NEWTREND|爆裂顔ラン蛙化グループが放つ剣と盾

“蛙化”をコンセプトに掲げる7人組ダンス&ボーカルグループ・NEWTRENDがニューシングル「きらギラ / OTOASOBI」をリリースした。

「常に最先端のトレンドを取り入れて活動する」というグループコンセプトを掲げ、個性豊かなメンバーが独自の世界観を表現しているNEWTREND。2024年3月に新メンバーとしてREYとSHUNが加入し、現在は7人体制で活動している。2ndシングルにして初のCD作品となる今作は、キャッチーでライブ映えする「きらギラ」と、和のテイストを織り交ぜた「OTOASOBI」という2曲を表題曲とした両A面仕様で、彼らの振れ幅の広さが際立つ。

音楽ナタリーではシングルのリリースを記念してNEWTRENDにインタビュー。収録曲についてはもちろんのこと、“NEWTRENDらしさ”を追い求める彼らの素顔やグループとしての目標まで、幅広く話を聞いた。

取材・文 / 小松香里撮影 / Kyutai Shim

プロフィール

NEWTREND(ニュートレンド)

NEWTREND

7人組ダンス&ボーカルグループ。「好きな人であっても、相手の些細な言動で気持ちが冷めてしまうこと」を指す“蛙化”をコンセプトに活動中。グループ名には「常に最先端のトレンドを取り入れて活動する」という抱負が込められている。2024年3月に新メンバーのREYとSHUNを迎え、活動を本格化。7月に2ndシングル「きらギラ / OTOASOBI」をリリースした。

NEWTREND SNSアカウント
  • X
  • Instagram
  • TikTok

気づけば“爆裂顔ラン蛙化グループ”に

──NEWTRENDのデビューは2023年2月。翌24年3月にSHUNさんとREYさんが新メンバーとして加入して7人組になったわけですが、「爆裂顔ラン蛙化グループ」という肩書きはいつ付いたんでしょう?

TAKA 最初は「顔ラングループだから」とプロデューサーの方に言われたんですが、気付いたら「蛙化(好きな人であっても、相手の些細な言動で気持ちが冷めてしまうこと)グループ」っていうことになってました(笑)。

KOUTOKU デビューから半年後のワンマンライブをやったときに肩書きが追加されちゃいました。詳細な理由はわからないんですが、どうやら僕たちのオフの行動が蛙化しやすいと思われてるらしく。

JIN おかしい言動があったり、奇声を発したりするので。

KOUTOKU “ふざけたくなるゲージ”が溜まっていって、それがあふれてしまうと自然と奇声が出ちゃうんですよね。

NEWTREND

NEWTREND

YUITO 僕らの「GERO GERO」という曲の歌詞に「ICカードの残高ないじゃん」ってフレーズがあるんですけど、実生活でも残高なくて改札を出られないとか……そういうことも多いですね。

TAKA カッコつけるところでも「何か爪痕残さなきゃ!」と思ってふざけちゃったり。

KOUTOKU 蛙化しすぎて、グループとしてどうあるべきかの正解がわからなくなってる(笑)。

──NEWTRENDはデビュー当初は5人組でしたが、その後REYさんとSHUNさんが加入したことで現在の7人体制になりました。REYさんは加入したとき、グループに対してどんな印象がありましたか?

REY プロデューサーさんとお話しして加入することになったときに、「この人、僕のことを『人を蛙化させる人間』だと思って見てたんだな」と思いました(笑)。ただ、実際にNEWTRENDの活動を重ねる中でどんどん蛙化アイドルに寄っていってますね。最初はちゃんとダンス&ボーカルのスキルを高められるよう意識していたんですが、最近は「ライブでどうやったらボケられるか」に意識がいくようになってしまって。白目を剥いたり、変顔したり、奇声を発して暴れたりしています。もちろん基本のパフォーマンスはちゃんとしたうえでの話ですが。

REY

REY

REY

TAKA ライブで一番ふざけた人がその日の主役になれる、みたいなところがありますね。

SHUN この前の大阪のライブでは、僕が帽子を忘れてしまったので「大阪だから、代わりにタコの被り物をするのはどうか?」とプロデューサーさんに提案したら乗ってくれて。タコの被り物をして25分間のステージをやりきりました。

TAKA 登場した瞬間から大ウケで。あの日はSHUNが主役でしたね。

SHUN 真面目なグループでそんなこと言い出したら怒られると思うんですが、“蛙化グループ”だからこそできることだなって。

──SHUNさんは加入する際にNEWTRENDにどんなイメージを持っていましたか?

SHUN 当時はメンバーとあまりしゃべったことがなかったので、「蛙化」がコンセプトと言われても全然ピンとこなくて。ちょっと怖いお兄さんたちばかりなのかなと思ってました。でも加入したら、まずJINくんは一見クールだけど、実際はいい意味での変な人だったので「これが蛙化グループなんだな」と。今では、僕も蛙化グループの立派な一員です。

SHUN

SHUN

SHUN

REY 一緒にいると寄っちゃうよね。

TAKA いや、REYは最初からだと思う(笑)。

SHUN 前まで恥ずかしかったようなことも恥ずかしいと思わなくなってきました。楽屋で靴下を脱いで裸足で駆け回ったり、一見引かれるような行動をよくやってしまいます。

REY 僕たちのこと応援してくれてる方々にとっては「蛙化=かわいい」みたいな認識になってきてて。僕たちが残念なことをしても「面白くて逆にいい」と思ってくれるので、こういう奇行もグループにとってはむしろプラスなんじゃないかと思ってます。

JIN パフォーマンス中の変顔をきっかけにライブに来てくれるようになった子もいますね。変顔、やってよかった。

REY 僕は「白目になるのが好き」って言われたことあります。

推しに似た人がファンになりやすい説

YUITO 7人体制になることに対して不安はあったんですが、どんどん「俺らだったらなんでも大丈夫」っていう自信がついてきたことで、ここまで自分たちのやり方を貫いてこられたと思ってます。「ニュートレって面白いよね」という評判がどんどん広がって、「ニュートレ見て元気出たわ」と言ってもらえることが増えました。「どういう見せ方をするべきなんだろう」と試行錯誤した時期もありましたが、今はいい意味で何も考えてないんです。7人の個性がめっちゃ強くて、NEWTRENDとしての活動はその個性を自由に出せる場になってる。メンバーそれぞれのファンもいろんなキャラクターの子がついてくれてるんですよね。例えばREYのファンはどこかREYっぽかったりして。

REY やっぱり推しに似た人がファンになりやすいのかなって思いますね。

YUITO REYのファンは面白い子が多いよね。

REY 僕はグループでいじられることが多いんですが、その姿を見て「かわいい!」って全肯定してくれるファンが多いかも。

YUITO 僕のファンの方々は、僕がいじられるのは「ちょっと違う」と思うらしくて。リーダーという立場もあってか「落ち着いてるところが好き」と言ってくれる方が多いんですよね。KOUTOKUの場合は、「一見、見た目はクールなのにめっちゃふざけるところが好き」なファンの方がいたり。

YUITO

YUITO

YUITOU

REY TAKAはフレンドリーな性格なのでお客さんとの距離も近くて、そういう姿を好んでる人が多いように思います。

TAKA ファンの子と一緒にふざけたりしてますね。たまに「うるさい」って言われますけど(笑)。

風邪ひくレベルの二面性

──CDデビュー作となる両A面シングル「きらギラ / OTOASOBI」がリリースされました。まず「きらギラ」はクラシックの名曲と「きらきら星」が使われた大胆でキャッチーな曲になってますが、デモを聴いたときはどう思いましたか?

KOUTOKU 情報量が多すぎて脳みそが追いつかなかったです(笑)。

YUITO レコーディングしているときはどういう曲になるか想像ができなかったけど、完成したものを聴いたらめちゃくちゃ楽しい曲でした。いろんなことができるようになってきているNEWTRENDの“今”を形にした曲だなって。

TAISUKE 聴くパートによって全然違う印象になるんですよ。いろんな音と歌詞が詰め込まれすぎてる。だから何度聴いても飽きないと思います。

──歌唱とラップはどんなところにこだわりましたか?

TAISUKE 1番のBメロにちょっとかわいい系のパートがあるんですが、そこはみんなでさわやかな顔を作りながらかわいいアプローチでレコーディングしました。そこからカッコいいパートが一瞬入ったあと、サビの「俺ら君のイルミネーション 煌びやかな世界へ」という歌詞の通り、きらびやかで一番の盛り上がるフレーズが入る。僕はメインボーカルとして、自分の明るい声質や声の通りを意識しました。中間のラップパートはトラックがめちゃくちゃカッコいいのでそこは喉を締めて男っぽい低い声で歌って、ラストのサビではまた煌びやかな世界に戻る。1曲で4人分の歌を歌っているような感覚で、めっちゃ忙しいですね。

──この曲調だと「ひとりで七変化」みたいなアプローチが必要になりそうですね。

TAISUKE そうですね。みんなそれぞれかわいいパートとカッコいいパートの両方がある曲なので、メンバー全員がカメレオンみたいに七変化する曲ですね。ライブで聴いたら「すげえ!」と思ってもらえるはず。

JIN 言いたいことはほとんどTAISUKEが代弁してくれましたが、僕もパートによってさわやかにしたりカッコよくしたりして歌い分けていますね。

JIN

JIN

JIN

TAKA ダンスでは顔の左側と右側をそれぞれ見せるパートがあるんですが、ここでもとにかく二面性を意識してパフォーマンスしてます。

YUITO 1曲の中でここまで表情が切り替わる曲ってなかなかないと思うんです。やる側としてはめっちゃくちゃ大変なんですけど(笑)、やっていくうちに自分自身の知らない表情も出てくるんです。メンバー7人で2チームに分かれてレッスンしたときは、お互いのパフォーマンスを見て「こんな表情してたんだ」という発見もあったりして、パフォーマンスしながら7人の新しい一面を見つけられた曲でした。“表情管理”のお手本のような曲だなって。

SHUN 僕はかわいいキャラのラップ担当なんですが、2番の頭はめっちゃ低いがなり声でラップして。その2秒後ぐらいにめっちゃキュートに「可愛いだけでは…ダメですね⁉」と歌ってて、自分自身でも風邪引きそうになるくらい温度差が激しいんですよ。「俺今どんな顔してんだ?」と思いながらパフォーマンスしてます。MVではかわいいパートは白、カッコいいパートは黒い世界観で表現しているんですが、初めて聴いた人は「白のSHUN」と「黒のSHUN」が同一人物だとはわかんないだろうな。それくらい二面性にこだわった楽曲なので、ファンの皆さんは温度差で風邪ひかないように気を付けてください。

KOUTOKU 曲が上がってきたときからダンスの先生に「この曲は表情が大事だよ」と言われていたのもあって、表情管理にこだわりました。この曲のおかげで自分の振り幅が広がりましたね。かわいらしい“アイドル”とクールな“アーティスト”、それぞれに振り切る見せ方に挑戦できたことで、自分の殻を破れた気がします。めちゃくちゃ苦戦しましたけどね。自分ではめっちゃ表情作ってるつもりでも「アイドルらしい表現はできてるけど、アーティストらしさの表現は真顔になるね」って言われることもありました。

REY 僕はラップとボーカル担当なんですが、普段はラップをあまりがっつりやることはないんです。でも「きらギラ」はラップパートがほとんど。しかもメンバーの勢いをつけるようなパートが多かった。1番の「Bye-ByeなんてYou& I You & I」からBメロにいくまでの流れの中では、ダンスパフォーマンス中にヒットの動作を入れてから前に勢いよく出て行ったり、ライブではTAISUKEくんとのユニゾンパートを歌うときにがなり成分を強めにしてみたり、ライブに置いて起爆剤になれるよう意識してます。