7月30日から8月1日にかけて、新潟・苗場スキー場で恒例の夏フェス「
通算14回目、苗場に会場を移してからは12回目となる今回のフジロック。3日間の来場者数は延べ11万人(1日目3万4000人、2日目3万7000人、3日目3万9000人)、前夜祭を含めると12万5000人におよび、例年どおり大盛況の3日間となった。
■1日目:7月30日(金)
初日の7月30日は前日の雨天を引きずりつつも、ときどき晴れ間もみられた過ごしやすい天候。山間部ならではの夕立に見舞われたりもしたが、いかにも“苗場らしい”天気のなかライブは進行していった。
今年のGREEN STAGEのオープニングを飾ったのは、今回がフジロック初出演となる
また、WHITE STAGEでは2007年にROOKIE A GO-GOに出演した
WHITE STAGEでの
その後、GREEN STAGEには
初日のGREEN STAGEヘッドライナーはMUSE。日本公演は今年1月以来、フジロック出演は2007年以来3年ぶりとなるが、同フェスでのヘッドライナーは初めてということもあって、気合の入った演出とパフォーマンスで観客を魅了した。セットリストも新作「ザ・レジスタンス」からの楽曲に、各アルバムからのヒットシングルを散りばめたベスト選曲。アンコールでは目玉の描かれた巨大な風船がいくつも飛び交い、笑顔に満ちた約90分間のステージとなった。
その後も、ORANGE COURTでは昨年は豪雨に伴う河川増水の影響により中止となった「オールナイト フジ」が朝まで開催。
■2日目:7月31日(土)
フジロック2日目は、RED MARQUEEでの
午後から時折雨に見舞われたものの、そんなどんよりした天気を打ち破るかのように、RED MARQUEEでは
WHITE STAGEには、1997年の初年度以来の出演となるTHIRD EYE BLINDが出演。当時も演奏したデビューヒット「Semi-Charmed Life」では大きな盛り上がりをみせ、フロントマンのスティーヴン・ジェンキンスは日本のファンに対し「13年ぶりのフジロックだけど、今でも僕の気持ちはここ(フジロック)にある」と感謝の気持ちを述べた。
続いて、WHITE STAGEには
この日のWHITE STAGEには、RAGE AGAINST THE MACHINEのザック・デ・ラ・ロッチャ(Vo,Key)による新バンドONE DAY AS A LIONが出演。本国で2回にわたるウォームアップギグを経て、この日が初の本格的ライブとなった。ザックはRAGE AGAINST THE MACHINEを彷彿とさせるラップボーカルに、ときどきメロディアスなパートを織り交ぜ、ジョン・セオドア(Dr)はパワフルかつテクニカルなドラミングでライブをリードしていった。曲の合間に笑顔を見せることからも、ザックにとってこのバンドがRAGE AGAINST THE MACHINEとは異なるスタンスで臨んでいるものであることが伺えた。
一方のGREEN STAGEでは、実に38年ぶりの来日となるジョン・フォガティが名曲を立て続けに演奏。彼がかつて在籍したバンド、CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL時代の楽曲を中心に、ロックレジェントならではの安定感あるパフォーマンスを提示した。
さらに、GREEN STAGEのヘッドライナーとして27年ぶりの来日を果たしたROXY MUSICは、往年の名曲を連発。終盤にはアンディ・マッケイ(Sax)と旧知の仲である
ROXY MUSICがライブを終えた後には、クリス・カニンガムがスペシャルゲストとしてGREEN STAGEに登場。彼らしいグロテスクさを伴った映像と攻撃的なサウンドで、会場にいた音楽ファンの心を釘付けにした。
■3日目:8月1日(日)
最終日となった3日目は、
午後には、1999年にHi-STANDARDとして出演して以来となる難波章浩が、苗場の地に帰還。最新アルバム「THE WORLD is YOURS!」からの楽曲を次々と披露していき、MCでは彼ならではの重みのある言葉で観客の心を惹きつけた。そして、終盤には初日にKen Yokoyamaも演奏したHi-STANDARDの名曲「STAY GOLD」をセルフカバー。スピード感を若干抑え、歌詞を噛み締めるように歌う難波の姿に客席からは大きな拍手が贈られた。
GREEN STAGEではドノヴァン・フランケンレイター、VAMPIRE WEEKENDといった海外勢に続いて、国内から
WHITE STAGEでLCD SOUNDSYSTEMが、RED MARQUEEではHOT CHIPといったエレクトロ系アーティストがライブを行う中、GREEN STAGEには今年のフジロックの注目アクトといえるATOMS FOR PEACEが登場。RADIOHEADのトム・ヨーク(Vo,G,Piano)やRED HOT CHILI PEPPERSのフリー(B)を中心に結成されたこの新バンドは、トムのソロアルバム「ジ・イレイザー」の楽曲をバンドスタイルで演奏していった。バンドメンバーのカラーが色濃く反映された新たなアレンジに、集まった観客も大興奮。トムはRADIOHEADでのステージよりもリラックスしているように見え、時折日本語を織り交ぜたMCでファンの笑いを誘った。
ライブ後半では、トムによるRADIOHEADナンバーの独演会も実現。「I Might Be Wrong」「Videotape」といった楽曲がギターやピアノの弾き語りで披露され、夜の苗場を独特な空気で包んでいった。
ATOMS FOR PEACEによる唯一無二のパフォーマンスが終わると、いよいよGREEN STAGEのヘッドライナーMASSIVE ATTACKの出番。ATOMS FOR PEACEの躍動感から一変し、ダークでひんやりとしたサウンドが苗場の雨空に響き渡り、観客のハートを鷲掴みにした。ライブは7年ぶりのオリジナルアルバム「ヘリゴランド」からの楽曲をメインにしつつ、「Teardrop」「Angel」「Safe From Harm」といった代表曲も次々に披露。フジロック最終日のヘッドライナーにふさわしいアクトで、ファンを魅了した。
MASSIVE ATTACKの裏では、BELLE AND SEBASTIANがWHITE STAGEで、moe.がFIELD OF HEAVENで、NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTETがORANGE COURTでそれぞれのステージをクロージング。各ステージの色に合ったパフォーマンスで、2010年のフジロックを締めくくっていった。
そして、GREEN STAGEには最終日のクロージングアクトとして、SCISSOR SISTERSが登場。雨足が強まっていく中、エンターテインメント性の強いパフォーマンスとダンサブルな楽曲で、今年のフジロック終了を惜しむ観客たちをダンスの渦に巻き込んでいった。
SCISSOR SISTERSのステージが終わった後も、RED MARQUEEやROOKIE A GO-GO、CRYSTAL PALACE TENTでは明け方までDJやライブが継続。こうして14回目のフジロックは大成功のうちに幕を閉じた。
タグ
- THE BAWDIES
- EGO-WRAPPIN'
- GRAPEVINE
- キセル
- OGRE YOU ASSHOLE
- quasimode
- TRICERATOPS
- BOOM BOOM SATELLITES
- Ken Yokoyama
- Riddim Saunter
- toe
- Char
- ヒカシュー
- SPECIAL OTHERS
- OAU
- シアターブルック
- ASIAN KUNG-FU GENERATION
- Buffalo Daughter
- 伊藤ふみお
- NAMBA69
- 砂原良徳
- iLL
- bloodthirsty butchers
- 浅井健一
- LITE
- 菊地成孔
- The Ska Flames
- WRENCH
- SHEENA & THE ROKKETS
- 冷牟田竜之
- →Pia-no-jaC←
- Polaris
- PSG
- DAMAGE
- ACO
- トクマルシューゴ
- 石橋英子
- カジヒデキ
- 羊毛とおはな
- Predawn
- LITTLE CREATURES
- 世武裕子
- 女王蜂
- 99RadioService
- 踊ってばかりの国
- Traks Boys
- DJ YOGURT
- クラムボン
- 土岐麻子
- 布袋寅泰
リンク
- FUJI ROCK FESTIVAL '10|フジロックフェスティバル '10
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
14回目のフジロック、前夜祭含む4日間で12万5000人動員 http://natalie.mu/music/news/35777