
フジロック開催直前! 若手アーティストの登竜門「ROOKIE A GO-GO」ラインナップに見る、音楽シーンの最前線
新進気鋭のルーキーと音楽ファン、フジロックが積み重ねてきた出会いの循環
2025年7月23日 17:00 8
日本最大規模の野外音楽フェスティバル「FUJI ROCK FESTIVAL」が、今年も7月25~27日に新潟・苗場スキー場で開催される。
今年はフジロック初登場にして初来日となるフレッド・アゲインやVulfpeck、3年ぶりにGREEN STAGEに帰還するVampire Weekendなどの海外アクトに加え、山下達郎や佐野元春 & THE COYOTE BAND、坂本慎太郎といった日本国内のレジェンドたち、おとぼけビ~バ~や君島大空、kanekoayanoといったオルタナティブな感性で音楽シーンをリードする面々など、多種多様な音楽を鳴らすアーティストが数多く出演する。
本稿では若手アーティストが数多く出演するオーディションステージ「ROOKIE A GO-GO」にフォーカス。フジロック開催を前に、このステージが持つ特別な意味合いをアーティストと音楽ファンの双方の視点から紐解いていきたい。また、今年の「ROOKIE A GO-GO」に出演するルーキー16組による意気込みコメントと、同ステージ出身で今年はRED MARQUEEへの出演が決定している
文・
「ROOKIE A GO-GO」がつなぐ、ルーキーと音楽ファン
毎年、国内外から200組以上のアーティストが出演するフジロックおいて、若手ミュージシャンたちの登竜門と呼ばれているオーディションステージが「ROOKIE A GO-GO」だ。1999年に前身となる「Levi's NEW STAGE」が初開催されて以降、深夜の開演にもかかわらず耳の早い音楽ファンたちが詰めかける同ステージは、くるりをはじめART-SCHOOL、ASIAN KUNG-FU GENERATION、group_inou、女王蜂、cero、My Hair is Bad、Suchmos、Creepy Nuts、羊文学、King Gnu、CHAIなど、今では日本を代表するアーティスト、オルタナティブな活動で海外でも高く評価されるバンドを多数輩出してきた。どんなアーティストも最初は名もなきルーキー。そこから大きく踏み出す歴史的な一歩を“目撃”できるのが「ROOKIE A GO-GO」の醍醐味と言える。
オーディションの参加方法は至ってシンプル。年齢や国籍、性別、ジャンル、1人の弾き語りかバンド編成かなどの細かい規定は一切なく、オリジナル曲を持っていて、フジロックの期間中にライブをするスケジュールさえあれば誰でも無料で応募することができる。オーディションを経て出演が決定したアーティストにはメンバー全員にフジロックの3日通し券が進呈されるため、世界で活躍するトップアーティストのパフォーマンスに触れる機会もあれば、会場でアーティスト同士の交流が生まれることだってあるだろう。そんな苗場の大自然の中で音楽を浴びる3日間は、ルーキーたちが受け取った刺激や学びを自身のクリエイティブやステージングに還元する有意義な体験になるはずだ。
また「ROOKIE A GO-GO」では毎年、「来年目指すはメインステージ」と題した投票企画も行っている。これは難関を突破したルーキーたちの中から翌年のメインステージに出演する1組を決める企画で、その選考方法は会場に集まった音楽ファンを対象とした現地投票、全国の誰もが参加することができる翌年実施のWeb投票の2段階。つまりフジロックは未来を期待する新人アーティストの魅力を1年通して発信する仕組みを作っていて、「ROOKIE A GO-GO」は音楽ファンがフレッシュな才能を発掘する場にもなっているのだ。
そんな今年の「ROOKIE A GO-GO」は、初日に
サブスク全盛の時代、特定のジャンルにフォーカスしたプレイリストや、アルゴリズムをもとにしたオススメ機能は便利で、世界中にあふれる膨大な音楽の中から自分好みの1曲が受動的に発見できるようになった。でも──普段は聴かない、自分の好みからは外れたようなジャンルのバンドの演奏に、不意に心が動かされることだってあるはず。今回の「ROOKIE A GO-GO」のラインナップを見て、初めてその存在を知ったアーティストもいるかもしれない。だからこそ、この記事がフジロックに参加予定の読者や全国のミュージックラバーたちが、新たな音楽と出会うきっかけとなれば幸いだ。
今年はRED MARQUEEに登場、kurayamisaka・清水正太郎 インタビュー
──清水さんはフジロックに対して、どのようなイメージをお持ちでしたか?
バンドマンとしては憧れのステージでありつつ、出演するものではなく観に行くものといったイメージでした。それでももちろん、「ROOKIE A GO-GO」は毎年応募していましたが。
──昨年、「ROOKIE A GO-GO」のステージに立ってみていかがでしたか?
メインステージの演奏が終わる頃、真夜中の演奏にも関わらずたくさんの方々が私たちを観に集まってくれて、本当に心強くて感動しました。演奏中は天候にも恵まれて、夜風が本当に気持ちよかったことを覚えています。それ以外は緊張もあり、とにかくあっという間だったなと。当日は緊張でずっとナイーブになってましたが、本番前にGREEN STAGEで演奏中のノエル・ギャラガーの歌が楽屋スペースまで聞こえてきて、本当にこれから自分もフジロックで演奏するんだなと急に実感が湧きました。
──kurayamisakaはその年の「ROOKIE A GO-GO」出演アーティストの中から、翌年のメインステージ出演者を決める投票企画を勝ち抜き、今年のフジロックへの出演権を獲得しました。この知らせを受けたときの感想を教えてください。
生きていて一度でもあり得ないのに、もう一度フジロックのステージに立てるとは夢にも思っていなかったので、うれしかったです。投票してくださった皆さん、ありがとうございます。
──今年は初日、RED MARQUEEステージのトップバッターです。意気込みや楽しみにしていることはありますか?
RED MARQUEEには今まで自分が敬愛する数々のバンドが出演してきました。その中の1つとして、私たちも誰かにとってのそういった対象として映っているかもしれないという覚悟を持ちつつ、とにかく楽しんで演奏したいと思います。本番が終わったら、メンバーとフジロックを楽しむつもりです。
──では最後に、今年のフジロックに参加予定の音楽ファンへメッセージをお願いします。
フジロック2025初日、RED MARQUEEのトッパーで演奏します。苗場に来た皆さんがその後も楽しめるように心を込めて演奏しますので、ぜひ身体を温めに来てくれるとうれしいです。
kurayamisaka - curtain call(FUJI ROCK FESTIVAL'24 "ROOKIE A GO-GO")
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kurayamisaka @kurayami_saka
【インタビュー掲載】
音楽ナタリーでフジロック「ROOKIE A GO-GO」について、清水 正太郎のメールインタビューが掲載されました
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