ASIAN KUNG-FU GENERATIONが鎌倉の地で名盤「サーフ ブンガク カマクラ」を完全再現

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONがライブツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2023『サーフ ブンガク カマクラ』」の神奈川・鎌倉芸術館公演を、11月22日と23日の2日間にわたり行った。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)

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今回のツアーの主役となっているのは、7月にリリースされた最新アルバム「サーフ ブンガク カマクラ(完全版)」で、多くのリスナーから愛され続けてきた2008年リリースの同名アルバムの完全版。鎌倉駅と藤沢駅をつなぐ江ノ島電鉄、通称“江ノ電”の全15駅をモチーフにした曲で構成されていることから、鎌倉の地でのライブは凱旋的な意味合いを持つものに。23日公演の模様は国内外で生配信され、ファンはそれぞれの形で最新のアジカンサウンドにバージョンアップした名盤の楽曲を堪能した。

「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2023『サーフ ブンガク カマクラ』」神奈川・鎌倉芸術館公演の様子。(撮影:山川哲矢)

「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2023『サーフ ブンガク カマクラ』」神奈川・鎌倉芸術館公演の様子。(撮影:山川哲矢)[拡大]

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)

後藤正文(Vo, G)(撮影:山川哲矢)[拡大]

【関連特集】ASIAN KUNG-FU GENERATION「サーフ ブンガク カマクラ(完全版)」特集|15年の時を経て、描かれた湘南物語の続き

会場に足を踏み入れた瞬間、観客の目の前に広がるのは江ノ島を臨む海通りの風景。サーフボードにヤシの木、自転車に赤いクラシックカー、パステルカラーのカリフォルニアスタイルの家、そして2つのギターアンプ、ドラムセット、ベースアンプが程よい距離感でステージに並ぶ。「サーフ ブンガク カマクラ」の世界観を凝縮した舞台に観客が心を弾ませる中、家の壁にかけられた「OPEN」のネオンサインに光が灯り、ライブの始まりを告げた。

喜多建介(G, Vo)(撮影:山川哲矢)

喜多建介(G, Vo)(撮影:山川哲矢)[拡大]

山田貴洋(B, Vo)(撮影:山川哲矢)

山田貴洋(B, Vo)(撮影:山川哲矢)[拡大]

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)

伊地知潔(Dr)(撮影:山川哲矢)[拡大]

ストライプのシャツに、ベージュのチノパンという衣装を身にまとった後藤正文(Vo, G)、喜多建介(G, Vo)、山田貴洋(B, Vo)、伊地知潔(Dr)が現れると、観客は一斉に立ち上がり4人を歓迎。喜多は愛機であるギブソンのレスポールを抱え、藤沢駅をモチーフに作られた「藤沢ルーザー」のイントロを高らかに奏でた。

喜多建介(G, Vo)と後藤正文(Vo, G)。(撮影:山川哲矢)

喜多建介(G, Vo)と後藤正文(Vo, G)。(撮影:山川哲矢)[拡大]

伊地知潔(Dr)と山田貴洋(B, Vo)。(撮影:山川哲矢)

伊地知潔(Dr)と山田貴洋(B, Vo)。(撮影:山川哲矢)[拡大]

エフェクターを駆使しながらさまざまな音色を鳴らし、時に伸びやかなハイトーンボイスで後藤の歌声に寄り添う喜多、細やかな仕掛けを織り交ぜたビートを終始笑みを浮かべながら刻む伊地知、いぶし銀のプレイで包容力のある低音を奏でる山田。後藤は約25年間歩みをともにしてきた3人の奏でるアンサンブルに、豪快なギターの音色と情感あふれるボーカルを重ね、パワーポップというジャンルに特化して生み出した「サーフ ブンガク カマクラ」のナンバーを次々と届けていく。海通りを模した舞台は、ライティングによって時の移ろいを刻み、ステージが薄く桜色に染まり夜明けが表現された次の瞬間には、きめ細かな電飾が瞬き海の上に星空が描き出されるなど、アジカン流の“鎌倉物語”に彩りを添えた。なお「サーフ ブンガク カマクラ」はアジカンメンバーが敬愛するWeezerの1stアルバム(「Weezer」)を意識して作られたというエピソードを持つことから、本編で4人は「Surf Wax America」のカバーも披露。陽気なアンサンブルで、オーディエンスを極東の一角からアメリカの西海岸へと誘った。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)[拡大]

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATION(撮影:山川哲矢)[拡大]

アンコールでは後藤が「来年は潔が加入して25周年。今年はメジャーデビュー20周年。なのに(いろいろ)やり忘れた……」とボソリ。すると山田が「『サーフ~』が盛り上がってたからね!」とフォローを入れ、オーディエンスとメンバーを唸らせる場面も。続けて後藤はホール公演ならではの演出に触れつつ「自分たちの音楽を適正に届けられる距離ってあるよね。昔はスタジアムとかでやりたいと思ったこともあったよ、Oasisみたいに。でもぐちゃっとしてるライブハウスも好きなんだよね。どこに行ってもいい(ライブハウスの環境)というのは素敵だと思うんだよ」と「ライブや音楽は自由に楽しんでほしい」というメッセージを伝え、目の前の観客に向かって「まあ……とにかくありがとう」と照れ臭そうに笑った。

「藤沢ルーザー」で“出発”したライブは、凪を想起させる景色を歌った「鎌倉グッドバイ」で“終着”。いつものように肩を組み、満員の観客に向かってお辞儀をした4人は、1人また1人とドアの向こうへ。最後にステージを照らしていた「OPEN」のネオンサインが消え、ライブは穏やかな余韻を残して幕を下ろした。

なお、鎌倉芸術館公演2日目の模様は11月29日23:59までStagecrowdにて見逃し配信中。またツアーは12月21日の広島・広島 CLUB QUATTRO公演をもってフィナーレを迎える。

ライブ情報

ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2023「サーフ ブンガク カマクラ」(※終了分は割愛)

2023年12月14日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2023年12月20日(水)広島県 広島CLUB QUATTRO
2023年12月21日(木)広島県 広島CLUB QUATTRO

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ASIAN KUNG-FU GENERATION Info @AKG_information

💁‍♂️11/23 鎌倉芸術館で行われた
#アジカン Tour 2023「#サーフブンガクカマクラ」のライブレポートが公開となりました!

【ライブレポート】ASIAN KUNG-FU GENERATIONが鎌倉の地で名盤「サーフ ブンガク カマクラ」を完全再現(写真22枚) https://t.co/p0FwmKa7aq

photo by @tetsuyayamakawa

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