本公演はライブナタリーとギャンパレのコラボレーションイベント「ライブナタリー presents GANG PARADE SAY HELLO!2MAN」の一環で行われたもの。このコラボイベントはギャンパレが各地を回り、その土地とゆかりの深いアーティストとツーマンライブを繰り広げるツアー企画で、“日本一暑い街”と言われる熊谷では埼玉出身の4s4kiが対バン相手を務めた。
4s4ki
熊谷駅から7分ほど歩いた場所にあるHEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1。そこに各地から集まった約350人の観客が入りきってパンパンになったところで先攻4s4kiのライブがスタートする。バックDJのGigandectに続いて登場し、ステージ中央のお立ち台に上った4s4kiはオートチューンを効かせた歌声で観客を一気に惹き付けると、腰を低くしてフロアを見回しながら捲し立てるように歌う。ルーツとするアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」と公式にタッグを組んだ企画アルバムの表題曲「CODE GE4SS」でライブの口火を切った彼女は、高速BPMの「LOG OUT」で沸き上がるフロアを見て「楽しいー!」と笑った。
さらに代表曲の1つ「I LOVE ME」やドラムンベースを取り入れた「ring ring, you kill me」で観客のボルテージを引き上げ、「0h G0D!!」ではハンドウェーブを促してフロアに一体感を生み出した4s4ki。「思う存分好きなように踊っていってくれたらうれしいです」と語りかけると「コードギアス」に登場するキャラクターを題材にした切ないラブソング「Shirley」を優しく歌い上げた。
ここでエレキギターを手にした4s4kiは「恥を捨てて行きましょう。今のうちにあっためておこうよ!」と呼びかけ、ポップパンクチューン「孤独のメリーゴーラウンド」を熱演する。大盛り上がりのフロアを見て「めっちゃ調子いいじゃん」とご機嫌な4s4kiは、「これだけみんなに盛り上がってもらってなんですが、ピアノの弾き語りをします」と言って笑いを起こすと「恋愛の歌だから“推し”のことを考えて聴いてほしい」と呼びかけて「gender」を披露。強弱を付けたドラマチックな歌唱で観客の心を打ち、フロアのムードを一変させた。
続けて「クロニクル」をエレピの音色に乗せて静かに歌い始めた4s4kiは、立ち上がると再びステージのセンターへ。ハードなトラックに背中を押されながら、その思いを込めた言葉を観客にぶつけていく。「熱い思いをたぎらせて踊ってくれ! 私1人で踊ったら恥ずかしいじゃん!」と求めた4s4kiは「SILENT」「pure boi」と凶暴なナンバーを畳みかけ、髪をかき乱しながら絶叫。トドメとばかりに「35.5」「OBON」のキラーチューン2曲を連発し、熱狂的な空気を生み出した。
「アイドルの方と対バンできることはなかなかないので新鮮な気持ちです」と語った4s4kiは、終始ノリがいい遊び人(GANG PARADEのファンの呼称)に感謝。「次の曲で最後になります」と告げた彼女は「えー!!」とアイドルのライブでおなじみのリアクションを受けると「そんなこと言ってくれるの? けっこううれしい」と喜び、「みんなで宇宙に行こう!」と笑って「超5次元」を歌唱。浮遊感あふれるサウンドで独特の世界観を表現し、温かい拍手と歓声を受けながらステージをあとにした。
GANG PARADE
約15分の転換を経て、軽快なSEが流れると、遊び人がハンドクラップを打ち、13人のメンバーが一気にステージに登場。彼女たちが前身ユニット・プラニメ時代からの代表曲「Plastic 2 Mercy」を歌い始めれば、手首に光るLEDバンドをはめた遊び人は息の合ったコールやMIXで爆発的に盛り上がり、続く「赤ちゃん」ではメンバーが「オギャーオギャーオギャー!」と連呼しながらステージを所狭しと暴れ回った。
ダークなラップからハッピーなサビへと展開する「lol」を3曲目に披露したギャンパレは、ここで自己紹介。熱い声援を送る遊び人たちに笑顔で応える。進行役を務めたチャンベイビーは「4s4kiさんと来てくださった皆さんとのスーパーハッピーな出会いに感謝して、ここをパーティ会場にしちゃいたいと思いまーす!」と宣言。「脳みそをドロドロにしてパーティピーポーになっちゃいたいと思うんですけど、一緒に脳みそドロドロにしてくれますか?」と遊び人に呼びかけると、彼女たちはエレクトロスウィング調の「SUPER PARTY PEOPLE」でパフォーマンスを再開した。
ライブでほとんど披露することのない「Are you kidding?」を楽しげに歌ったギャンパレは、興奮した遊び人たちが「ウオー!!」と声を上げる中、これまたレアな「MELT」を披露。キレのあるフォーメーションダンスとパワフルなボーカルでフロアの温度を上昇させた。その後のMCでは埼玉出身のナルハワールドが地元のステージに立てた喜びを表し、カ能セイは4s4kiのライブについて「本当にカッコよかったですよね。ピアノの曲ヤバくなかったですか? リハーサルのとき涙出そうになっちゃって。涙(るい)でした」とハイテンションで感想を語る。
「私たちも負けてられないなという気持ちにもなりまして」と続けたセイは「ここ熊谷は日本で一番暑い場所らしいんですけども、それにしてはまだ足りないんじゃないかなって。今日は熊谷に負けてられないなと。やっぱ今このライブハウスで今年の夏の最高気温更新したいなって思うんですけど、いけますか? 喉枯らすくらい叫んでいきましょう!」と必死で声を振り絞り、枯れてしまった声で曲振り。笑い声があふれる中、披露された「Träumerei」は、4s4kiの盟友と言えるKOTONOHOUSEが作曲したエレクトロポップナンバーだ。
対バン相手の4s4kiに合わせて繊細な一面も見せたギャンパレは、エッジの効いたギターが印象的な「CAN'T STOP」で再びギアを引き上げると、「以上!……って言うと思ったか!」というフェイントで観客とほかのメンバーを驚かせたココ・パーティン・ココの煽りから「Happy Lucky Kirakira Lucky」に突入。怒涛のパフォーマンスで灼熱の空間を作り出し、ライブを締めくくった。
パフォーマンスを終えたギャンパレが4s4kiを呼び込むと、彼女は「皆さまあったかいし、ライブが熱い! 全員かわいい! 本当にすごい!」と感激した様子。最後に撮影された記念写真は、そんな4s4kiの指示で、彼女以外みんなで白目を剥くユニークなものとなった。
「ライブナタリー presents GANG PARADE SAY HELLO!2MAN」2023年7月29日 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1セットリスト
4s4ki
01. CODE GE4SS
02. LOG OUT
03. I LOVE ME
04. ring ring, you kill me
05. 0h G0D!!
06. Shirley
07. 孤独のメリーゴーラウンド
08. gender
09. クロニクル
10. SILENT
11. pure boi
12. 35.5 ~ OBON
13. 超5次元
GANG PARADE
01. Plastic 2 Mercy
02. 赤ちゃん
03. lol
04. SUPER PARTY PEOPLE
05. Are you kidding?
06. MELT
07. Träumerei
08. CAN’T STOP
09. Happy Lucky Kirakira Lucky
ライブナタリー @live_natalie_mu
【ライブレポ公開!】
ライブナタリー presents
GANG PARADE SAY HELLO!2MAN埼玉
GANG PARADE × 4s4ki
ライブレポが、音楽ナタリーにて公開!
たくさんの写真とともにお楽しみください。
撮影:曽我美芽 https://t.co/aJoteUNiIb https://t.co/Ju6ZLIAeGp