氣志團×かまってちゃんが「23才の夏休み」をセッション

氣志團の結成15周年およびメジャーデビュー10周年を記念した対バンライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール」の第5弾として、神聖かまってちゃんとの対バンライブ「ツッパリHigh School Rock'n'Roll（不登校編）」が昨日7月27日に東京・LIQUIDROOM ebisuで開催された。

この日の先攻は神聖かまってちゃん。の子（Vo, G）は髪型を肩下15cmほどの三つ編みにし、片手にノートPCを持って配信の視聴者に向かってしゃべりながらステージに登場した。ライブは「レッツゴー武道館っ」「美ちなる方へ」といった高揚感のある楽曲からスタートし、観客のテンションは早くも上昇。そのままの勢いで、8月31日にリリースされるニューアルバム「8月32日へ」のオープニングを飾る曲「グロい花」が演奏された。この曲は神聖かまってちゃんが前身バンド・びばるげばる書店として制作した楽曲「ののの物語」をベースに作られたバラードで、CD発売に先駆けて披露された新曲にファンはじっと耳を傾けていた。

「黒いたまご」では、の子がエキサイトしすぎたあまり「朝に食べてきたコーンフレークが出てきたぜ！」というほどの盛り上がりに。しかし彼らはこれ以降のセットリストをまったく考えていなかったとのことで、ステージ上で相談しながら「芋虫さん」「いかれたNeet」などの曲を演奏した。曲を決めている際にステージ上の4人が無言でじっとしている場面がたびたびあったことから、ちばぎん（B）が「氣志團ファンの人たちは『この空気大丈夫なの？』って思ってるよ」と気を遣っていたが、これに対しての子が「一緒にいるときに無言でも大丈夫なのが本当の友だちなんです！」と持論を展開していた。また、ちばぎんは「楽屋に1日のタイムテーブルが貼ってあったんですけど、氣志團のところは何分何秒まで細かくセットリストが書いてあるのに、かまってちゃんの部分は真っ白だった」と、このライブの進行が本当に行き当たりばったりであることを観客に説明していた。

「あるてぃめっとレイザー」ではの子とmono（Key, G）が続々と客席に向かってダイブ。そして、凶悪なノイズをまき散らしながら「通学low」をハイテンションに演奏したところで彼らの持ち時間は終了した。しかし、の子は最後にどうしても「ちりとり」が歌いたかったようで、ほかのメンバーがステージを降りた後もギターを持ったまま居残り、「フジロックのときのイギー・ポップみたいに、みんなステージに上がってくればいいんだよ！」と観客を扇動。すぐにマネージャーの剱樹人に後ろから羽交い絞めにされて強制退場となった。

続く氣志團のライブは「房総スカイライン・ファントム」「ゴッド・スピード・ユー！」と、スタートから怒涛のパフォーマンスを展開。綾小路翔（Vo）が「ロックンロールはよお！ 鳴り止まねえぜ！ オーライ？」と叫んで始まった「Baby Baby Baby」では観客が一斉に手を振り、それまでとは異なった一体感が会場に生まれていた。

綾小路は最初のMCで「あんな無茶苦茶やられたらオレたちどうすればいいんだよ……」「すげえケンカ強い奴に会ったら、ビビって尻尾巻いて逃げるか、全力でぶつかっていくかどっちかだろ？ だからオレは決めたよ……。今日はあと2曲だけやらせていただきます」「だって勝ち目ねえよ！ あの無理矢理連れ出される退場シーン、オレも紅白に出たときに同じようなことネタでやったけど、あの人マジでやってるんだもん！」と、神聖かまってちゃんのライブを観た衝撃を語っていた。

星グランマニエ（G）がメインボーカルのギターロック「330」が演奏されている間に、綾小路と早乙女光（Dance, Scream）が学ランから鮮やかな赤と青の特攻服に衣装チェンジ。微熱DANJIの3人とともにバイクのハンドルを持ってステージに再登場し、ロックな前半とは雰囲気を変えたディスコチューン「俺達には土曜日しかない」「愛してナイト！」で竹の子族の世界観を現代によみがえらせた。

「One Night Carnival」では中盤で一旦ブレイクし、「この曲をリリースしたのは10年前の6月でした。もともとインストバンドだったオレたちにとってこの曲は初めての歌モノで、メンバーは全員反対してました。ずっとインストでがんばってきたのに、なんで今さら80年代ポップスの醜悪な焼き直しをしなければいけないんだと、背の高いギタリストに言われました」と当時のエピソードを告白。観客とともに会場中で「One Night Carnival」を合唱した。

アンコールには神聖かまってちゃんのメンバーも参加。しかしの子はステージに現れず、綾小路は「みんな！ 信じよう！」「歌うも歌わないも自由じゃないか」と苦笑いしながら観客をなだめた。ここで披露されたのは、綾小路が神聖かまってちゃんを知るきっかけになり、いつか共演してみたいと思ったという曲「23才の夏休み」。氣志團のメンバーが演奏し、綾小路とかまってちゃんメンバーが交互にリードボーカルを担当した。しかし曲の途中で綾小路が歌を止める瞬間があり、代わりにの子が歌う声がマイクを通して会場に響きはじめた。この事態に観客や出演者たちは騒然。彼の登場に期待したファンが舞台の袖を見ながら「の子」コールを起こしたが、それを聞いたの子は再び楽屋のほうへ引っ込んでしまい、結局彼がステージに姿を表すことはなかった。綾小路は曲の最後で観客に向けて「それぞれの夏休みを！」と挨拶し、「この会場のどこかにいるであろう、の子くんに拍手！」と来場者に拍手を促した。

なお、氣志團のライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール」は、8月1日19:00に対バン相手の追加発表が予定されている。

氣志團 Presents 極東ロックンロール・ハイスクール

～ジャイアン vs ブタゴリラ～ 氣志團 vs ナイトメア
2011年8月1日（月）東京都 SHIBUYA-AX

～なのはなダンシング・オールナイト～ 氣志團 vs ヒダカトオル
2011年8月9日（火）東京都 LIQUIDROOM ebisu

～Ring! Ring! 電話がRingin' Tonight!!～ 氣志團 vs the telephones
2011年8月17日（水）東京都 LIQUIDROOM ebisu

～前戯なき戦い～ 氣志團 vs ユニコーン
2011年8月19日（金）東京都 Zepp Tokyo

～ベルサイユからの転校生～ 氣志團 vs Takamiy
2011年8月22日（月）東京都 Zepp Tokyo

～超絶魂（ウルトラソウル）～ 氣志團 vs グループ魂
2011年9月6日（火）東京都 Zepp Tokyo

～氣志團パノラマ島へ行く～ 氣志團 vs 筋肉少女帯
2011年9月9日（金）東京都 SHIBUYA-AX

～ENTER THE DRAGON～ 氣志團 vs Dragon Ash
2011年9月13日（火）東京都 SHIBUYA-AX

～100％男女交際!!～ 氣志團 vs 恵比寿マスカッツ
2011年9月15日（木）東京都 SHIBUYA-AX

～ドキッ！ 丸ごとバナナ 男だらけの吹奏大会～
氣志團 vs 東京スカパラダイスオーケストラ
2011年9月18日（日）東京都 Zepp Tokyo

～怖そうで怖くない少し怖いライブ～ 氣志團 vs 怒髪天
2011年9月26日（月）東京都 SHIBUYA-AX

～トイスで会おうぜ！～ 氣志團 vs POLYSICS
2011年10月4日（火）東京都 LIQUIDROOM ebisu

氣志團 vs 森重樹一（サブタイトル後日発表）
2011年11月6日（日）東京都 LIQUIDROOM ebisu

～3年B組金爆先生～ 氣志團 vs ゴールデンボンバー
2011年11月10日（木）東京都 Zepp Tokyo

～サーチアンドデスとロイとグローリアとアレとソレとコレと
恋しさとせつなさと心強さと部屋とYシャツと私～ 氣志團 vs The Mirraz
2011年11月16日（水）東京都 SHIBUYA O-EAST

～おれがあいつであいつがおれで～ 氣志團 vs DJ OZMA
2011年12月21日（水）東京都 Zepp Tokyo

日程・会場未定
氣志團 vs 吉川晃司
氣志團 vs the pillows
氣志團 vs ももいろクローバーZ
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