オレンジスパイニクラブは”北茨城のOasis”、長年連れ添った4人のグルーヴで全国ツアー完走

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オレンジスパイニクラブの全国ツアー「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」の最終公演が12月14日に東京・LIQUIDROOMで行われた。

左からスズキユウスケ(Vo, G)、スズキナオト(G, Cho)。(撮影:横山マサト)

左からスズキユウスケ(Vo, G)、スズキナオト(G, Cho)。(撮影:横山マサト)

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「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」はオレンジスパイニクラブにとって過去最大規模のワンマンツアー。今年10月の千葉・千葉LOOK公演を皮切りに、LIQUIDROOM公演まで全国17都市で開催された。

ゆっきー(B, Cho)(撮影:横山マサト)

ゆっきー(B, Cho)(撮影:横山マサト)[拡大]

開演時刻を迎えてまず始まったのは、本ツアーで恒例となっていたラジオコーナー「オレスパのちょこラジライブ」。メンバー4人が影ナレでファンから届いたハガキを読み進めていく。「姉妹ゲンカに勝てません。必勝法はありますか? やっぱりグーパンとかですかね?」という相談に、最近ちょうど兄弟ゲンカをしたというスズキユウスケ(Vo, G)とスズキナオト(G, Cho)が返答。ナオトがユウスケに脚関節技を、ユウスケがナオトにビンタを食らわせたエピソードを話す。必勝法について「脚関節とビンタ」と答えつつも、姉妹ゲンカはしないことを推奨した。続いての質問は「ユウスケさんとナオトさんは音楽理論を理解したうえで曲を作っていますか? オレスパの曲はコードが単純でないものが多いので気になりました」というもの。ナオトが「僕たち音楽理論まったくわかんないです。感覚です」と返し、ユウスケが「天才なんです。天才兄弟。和製Oasisです。北茨城のOasis」と口を挟むと、メンバーから「くそダセぇよそれ」というツッコミが入った。

ゆりと(Dr)(撮影:横山マサト)

ゆりと(Dr)(撮影:横山マサト)[拡大]

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)[拡大]

メンバーがステージ上に登場すると、ユウスケの見慣れない髪色に女性ファンたちが驚きの声を上げる。この日のために髪をオレンジ色に染めたというユウスケは「ざわざわしない(笑)」と言ってたしなめた。ゆっきー(B, Cho)が荒々しくビートを刻み「君のいる方へ」が始まると、それまでの穏やかな空気は一変。疾走感あふれるドラムとベースに乗ってスズキ兄弟のシャウトにも近い歌声が響き渡り、観客は拳を高く掲げる。続けてオレンジスパイニクラブは「まいでぃあ」と「パープリン」を畳みかけた。ユウスケは今回のツアーを振り返って「地方のいろんな人と会って、いろんなものを食べて、いろんな方言を耳にして、そういう出会いを大事にしたいんですよね」と話し、茜色に照らされたステージで「7997」を歌い始める。彼の優しい歌声にナオトの突き抜けるようなコーラスが重なり、会場が切ない空気で満たされた。「タルパ」ではゆりと(Dr)が刻むカントリー調のリズムに合わせて観客が体を揺らし、テンポの上げ下げが激しいパンクナンバー「みょーじ」には、長年連れ添った4人だからこそ生み出せるグルーヴが宿った。

続けてオレンジスパイニクラブは「東京の空」「37.5℃」「デイリーネイビークレイジー」という初期楽曲を演奏したのち、ライブ当日にミュージックビデオが公開されたばかりの最新曲「タイムトラベルメロン」を披露。メロンを連想させるような緑色と青色のライトが場内を照らした。伸びやかなボーカルが印象的な「駅、南口にて」の次に始まったのは、オレンジスパイニクラブの代表曲「キンモクセイ」。The ドーテーズからオレンジスパイニクラブへの改名後に初めて制作され、バンドのターニングポイントとなったこの曲が、満員のLIQUIDROOMに響き渡る。ユウスケの歌を支えるナオトのギター伴奏には要所要所でリリース音源とは異なる複雑なコードが挟み込まれており、バンドの進化を証明するようなパフォーマンスとなった。

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)[拡大]

ライブ終盤に向かうにつれて4人はタガが外れたように荒ぶり始め、場内のボルテージも急速に上昇していく。未発表の新曲「レイジーモーニング」を含む4曲を続けざまに演奏するとユウスケは「口下手なんですが、最後に言わせてください」と切り出し、丁寧に言葉を選びながら「僕は今までずっと、いろんな場面で、音楽というものに救われてきた人間なんです。皆さんもつらいとき、楽しいとき、なんらかの場面で僕らの音楽に救われてくれたらなと思います。僕がしてもらったように、今度は僕らがする番だなと、このツアーを通して思いました。またどこかで皆さんに会えるのを楽しみにしています。本当に僕たちの味方でいてくれてありがとう」と話した。4人は込み上げてくる感情を爆発させるように「敏感少女」を演奏。大きな拍手に包まれながらステージをあとにした。

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)

オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日公演の様子。(撮影:横山マサト)[拡大]

アンコールでは「イージーゴーイング」と「理由」が披露されたほか、オレンジスパイニクラブの結成11周年記念ライブ「ザ・ベスト20」が3月2日に東京・WWWで開催されることが告げられた。メンバーがステージ袖にはける直前、ユウスケが「横並びのやつ、やりたいんだけど」と提案。横1列に並んで手をつなぎおじぎをする4人に、ファンは温かい拍手を送った。

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オレンジスパイニクラブ「ワンマンツアー2022~グッバイ過去、それからあとはサンキュー!~」12月14日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 君のいる方へ
02. まいでぃあ
03. パープリン
04. 7997
05. タルパ
06. みょーじ
07. 東京の空
08. 37.5℃
09. デイリーネイビークレイジー
10. タイムトラベルメロン
11. スリーカウント
12. 駅、南口にて
13. キンモクセイ
14. 睫毛
15. ノーバイブ
16. レイジーモーニング
17. ガマズミ
18. モザイク
19. 急ショック死寸前
20. 敏感少女
<アンコール>
21. イージーゴーイング
22. 理由

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オレンジスパイニクラブ @orangespinycrab

12/14(水)開催
「ワンマンツアー2022〜グッバイ過去、それからあとはサンキュー!〜」@ 恵比寿LIQUIDROOM公演のライブレポートが音楽ナタリーにて公開されました!

ぜひご覧ください🦀

https://t.co/2RaDiJxglW

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