本ツアーは、東方神起にとっておよそ3年ぶりとなる日本での全国ツアー。今年2月に開催された愛知・日本ガイシホールでのライブを皮切りに、全国8都市のアリーナ会場で16公演、そして大阪・京セラドームと東京・東京ドームでそれぞれ2日間ライブが行われ、およそ30万人を動員した。本稿ではツアーを締めくくった、6月25日の東京ドーム公演の模様をレポートする。
オープニング映像を経て「MAHOROBA」のイントロが流れ出すと、真っ白のジャケットを羽織った“stageの主役”ユンホとチャンミンが観客の前に姿を現す。2人が真っ黒なスーツ姿のダンサーたちを引き連れて、「さあ行こう!」と高らかに歌い上げると、会場の4万5000人のファンのボルテージは瞬く間に引き上げられた。
「最上級、一流のステージを作り上げる」という意味が込められたツアータイトル「CLASSYC」を体現するかのように、貫禄あるパフォーマンスでファンを魅了した東方神起。6月頭に足の負傷を発表したユンホも例外ではなく、公演の最初から最後まで、怪我したことを感じさせない迫力ある歌とダンスを展開し、プロ根性を見せた。MCでチャンミンはそんなユンホの姿を称賛。「皆さんと一緒に最高に楽しい時間を過ごすために、一生懸命必死にリハビリしてました。(ユンホの)回復の速度が早すぎて! 病院の医者の方々が驚くくらい」と彼を称える。そんなチャンミンが「ひさしぶりの東京ドーム。カッコいい姿を見せたくてがんばってたんですよね?」「僕も全力で(ユンホを)サポートしていきます」と隣にいるユンホに視線を送ると、ユンホは「チャンミン先生……大人になったねえ!」と、“弟”の成長に感激してみせた。
4曲目に披露された「The Reflex」で2人は、上昇も下降も自由自在なムービングステージに乗ってメインステージからアリーナ最後列までを縦断し、ステージから離れた会場後方のファンのもとへ。彼らは、その後何度もムービングステージに乗ってあらゆるエリアにいる観客に接近し、パフォーマンスを行った。何回も会場を行き来したムービングステージ以外にも、東京ドームの広大さを感じさせない演出が多数盛り込まれていた本公演。その1つは、「High time」やアンコールでの「ウィーアー!」「Summer Dream」などを歌唱するメドレー、で2人が乗り込んだトロッコ。トロッコは、彼らが外周と内周の両方を巡れるよう大小2種類用意され、東方神起とファンの距離を近付けるような工夫が施されていた。
本公演の演出を手掛けたのはTRFのSAM。ムービングステージやトロッコなどファン想いの演出で観客を喜ばせたのはもちろん、楽曲の世界観を再現した映像演出やド派手な特効も彼らのカリスマ性あふれるステージングに華を添え、会場の熱狂を一層引き立てた。“ノワール”の世界観が表現されたミュージックビデオでも知られる、ユンホのソロ曲「Thank U -Japanese Ver.-」のステージではオリエンタルなモチーフがちりばめられた迫力ある映像が用いられ、チャンミンのソロ曲「Fever -Japanese Ver.-」では、終盤にセンターステージに立つ彼を四方八方囲うように炎が噴出。中でも観客の度肝を抜いたのは、ライブ終盤に披露された「Rising Sun」。ステージを覆い隠すモニタに、メラメラと燃え盛る太陽の映像が画面いっぱいに映し出されたのち、モニタが左右に分断され2人とダンサーたちが登場。彼らが姿を現すや否や強烈な特効が焚かれたかと思えば、メインステージからセンターステージまで、会場のあちこちのステージで激しい炎が一斉に噴き上がる。パフォーマンスの最中にはそれぞれのシャウトに合わせて炎が噴出し続け、楽曲のクライマックスでは、ノンストップで炎が噴き上がるステージで2人が一心不乱に踊り狂い、この日一番の激しいパフォーマンスを見せる。観客は、そんな彼らを食い入るように見つめ、本編が終わり会場が暗転してもなお2人に感嘆の拍手を送り続けた。
すべての楽曲を披露したあと、ユンホは「本当にこれを言いたかったです……無事に終わったー!!」とシャウト。「コロナ禍でここに至るまでいろんなことがあって。ここまで来るのはなかなか難しかったです。悩んだりしたときもあって、ちょっと寂しかったんですよ」「僕も人間だからたまに落ち込んだりするじゃないですか。でも、皆さんのこの笑顔が見たくて! ステージの上に立つと、皆さんの笑顔が大きな力になっています。これからも東方神起と一緒に、長く長く付き合ってくれませんか?」と観客にほほえみを向ける。そして最後に「次は20周年ですね? 必ずここでまた会いましょう」と次なるアニバーサリーイヤーについても言及した。
ユンホに続いてチャンミンは「コロナ以降にこんなに広い会場でライブができるのか。そういう心配は正直ありました」と振り返る。彼は今回の東京ドーム公演をもって、東方神起が東京ドーム公演を30回、そして日本でドーム公演を89回開催し、海外アーティストとして最多のドーム公演の記録を樹立したことにも言及。「東京ドームっていう広くてすごい場所でライブを30回もできるアーティスト……それを目指したわけではないんですけど、想像もしてなかったです」「正直これからもずっと、東京ドームみたいに広い会場でライブができるとは(自分は)思っていないかもしれないです(笑)。まあ現実的にね(笑)。僕、わりとそういうタイプじゃないですか。もちろんこういう会場でライブができるのは非常にうれしいことですけど、ユンホと同じで、この2人のパフォーマンスが必要とされるのであれば、できる限りずっと、皆さんのために思いっ切り歌わせてもらいたい。踊らせてもらいたい。ステージに立たせてもらいたいんです」と真剣な眼差しでファンに伝えた。
最後にチャンミンは、「皆さんがいるからこそ、2人の居場所ができるし、2人の周りを支えてくださるスタッフの方々も存在できるのだと思います。本当に心から感謝しています。これからも引き続きよろしくお願いします」と心からの感謝を述べる。ツアーを締めくくる挨拶を終えると、東方神起は「最後に大きい声で! みんなで! 東京ドーム、ウィーアー?」と客席に向けてシャウト。これに対して観客は大声で「T!」と叫び、T字型のペンライトを一斉に掲げる。ユンホとチャンミンはこの様子を満足げに一望し、「また会えるからね」と言い残してステージをあとにした。
8月26日、WOWOWでは本公演のダイジェスト版をオンエア。また番組内では、2人のインタビューも放送される。
「東方神起 LIVE TOUR 2023 ~CLASSYC~」2023年6月25日 東京ドーム セットリスト
01. MAHOROBA
02. Sweat
03. Special One
04. The Reflex
05. 信じるまま
06. I Think U Know
07. Believe In U -Two of Us ver..-
08. Strom chaser
09. Like Snow - White
10. Thank U - Japannese Ver.-(ユンホ ソロ)
11. Fever - Japanese Ver. - (チャンミン ソロ)
12. High time
13. Rat Tat Tat
14. Hot Hot Hot
15. Lime & Lemon
16. Good Days
17. STILL
18. Epitaph ~for the future~
19. PARALLEL PARALLEL
20. No Sympathy
21. Bolero
22. Rising Sun
<ENCORE>
23. CLAP!
24. メドレー(OCEAN~ウィーアー!~Summer Dream~Somebody To Love)
25. With Love
TVXQ倶楽部 @HOMIN_TVXQ
「次は20周年ですね?」東方神起が“一流”の貫禄見せた東京ドーム公演、3年ぶりアリーナツアーに幕 #SmartNews https://t.co/bT3sesb3KE