ICEx「インストール」インタビュー|かわいさ、カッコよさ、無機質さ、人間味…8人が見せる新しい姿

ICExの6thシングル「インストール」が7月23日にリリースされた。

表題曲「インストール」は、機械音と人間味が交錯する“最新アプデソング”。ラップ主体のサウンドや、ロボットから人間へと進化していく過程を表現したパフォーマンスなど、これまでにないICExの新たな一面を垣間見ることができる。シングルにはこのほか、志賀李玖が主演を務め、八神遼介も出演するドラマ「六月のタイムマシン」の主題歌「青と白」、情熱的な愛を描いた「ALPHA」、ユニットバトルを経て絆を深めた8人の姿を歌った「Jelly Beans」など多彩な新曲が収録されている。

音楽ナタリーではICExにインタビューし、ニューシングルに込めた思いや制作の舞台裏、期間限定のユニット企画「ICEx Fight!!」について語ってもらった。またインタビューの最後には、8月にスタートする全国ツアー「BOKUNCHI」に向けて、メンバーの出身地にちなんだ“地元のオススメ”も聞いた。

取材 / 三橋あずみ文 / 獅々堀智世撮影 / 梁瀬玉実

人間味バチン

──表題曲「インストール」を最初に聴いたときの皆さんの感想を教えてください。

山本龍人 僕が最初に思い浮かんだのはロボットとかメカ、工場みたいなイメージ。湯気が噴き出すような音もありますよね。そんな機械的な音に人間の声が合わさった、すごく面白い楽曲だなと感じました。

筒井俊旭 「インストール」はラップがメインの曲で、今までのICExにない感じで新しい挑戦だなと思いました。ラップパートはクールな雰囲気なんですけど、サビはすごくキャッチーで、歌詞には「僕にだけ恋して」というフレーズもあるし、かわいくて切ないラブソングです。その絶妙なバランスがクセになります。

志賀李玖 今までは、カッコいいなら一貫してカッコいい、かわいいなら一貫してかわいい曲が多かったんですけど、この曲はその両方の要素があって、振れ幅の大きさも新鮮です。

ICEx

ICEx

──ボーカルに関して、ロボットっぽく無機質に聞こえるパートが盛り込まれているのも新鮮でした。レコーディングはいかがでしたか?

阿久根温世 “ロボット担当”の旺ちゃんとか、特に言いたいことがあるんじゃない?

筒井 まんざらでもない顔してる(笑)。

中村旺太郎 「ログイン ローディング フォロー ミー」っていう歌詞があるんですけど、このパートはロボットっぽく歌うことを重視しましたね。レコーディングのときは普段出さないような声を使ってみたりして……。

竹野世梛 旺ちゃんのパートは、音源だと音声加工がかかってるのでロボットっぽく聴こえるんですけど、リハーサルではそのままの声が響くんです。だから旺ちゃん、自分の声をロボットっぽく寄せて歌うんですよ。それがちょっとおかしくて……(笑)。リハのとき、みんなクスッと笑っちゃってました。

一同 (口々に)僕は笑ってないですけどね……?

竹野 ちょっと(笑)。

筒井 “口から音源”なんで、そのままの声でいけちゃうんです。「地の声でロボットの声出せちゃうんだ、すごいな」って驚きました。

千田波空斗 楽曲の裏で「Now installing」みたいな言葉がいろいろ出てくるパートがあるんですが、そこもメンバーそれぞれがロボットっぽさを意識して歌ってます。そういった細かい部分もぜひ注目してほしいですね。

八神遼介 ロボット担当は彼(中村)にお任せして、僕は“かわいさ”を意識して歌いました。龍人と一緒に歌うサビでは、先に収録した龍人の音源を聴いて参考にして少し寄せてみたりして……そんなふうに、みんなで少しずつ作り上げていった感覚がある曲です。

八神遼介

八神遼介

八神遼介

八神遼介

阿久根 ラップパートは主に僕と龍人と竹野が歌っているんですが、初挑戦のラップは難しかったですね。それぞれが自分らしさを出せるように意識しつつリズムを合わせたりして、試行錯誤しながら完成させました。

千田 竹野とかね、ずっとラップしたいって言ってたから念願だったんじゃない?

竹野 挑戦してみたかったので、今回実現できてよかったです。ただ、実際にやってみるとすごく難しかった。「どう聴かせるか」が本当に大事だし、滑舌が悪くてごにょごにょしてしまうと聴く人に伝わらなかったりするので苦戦しましたね。でも結果的にいい感じに録れたんじゃないかと思っています。

山本 ガチガチのラップ、僕も挑戦してみたかったんですけど、実際にやってみると正解がわからなくなって。最初はEBiDANの先輩のラップを真似してみたりもしたんですが、それも違うなと。「自分にしかできない、唯一無二のラップ」ってなんだろうと、ずっと考えてました。音源は音源のよさがあるけど、ライブでは毎回ニュアンスを変えたり、遊び心を加えたパフォーマンスをしたりして、自分なりの“ラップの正解”を見つけていけたらと思っています。

──では、この曲のダンスパフォーマンスについてはいかがでしょう?

中村 ダンスにもロボットっぽさが取り入れられてますね。1番のAメロとBメロはカッコよさ重視で、そこから徐々に人間味が増していって、サビで「かわいさ」と「人間味」がバチン!と一気に弾けるようなイメージで……。

八神 人間味バチン!(笑)

阿久根 なに、“人間味バチン”って(笑)。

筒井 擬音がすごいのよ。

中村 (笑)。とにかくロボットから人間へ進化していくような構成で、“人間味”をサビでガツンと出していくような振付になってます。

阿久根 サビはかわいくて真似しやすい振付なので、みんなで一緒に楽しめそう。個人的に注目してほしいのはサビ終わりのパートなんですけど、全員が左右対称でバッと動いて……。

山本 アニメーションダンスみたいな感じだよね。

阿久根 そう。真ん中で手をそろえてきれいに動く振付があるんです。そこは見ていて気持ちいいんじゃないかなって思います。

お風呂に入るのも最後、寝るのも最後

──「インストール」の歌詞の中には「瓜二つなRobots」というフレーズがありますが、メンバー同士で「ここ、自分とちょっと似てるな」「この部分はシンパシーを感じるな」と思う部分はありますか?

阿久根 あります。僕と龍人は誕生日が一緒で、好きな食べ物が似てるんです。しかもお互いにちょっとクセのある塩辛い系の、おつまみっぽい食べ物が好きなので、そこにシンパシーを感じますね。

山本 好きだね、塩辛いものが。

志賀 2人と合わない……。僕はハンバーグとか、王道と言えるごちそうが大好きなので。

志賀李玖

志賀李玖

志賀李玖

志賀李玖

山本 確かにそうかも(笑)。

志賀 僕は、似ているとはまたちょっと違うけど、一緒にいて居心地がいいのははくちゃんかな。

千田 居心地のよさなら、僕も100%李玖ですね。お互いの性格的にあまり気を使わなくてよくて、波長が合うんです。自然体でいられる間柄です。

志賀 波長がね、合うよね。

千田 ただ“瓜二つ”とはまた違う気がしますけど(笑)。

筒井 それで言ったら、僕は「りっくんに似てる」ってめっちゃ言われますね。顔が。こういう質問を振られると、必ずと言っていいほど僕らが似てるって話になるんですよ。はじめましての方に「兄弟ですか?」って聞かれたり。

志賀 そうなんですよ。1つひとつのパーツは違うんですけど……配置ですかね? なんか似てるらしいです。自分でもたまにわかんなくなります。

筒井 僕的にもあまりピンときてないんですけど、似ている写真とか映像があるらしいです。

八神 (筒井に向かって)え、李玖くんはさ、とっしーと似てるって……。

筒井 いや逆、逆! 俺がとっしーなのよ。

筒井俊旭

筒井俊旭

筒井俊旭

筒井俊旭

一同 あはははは!

千田 マイペースなのはICExみんなに言えるんじゃない?

山本 それがいいところでもあり、悪いところでもあります(笑)。

千田 特に龍人と筒井の2人がマイペース。

山本 それで言うと僕はとっしーと性格が似てるなって思います。どっちものんびり準備するタイプで、レッスン場を出るのがいつも最後。動き出すタイミングとか行動パターンが一緒で、そういうところにシンパシーを感じます。

筒井 遠征のときとかみんなすぐ寝るんですけど、龍人はいつも最後まで起きてます。お風呂に入るのも最後、寝るのも最後。僕と生活リズムが似てる。

山本 だからか僕らは同じ部屋になることが多くて、いつも一緒に行動しています。趣味も合うし、グイグイ行けない性格も似てて(笑)。例えば先輩と写真を撮るときも、「俺1人じゃ行けないから一緒に行こう」って言い合ったり。何気ない瞬間に「あ、自分ととっしー、似てるなあ」って思うことが多いです。

──逆に「これは誰にも真似されない、自分だけの個性だ」と自信を持って言えるものがあれば教えてください。

千田 一番自我が強くて、誰にも似てないのは中村旺太郎です。

筒井 いまだにつかめない(笑)。なんなら本人ですら、自分のことを理解できてないかもしれない。

中村 「どのメンバーに似てると思いますか?」って聞かれても、たぶん自分含め誰も「ここが似てる」と即答できないと思う。でも、それってオリジナリティがあるとも言えるから、全然問題ないと思ってます。

竹野 さすがだわ。

千田 八神と竹野は最年少同士だけど、けっこう性格が違う。しっかりしてる八神と、しっかりしてない竹野……。

竹野 言い方!(笑)

竹野世梛

竹野世梛

竹野世梛

竹野世梛

筒井 年齢のわりにしっかりしてるタイプと年相応のやんちゃ小僧ですね(笑)。もちろんいい意味で!

八神 あと個性と言えば、温世くんの独特のお笑いスタイル。

阿久根 お前やめとけ(笑)。おもんないんだから! ただの内輪ノリですよ。

筒井 めっちゃ保険かけてる(笑)。ウケるまで絶対にあきらめないんですよ。

阿久根 関西出身なので、お笑いの流れだけは体に刻まれてます。しらけて終わっちゃうのが一番気まずいんで、何がなんでもとにかくやりきるようにしてます(笑)。スベるのがわかってるから外ではやらないですけど、メンバーの前だったら許されるかなって。メンバーは受け止めてくれるので、そこに愛を感じてますね。

八神 なので、これからに期待ですね!

阿久根 お笑い養成所入ろうかな……。

山本 どこ目指してんの(笑)。