オーラル、今伝えたいことを表現した有観客公演「生のライブに代わるものはない」

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THE ORAL CIGARETTESの有観客ライブ「ORALIUM」が9月24、25日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで行われた。

THE ORAL CIGARETTES(撮影:鈴木公平)

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今年3本のツアーを開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて全公演の中止を決断した彼ら。同時にコロナ禍による活動自粛中に、ライブで表現したいことを話し合い、「今伝えたいこと」をコンセプトとした本公演の開催を決めたという。この記事では25日公演の模様をレポートする。

THE ORAL CIGARETTES「『ORALIUM』at KT Zepp Yokohama」神奈川・KT Zepp Yokohama 25日公演の様子。(撮影:鈴木公平)

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オーラルは、ライブで特設Instagramアカウント(@oralium_official)を使用した演出があることを事前にアナウンス。その内容は、ファンが特設Instagramアカウントのストーリーのアンケート機能を用いてオーラルが次に演奏する曲や、MCでメンバーが話す内容や起こす行動を2択からリアルタイムで選択し、メンバーは投票数が多いほうを演奏したり話したりするというもの。斬新な企画にファンは悩みながらも楽しんで投票を行っていた。

THE ORAL CIGARETTES(撮影:鈴木公平)

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開演時刻を迎えると、ステージを覆ったスクリーンの前に春山翔が扮する青年が現れ、ラップトップを開く。スクリーンにはその画面が映し出され、「ORALIUM」と題された配信ライブの様子が流れ始めた。そのままオープニングナンバー「Ladies and Gentlemen」を演奏するメンバーの模様が投影され、ファンはこれから始まるステージングに期待感を募らせた。スクリーンが両側に開くと、全面が透明スクリーンに覆われた水槽を思わせる直方体と、その中にいる4人の姿が。続いてステージ前にいた青年の姿がバックスクリーンに映し出された。インターネット越しに語りかける青年は、特設Instagramアカウントを使用した演出について説明し始める。最初の選択肢として提示された楽曲は、「PSYCHOPATH」と「カンタンナコト」。60秒のカウントダウンのあと、ファンはドラムカウントとイントロで「カンタンナコト」が選ばれたことを知り、同時にバンドは攻撃的なサウンドを高らかに奏でた。

THE ORAL CIGARETTES(撮影:鈴木公平)

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最初のMCではコロナ禍においての過ごし方という話題に。中西雅哉(Dr)が自動車教習所での出来事を話し出そうとすると舞台が暗転し、「教習所に嫌われた男の話」と「教習所で出会った悪い男の話」という選択肢が提示される。中西は投票数が多かった「教習所で出会った悪い男の話」という話題に花を咲かせた。続いての選択肢は、2013年8月にリリースされた1stミニアルバム「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」の収録曲「mist...」と「Mr.ファントム」。ここでは「Mr.ファントム」が選ばれ、4人は息の合ったパフォーマンスを繰り広げた。さらに「リコリス」と「起死回生STORY」の投票では「リコリス」が選ばれ、山中拓也(Vo, G)が伸びやかな声を響かせた。

山中拓也(Vo, G)(撮影:鈴木公平)

山中拓也(Vo, G)(撮影:鈴木公平)[拡大]

各メンバーのソロ回しを盛り込んだセッションで始まった「Shine Holder」を経て、再びMCパートに。山中による「3人に会えるだけでもエモいやん。俺はすごい感情が昂り始めてるんやけど、シゲがクールやなって思ってるんよ。さっきのセッションの感想を伝えてほしい」という前振りから、鈴木重伸(G)が次に起こす行動の選択肢「弾き語りで伝える」と「普通に伝える」がバックスクリーンに映し出される。アンケート結果を受けて、鈴木はギターを爪弾きながら、語り口調で思いを伝えた。続いて「嫌い」と「接触」の2択のうち、票を多く獲得したのは「接触」。4人は重低音を轟かせながらダークな世界観を表現した。ここで黒幕が降りたあと、「From Dusk Till Dawn」ではステージの前に設置された小舞台に置かれた椅子に山中が座り、エフェクトの効いた歌声を披露。さらに最新アルバム「SUCK MY WORLD」の収録曲「Breathe」が演奏され、浮遊感のあるダンサブルなサウンドによって場内に幻想的なムードが醸し出された。

THE ORAL CIGARETTES「『ORALIUM』at KT Zepp Yokohama」神奈川・KT Zepp Yokohama 25日公演の様子。(撮影:鈴木公平)

THE ORAL CIGARETTES「『ORALIUM』at KT Zepp Yokohama」神奈川・KT Zepp Yokohama 25日公演の様子。(撮影:鈴木公平)[拡大]

続いてステージ前に現れたスクリーンに「視聴を続ける」「視聴をやめる」という選択肢が投影される。しかし画面に乱れが生じ始め、アンケート機能がストップ。エラー表示のようにオーラルの“目玉マーク“が紗幕に多数映し出されたかと思うと、恒例の“4本打ち”をステージ上で行うメンバーのシルエットが浮かび上がった。スクリーンが再び開くとそこには観客と向き合う形の“普段のオーラルのステージセット”が登場し、ライブの後半パートがスタート。山中の「オーラルのライブはやっぱこれっしょ!」という叫びから、4人は高速のギターリフが印象的な「STARGET」で一気に観客のテンションを引き上げる。「5150」のシンガロングパートでは山中が観客に向かって「声出せないけど、俺らとあんたたちはつながってますから!」と熱く訴えかけた。人気曲「BLACK MEMORY」まで激しいサウンドの曲を立て続けに畳みかけたオーラル。彼らは本編ラストに「Slowly but surely I go on」を優しく奏でて、フロアにピースフルな余韻を残した。

ステージに設置された4体のマネキン。(撮影:鈴木公平)

ステージに設置された4体のマネキン。(撮影:鈴木公平)[拡大]

その後、アンコールが始まるも、メンバーの定位置にあるのは4体のマネキンのみ。バックスクリーンにエンドロールが映し出され、最後に「Fact is stranger than fiction.」という文字が投影される。誰もが終演を予感し、呆然と静まり返る中、メンバーがステージに再び登場。山中は「すごいひさしぶりのワンマンライブで緊張していた中、無事やらせていただけて、忘れられない2日間になりました。改めてみんな来てくれてありがとうございます。要は生のライブに代わるものはないと伝えたくて、この形を取らせていただきました。やっぱこの形がええなあってみんなも思ったんちゃうかな。俺らも対面してやるライブのほうが好きです。今日も後半のほうがやっぱりテンション上がりました。今後もライブが続けられるようにみんなで守っていこうな。よろしくお願いします」と本公演のコンセプトであった「今伝えたいこと」は、生のライブに代わるものはないということであることを明かした。そして4人は最後にライブに関わる人や、会場に来れないファンも含めた全員に向けてスケール感のある「Everything」を全身全霊で演奏して初の試みが詰まった2日間の「ORALIUM」を締めくくった。

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THE ORAL CIGARETTES「『ORALIUM』at KT Zepp Yokohama」2020年9月25日 KT Zepp Yokohama セットリスト

01. Ladies and Gentlemen
02. カンタンナコト
03. Naked
04. Mr.ファントム
05. GET BACK
06. リコリス
07. Shine Holder
08. 接触
09. 僕は夢を見る(Redone)
10. From Dusk Till Dawn
11. Breathe
12. STARGET
13. 5150
14. Dream In Drive
15. 狂乱 Hey Kids!!
16. BLACK MEMORY
17. Slowly but surely I go on
<アンコール>
18. Everything

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