相思相愛のART-SCHOOL×アジカン、確かな絆に満ちた対バンライブ「本当に愛しかないです」

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ART-SCHOOLが昨日3月18日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでトリビュートライブ「Dreams Never End vol.6」を行った。

ART-SCHOOLのライブの様子。(撮影:中野敬久)

ART-SCHOOLのライブの様子。(撮影:中野敬久)

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ART-SCHOOLは結成25周年を記念してリリースされたトリビュートアルバム「Dreams Never End」と連動したライブを昨年10月から行っている。トリビュートライブの各公演には、アルバムに参加したアーティストが出演。6公演目となる「Dreams Never End vol.6」には、2000年代初頭から親交のあるASIAN KUNG-FU GENERATIONが出演した。

ASIAN KUNG-FU GENERATION

木下理樹(Vo, G)の療養のためART-SCHOOLが活動休止していた2019年、アジカンはストレイテナー、ELLEGARDENとともに開催したライブツアー「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」のアンコールで「FADE TO BLACK」をカバー。戸高賢史(G)、そしてART-SCHOOLに所属していた日向秀和、大山純を招いた特別編成で演奏を行い、療養中の木下にエールを送った。それから6年を経て、アジカンはトリビュートアルバムに「FADE TO BLACK」で参加。強い絆を感じさせるカバーに、アジカンとART-SCHOOLの双方のファンが沸き立った。迎えた対バンライブの日、本拠地とも言える横浜のステージに姿を現したアジカンは「センスレス」でライブを開始すると、2曲目でさっそく「FADE TO BLACK」を投下。魂のこもったシャウトと力強い演奏を届けて、ライブ序盤から会場を一気にヒートアップさせた。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブの様子。(撮影:山川哲矢)

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブの様子。(撮影:山川哲矢) [高画質で見る]

後藤正文(Vo, G)は「俺はもう、理樹が健康だったらそれでいい」と温かな眼差しで言い切り、「木下理樹ってどう考えても音楽以外にできることがない人。そういう彼がこうしてステージに上がって、これだけの人が楽しみにしてるということは日本の音楽シーンが豊かな証。木下理樹のような音楽しかできないやつはたくさん世の中にいる。そういう人たちが音楽だけをやっていっていいような社会を維持していく1人の人間であれたらうれしいなと思います」と話す。さらに「これは伝え聞いた話なんですが、木下理樹はアルバイトしていたときにピザを配達できずに、ピザを捨ててバイトを辞めたらしい。『FADE TO BLACK』とはそういうことですよ。でも、どういうわけか彼が作る曲は美しい。その歌やメロディ、ギターリフに、初めて聴いた20代前半からずっと救われて、もう今年50歳になります」と愛あふれる言葉を続けた。

後藤正文(Vo, G / ASIAN KUNG-FU GENERATION)(撮影:山川哲矢)

後藤正文(Vo, G / ASIAN KUNG-FU GENERATION)(撮影:山川哲矢) [高画質で見る]

ここからアジカンは新旧問わずさまざまな楽曲をプレイ。「サイレン」や「未来の破片」といった長くファンから愛されてきたナンバーを勢いよく届けたあと、“命”の尊さを感じさせられる楽曲「生者のマーチ」をゆったりと紡いだ。メンバー紹介ではアジカンのコーラスを務めており、KARENのボーカリストだったアチコが「ずっとリッキーのことが大好きです!」と笑顔で伝えた。「転がる岩、君に朝が降る」を経て、彼らは軽快なドラミングから「ブルートレイン」へ突入。2本のギターの掛け合いにオーディエンスは心を躍らせて大きく沸き立つ。「ボーイズ&ガールズ」では後藤がオーディエンスに語りかけるように希望に満ちたメッセージを届けた。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブの様子。(撮影:山川哲矢)

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「ASIAN KUNG-FU GENERATIONとART-SCHOOLが、俺たち全員がくたばるまで続きますように」と後藤が言葉にし、最後に歌い上げたのは「MAKUAKE」。ハンドクラップに包まれながら、彼らは2組のこれからの晴れやかな未来を願うようにこの曲を奏でてステージを去った。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブの様子。(撮影:山川哲矢)

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ART-SCHOOL

アジカンからバトンを受け取ったART-SCHOOLは、どこか柔らかな空気をまとって「Just Kids」でライブをスタート。続いて「ローラーコースター」「14souls」を爽快に演奏して高揚感を生み出した。戸高は「横浜の地でアジカンと一緒にやれることを本当に誇りに思っています」と述べ、木下も「愛のあるMCをありがとう」と感謝の思いを言葉にする。そして「アジカンとの付き合いはけっこう古くて。2005年頃の曲をやってみようかなと思います」という戸高の言葉を経て、彼らは「BLACK SUNSHINE」「Forget the swan」といった懐かしいナンバーをエモーショナルにプレイした。

向かい合ってギターを弾く木下理樹と戸高賢史。(撮影:中野敬久)

向かい合ってギターを弾く木下理樹と戸高賢史。(撮影:中野敬久) [高画質で見る]

「アジカンと初めて対バンしてゴッチと話したとき、僕は事前に『崩壊アンプリファー』というミニアルバムを聴かせてもらっていて。その中の『粉雪』という曲が僕はすごく好きで。『あの曲いいよね』という話をしました」とアジカンとの出会いを振り返った木下。彼は「ゴッチはずっと愛情を持ってART-SCHOOLを見てくれていて、それはとてもありがたいことなんです。このトリビュートのきっかけになったのも……そもそも俺が休んでるときに、俺を元気付けるためだと思うんだけど、『NANA-IRO ELECTRIC TOUR』でトディを呼んで『FADE TO BLACK』をやってくれたりとかさ。本当に愛しかないです。ありがとう」と感謝の言葉を繰り返した。

木下理樹(Vo, G / ART-SCHOOL)(撮影:中野敬久)

木下理樹(Vo, G / ART-SCHOOL)(撮影:中野敬久) [高画質で見る]

「よく対バンしていた時期に、ゴッチが『シャーロット.e.p』のあの曲が好きなんだって話をしていたので、『シャーロット』という曲をやります」と木下は述べ、はかない歌声で美しいメロディを紡いだ。「対バンシリーズをやってると、このバンドを続けてきてよかったなと本当に心から思います。みんなに捧げます」と戸高が告げると、彼らは「YOU」をたおやかに演奏。さらに昨年リリースしたミニアルバムのタイトルトラック「1985」を軽やかに届けた。

戸高は「僕がART-SCHOOLに入ったのが2004年頃かな。その頃、ART-SCHOOLのメンバーの間で『アジカンがついにZeppでワンマンをするぞ』という話になって。『ループ&ループ』を新曲としてやっていた時期だったと思います。当時のアジカンはすごかった。超上り調子で。ART-SCHOOLに入りたてのクソガキみたいな僕はその光景を見て、すごく悔しかった記憶があります」と回想し、「そうやって売れていった人たちって変わっていくんですよ。話すこともなくなったりする。でも、アジカンは違って。ずっと俺らみたいなバンドのことを気にかけてくれていたし。リッキーが病気で2018年くらいから数年間休んでいたことがあったんですけど、その間も別の現場でゴッチとかに会えば、『リッキーは何してる? どうなってる? 大丈夫?』ってずっと声をかけ続けてくれた」と話す。また戸高は「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」での「FADE TO BLACK」カバーついても触れ、「ずっと僕たちのことを気にかけてくれて、リッキーを気にかけてくれて……『この人(木下)は本当にどういう徳を積んできたんだろう?』『どうやったらこんなに人から愛されるんだ?』と思って。辞めたメンバーのひなっちと純くん、アジカンのメンバーが、本人がいないのにART-SCHOOLの曲を横浜アリーナで演奏してくれている。生まれ変わったら木下理樹になりたいなと思いました。喜多(建介)くんとかもひっそりとたまにART-SCHOOLのライブに来てくれていたり。来てくれたことさえも特に言わないで帰るという。好きでいてくれてるんでしょう」としみじみと語った。

戸高賢史(G / ART-SCHOOL)(撮影:中野敬久)

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「今日こうやってトリビュートイベントで、横浜で一緒にやれることがすごく僕たちにとっては意味のあることで、すごく感慨深い日になります」と目を細めた戸高。彼が「ゴッチはずっと『俺は理樹が健康でいてくれたらいい』って言ってくれてるんですけど、だいぶ心配かけたと思うので、ここからは不死鳥のように」と隣の木下に視線を向けると、木下は「1回さ、俺言ってみたかった言葉があって。言っていい? 行くぜ、横浜ー!」と熱く叫んだ。その勢いのまま、ART-SCHOOLは「BOY MEETS GIRL」「real love / slow dawn」「ロリータ キルズ ミー」を衝動に身を任せるようにプレイ。そして「FADE TO BLACK」で最後までフロアに熱狂の渦を生み出してステージをあとにした。

ART-SCHOOLのライブの様子。(撮影:中野敬久)

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アンコールで再びステージに登場した戸高が「袖でゴッチとアチコがチューハイを飲みながら『最高だった!』って小躍りしてた(笑)。よかったね、リッキー。一番ライブを見せたい人たちに見てもらえて」と話すと、木下は「うん! たくさんのお客さんもどうもありがとう」とうれしそうに顔をほころばせる。ラストは「ニーナの為に」を穏やかに演奏し、愛に満ちあふれた対バンライブを締めくくった。

セットリスト

ART-SCHOOL「Dreams Never End vol.6」2026年3月18日 KT Zepp Yokohama

ASIAN KUNG-FU GENERATION

01. センスレス
02. FADE TO BLACK
03. サイレン
04. 未来の破片
05. 生者のマーチ
06. 転がる岩、君に朝が降る
07. ブルートレイン
08. ボーイズ&ガールズ
09. MAKUAKE

ART-SCHOOL

01. Just Kids
02. ローラーコースター
03. 14souls
04. ウィノナ ライダー アンドロイド
05. BLACK SUNSHINE
06. Forget the swan
07. スカーレット
08. シャーロット
09. YOU
10. 1985
11. BOY MEETS GIRL
12. real love / slow dawn
13. ロリータ キルズ ミー
14. FADE TO BLACK
<アンコール>
15. foolish
16. ニーナの為に

公演情報

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE「Dreams Never End vol.7」

2026年4月3日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
<出演者>
ART-SCHOOL / MO'SOME TONEBENDER / syrup16g

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3/18(水) KT Zepp Yokohama
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE
「Dreams Never End vol.6」
ナタリーにてライブレポート公開✍️
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