドセットで披露し、繊細かつ力強い歌声を響かせた。

STUTS「襲名ってどういうことなんですか?」

butajiとSTUTS。(撮影:タイコウクニヨシ)

butajiとSTUTS。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

バンドメンバー退場後、三浦透子に提供したバラード「点灯」をソロでセルフカバーしたbutajiは、1人目のゲストとしてSTUTSをステージに迎え入れる。にこやかに登場したSTUTSは「襲名10周年おめでとうございます」とbutajiを祝いつつ、「襲名ってどういうことなんですか?」と直球質問。butajiが言葉を詰まらせながらも「(この公演の)キャッチコピーみたいなもんです」と笑うと、STUTSは「デビュー的なことですもんね、一番最初に音源を出して10周年ってことですよね」とフォローした。

butajiとSTUTS。(撮影:タイコウクニヨシ)

butajiとSTUTS。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

仲睦まじく笑い合うbutajiとSTUTSが披露したのは「I'm here」「Presence」の2曲。butajiがマイクを握って伸びやかに歌う一方、STUTSはリズミカルにMPCを叩き、迫力のある太いドラムの音でライブを盛り上げてみせた。

石橋英子「なんでbutajiさんなんですか?」

石橋英子とbutaji。(撮影:タイコウクニヨシ)

石橋英子とbutaji。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

STUTSと別れたあと、打ち込みのループに乗せて初期曲「飛行」を1人で演奏したbutajiが、次なるゲストとして呼び込んだのは石橋英子。鍵盤の前に座った石橋は「butajiさんはなんでbutajiさんなんですか?」とSTUTS同様にストレートな質問を投げかけ、butajiは明確な答えがないとしながらも「自分の音楽を発信していくときに本名で活動したくなかった。逆に制限を感じた」と答えた。

石橋英子とbutaji。(撮影:タイコウクニヨシ)

石橋英子とbutaji。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

そこから和やかなムードで取り止めもない会話が続き、会場に笑いが起こる中、「こんな話してると演奏中に思い出しちゃってね」と困惑した様子のbutajiだったが、演奏を始めると表情を変えて、その世界に没入。「あかね空の彼方」「春雷」で彼と石橋はコラボし、石橋は煌びやかなピアノの音色とコーラスで楽曲を彩った。

折坂悠太との圧倒的セッション

butajiと折坂悠太。(撮影:タイコウクニヨシ)

butajiと折坂悠太。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

左から山本慶幸(B / トリプルファイヤー)、butaji、折坂悠太。(撮影:タイコウクニヨシ)

左から山本慶幸(B / トリプルファイヤー)、butaji、折坂悠太。(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

そしてライブ後半、キャリアの原点と言えるEP「四季」から表題曲「四季」と「けもの」の2曲を弾き語りで演奏したbutajiは、再びバンドメンバーを迎え入れ、最後のゲスト折坂悠太も呼び込む。飲み仲間だというbutajiと折坂のコラボ曲「トーチ」は、エネルギッシュなバンドアレンジで披露され、バンドの演奏がどんどんと熱を帯びていく中、2人は声を振り絞って叫び合う。その魂がこもった掛け合いに観客は圧倒され、演奏が終わると大きな歓声が沸き起こった。

会場に熱狂的な空気が残る中、butajiはSTUTSと共作したドラマ「エルピス」の主題歌「Mirage」を荒々しく歌い、「Light」「calling」を真っ直ぐに歌唱。アンコールでは初期曲「東京タワーとスカイツリー」を穏やかに歌い上げ、温かい余韻を残してライブに幕を下ろした。

セットリスト

「butaji 襲名10周年記念公演」2023年11月24日 下北沢ADRIFT

01. サンデーモーニング
02. YOU NEVER KNOW
03. 花
04. acception
05. 抱きしめて
06. 点灯
07. I'm here
08. Presence
09. 飛行
10. あかね空の彼方
11. 春雷
12. 四季
13. けもの
14. トーチ
15. Mirage
16. Light
17. calling
<アンコール>
18. 東京タワーとスカイツリー

この記事の画像(全14件)

読者の反応

  • 7

butaji @butaji_tw

STUTS「襲名ってどういうことなんですか?」
石橋英子「なんでbutajiさんなんですか?」 https://t.co/WNUOPXgxTT

コメントを読む(7件)

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 butaji / Taiko Super Kicks / トリプルファイヤー / STUTS / 石橋英子 / 折坂悠太 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。