このライブは、WWWの10周年企画として開催されたもので、その模様はLIVEWIREにて配信された。公演は折坂のステージからスタート。折坂は鈴を鳴らしながら独特な節回しで「春」を歌唱し、ライブの幕を開ける。「まだここに火は灯る。まだここに火は灯る。折坂悠太(重奏)でございます」という挨拶に続けて披露された「心」では、折坂が鈴をギターに持ち替え、楽器隊とともに有機的でしなやかなサウンドを作り出した。さらに折坂は重厚なウッドベースの音や荘厳な音色に乗せて新曲「青春」を初披露。「針の穴」では観客のハンドクラップの音を浴びながら、晴れやかな歌声を響かせた。
その後折坂が「監察医 朝顔」の主題歌「朝顔」を朗々と歌い上げると、その気迫に満ちた歌声に観客は酔いしれるように聴き入る。続けて折坂はサックスの音が彩りを添える「炎」をしっとりと聴かせ、ラストに「さびしさ」をプレイ。アウトロでは約3分半にわたるセッションを繰り広げ、重奏ならではの濃密な音の世界を作り出し、その余韻を残したままステージをあとにした。
続くceroのパートは、約10年前に発売されたアルバム「WORLD RECORD」の収録曲「outdoors」で幕開け。ceroはシームレスに「溯行」へとつなげ、メロウなナンバーで観客の体をゆったりと揺らしていく。さらに「Summer Soul」「Orphans」とバンドのアンセムが2曲連続でドロップされると、観客の揺れは大きくなっていった。
ライブの後半でceroは、幾重にも折り重なったコーラスやスペイシーな電子音が神秘的なムードを醸し出す新曲(タイトル未定)を初披露。徐々に増えていく音数が壮大なサウンドスケープを描き出し、観客はその音に恍惚として聴き入った。さらに本編ラストでceroが「Fdf」「魚の骨 鳥の羽根」を畳みかけるように連投すると、会場の熱気は最高潮に達した。アンコールでceroは「Contemporary Tokyo Cruise」をプレイ。祝祭的なムードに包まれたフロアをミラーボールの光が照らし、会場全体が高揚感に満ちていく。最後にceroは高城晶平(Vo, G, Flute)が先ほどのパフォーマンスで「2行分トチった」という新曲を再び演奏し、ライブの幕を下ろした。
なおこの公演の模様は4月24日23:59まで配信されている。チケットは4月24日21:00まで販売中。
「WWW 10th Anniversary cero × 折坂悠太」2021年4月17日 WWW X セットリスト
折坂悠太(重奏)
01. 春
02. 心
03. 荼毘
04. 青春
05. 針の穴
06. 朝顔
07. トーチ
08. 炎
09. さびしさ
cero
01. outdoors
02. 溯行
03. Summer Soul
04. Orphans
05. 夜去
06. Buzzle Bee Ride
07. 新曲(タイトル未定)
08. Fdf
09. 魚の骨 鳥の羽根
<アンコール>
10. Contemporary Tokyo Cruise
11. 新曲(タイトル未定)
※高城晶平の「高」ははしご高が正式表記。
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【ライブレポート】cero×折坂悠太、新曲も初披露したWWW10周年記念ツーマン(写真65枚) https://t.co/ADvUcbdpyS