ART-SCHOOL、レア曲連発でファン喜ばせたワンマンライブ「Without You I'm Nothing」

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ART-SCHOOLが12月20日に東京・WWW X、24日に大阪・Shangri-Laでワンマンライブ「Without You I'm Nothing」を開催した。この記事では東京公演の模様をレポートする。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

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ART-SCHOOLは2019年春から木下理樹(Vo, G)の療養のため活動を休止していたが、今年の5月に活動再開を発表。8月に東京・LIQUIDROOMで約4年ぶりのワンマンライブ「ART-SCHOOL LIVE 2022『Just be here now』」を行った。今回の「Without You I'm Nothing」は、これまでライブであまり演奏することのなかったレア曲を披露するというコンセプトの公演。ART-SCHOOLは今年からサポートメンバーに加わったNITRODAYのやぎひろみ(G)を含む5人編成で計23曲を披露した。

ART-SCHOOL「Without You I'm Nothing」東京・WWW X公演の様子。(撮影:中野敬久)

ART-SCHOOL「Without You I'm Nothing」東京・WWW X公演の様子。(撮影:中野敬久)[拡大]

満員のオーディエンスの前に姿を現したART-SCHOOLは「Beautiful Monster」で爽快にライブを開始した。ステージに期待が注がれる中、彼らは序盤から惜しむことなくレアナンバー「Forget the swan」を投下。フロアを光で照らすように晴れやかなサウンドを響かせたあと、その勢いのまま「Chelsea Says」に突入し、疾走感あふれる演奏を繰り広げた。ライブで演奏されることが少ないレア曲の連投にオーディエンスは大喜び。「14souls」ではポップさが際立つ美しいメロディが場内いっぱいに広がった。

左から木下理樹(Vo, G)、戸高賢史(G)。(撮影:中野敬久)

左から木下理樹(Vo, G)、戸高賢史(G)。(撮影:中野敬久)[拡大]

ART-SCHOOLは2019年4月にWWW Xでライブイベント「オルタネイティブ・サーキット - The Day Of Promise -」を開催する予定だったが、木下の体調不良によって中止に。「こうして戻ってくることができましたね」と戸高賢史(G)が3年半以上の時を経てこの会場に立てたことを感慨深げに話すと、木下も「本当にうれしいです」としみじみ。戸高は「僕たちはあんまりお客さんに媚びてやってきたタイプのバンドでもないんですけど、さすがに(今回の休止は)ダメかなと思ってたので、やっぱり皆さんの力をすごく感じました。本当にありがとうございます」とファンに感謝の思いを伝えた。ここで木下は「まだ復活してから2回しかライブをやってないので、どの曲がレアとかわかんないですけど……」と言い始める。戸高も「3、4年くらいライブをやってなかったから、何やってもレアっちゃレアだね」と同意するも、木下は「でも、僕なりのレアを今日は楽しんで帰ってください」とオーディエンスに言葉を贈った。その言葉の通り、ライブ中盤、彼らはさらにレアナンバーを畳みかけていく。「HEAVEN'S SIGN」では儚くもキラキラとしたメロディがフロアに切なく鳴り響き、「Siva」では赤いライトに染まったステージから熱を帯びたサウンドが力強く放たれた。

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)[拡大]

軽やかなギターでスタートしたのは、戸高がメインボーカルを務めるナンバー「Mary Barker」。温かみのある戸高の歌声に、どこか楽しげな木下のコーラスが優しく重なる。「ダウナー」では厚みのあるずっしりとしたアンサンブルがフロアを満たし、「wish you were here」ではダンサブルなビートとカッティングギターの音色に乗せて切迫感のある歌声が響き渡った。「どうなんですか? ひさびさのART-SCHOOLのワンマンは」と戸高に尋ねられ、木下は「特にトディが歌っている曲(『Mary Barker』)は、演奏していて楽しいと思いました」と満足げ。戸高が「あの曲、大阪でもやらなきゃダメですかね? あの曲のことを考えてしまって、ほかの曲、1曲目から間違ってしまったりしたので、よくないかもしれない」と珍しく弱気を見せるも、木下は「あんたなら大丈夫だよ」と信頼たっぷりに太鼓判を押した。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)[拡大]

その後ART-SCHOOLは7月にリリースした新作「Just Kids .ep」より「レディバード」「Just Kids」を続けてプレイ。オーディエンスはみずみずしいアンサンブルを体中に浴びながら、腕を力強く振り上げて盛り上がった。そしてライブ終盤、メンバーは「ロリータ キルズ ミー」「BOY MEETS GIRL」をエネルギーを爆発させるように演奏。生命力に満ちた躍動感のあるサウンドを鳴らし、ラストナンバー「スカーレット」へ。熱気に満ちたフロアを前に木下はフライングVを高く掲げ、ステージを去って行った。

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)

戸高賢史(G)(撮影:中野敬久)[拡大]

アンコールでは戸高が「冬と言えば、ART-SCHOOLの曲に『アパシーズ・ラスト・ナイト』という曲があって、『クリスマス・イヴ』という単語が出てくるんですよ」と話し始め、観客の期待が寄せられるも、「結論から言うとですね……キーが高くてやりません。リハで(声が)出んかった」と明かす。「俺、トライしたんだ」という木下の言葉にオーディエンスは大きな拍手を贈った。「トライ&エラーを繰り返して僕らは強くなっていきましょう」という戸高の前向きな言葉を経て、彼らは「シャーロット」をじっくりと演奏。そして「車輪の下」「FADE TO BLACK」を勢いよく届け、力強いプレイでフロアを熱狂へと導いた。

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G)(撮影:中野敬久)[拡大]

アンコールが終わったあとも拍手は鳴りやまない。その拍手に応えて、メンバーは再びステージに姿を現した。ラストナンバーは美しい轟音がフロアを満たす「IN THE BLUE」。最後までレア曲でオーディエンスを喜ばせ、ART-SCHOOLはこの日のライブを終えた。

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ART-SCHOOL「Without You I'm Nothing」2022年12月20日 WWW X セットリスト

01. Beautiful Monster
02. Forget the swan
03. Chelsea Says
04. 14souls
05. Promised Land
06. ガラスの墓標
07. MISS WORLD
08. YOU
09. HEAVEN'S SIGN
10. Siva
11. Mary Barker
12. ダウナー
13. wish you were here
14. その指で
15. レディバード
16. Just Kids
17. ロリータ キルズ ミー
18. BOY MEETS GIRL
19. スカーレット
<アンコール>
20. シャーロット
21. 車輪の下
22. FADE TO BLACK
<ダブルアンコール>
23. IN THE BLUE

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ART-SCHOOL @ART__OFFICIAL



ART-SCHOOL LIVE 2022
「Without You Iʼm Nothing」
東京公演ライブレポート公開‼️



中野敬久さん(@hirohisanakano )に撮っていただいた写真もたくさん掲載しています!
ライブに来られた方も、来られなかった方も是非ご覧ください!

https://t.co/Eq9EFz8y9m

#ARTSCHOOL
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