今年4月のあづの卒業公演を経て、たいが、なぎ、なるき、ぱっち、ようたの5人体制となったパンダドラゴン。レコード会社をユニバーサルミュージックに移籍し、新たなフェーズへと突入した彼らからニューシングル「マジ☆まじない」が届けられた。
オリコン週間シングルランキング初登場1位を獲得したシングルの表題曲「マジ☆まじない」は、メンバー5人の個性が爆発した底抜けに明るいパーティチューン。メンバーいわく「新しいスタートにぴったり」の1曲だ。2018年の結成以来、ボーイズアイドルグループとして着実にステップアップし、2026年に2回目の東京・日本武道館公演を控えるなど躍進を続ける5人に「マジ☆まじない」の話や新体制となっての心境を聞いた。
取材・文 / 小松香里撮影 / はぎひさこ
メンバーの素が出まくり「マジ☆まじない」
──5人体制初のリリース曲となる「マジ☆まじない」のデモを聴いたとき、皆さんはどう思いましたか?
なるき みんなで一緒に聴いたんですけど、素直に「めっちゃいい!」って盛り上がりましたね。
たいが 歌詞にもあるように、本当にゴンアゲの明るく盛り上がる曲で、新しいスタートにぴったりだなと。
ようた 作詞作曲は「じゃぱかわんだほ~」(2024年4月の10thシングル)を作ってくれたMedansyさんで、前回より僕たちのことを知ってくれているので、よりパンダドラゴンらしさが詰まった楽曲をいただけたなと感じました。
──ようたさんの「説明しよう!」というアナウンス調のパートで始まるのはインパクトがありますよね。
ようた あのパート、最初は語り口調だったんです。でも、僕が最近のライブでテンションが上がって高音に振り切って歌うことがよくあるので、「歌い出しからインパクトを大事にしたいから、ライブでの感じを出して好きにやってみてくれ」とスタッフに言われて、その通りにやってみたらすごいことになりました(笑)。
──2番はオートチューンがかかったパートがあったり、ラップパートがあったり、いろんな展開が詰まっていますよね。
なぎ 1曲の中でたくさんのパンダドラゴンを楽しめると思います。
ぱっち Medansyさん視点でのパンダドラゴンのイメージが詰まってるし、パンダドラゴン以外は歌えない楽曲ですね。振りもミュージックビデオも含めてザ・パンダドラゴン! 新たな代表曲になりそうです。
──かわいさや元気さに振り切ったパートが多いですが、レコーディングではどんなところにこだわりましたか?
ぱっち ようたとなぎのラップのあとに、僕が「かっこよすぎは反則です!」っていうセリフ調の歌詞を歌うんですが、デモを聴いたときは、ここはようたかなぎが担当するんだろうなと思っていて。自分が担当することになったときは驚きました。ファンの方の気持ちを代弁するつもりで、いろいろなアプローチを試しましたね。ライブごとにいろいろ変えているんですが、関西弁でやってみたらライブでお客さんが盛り上がってくれたので、ほかの方言バージョンもやってみようかなと考えています。
たいが 序盤の「マジで無~い」っていうセリフパートはレコーディング中にスタッフから「普段のブチギレしてる感じで」と言われて。「普段の自分を出すのは無理!」と思ったんですが(笑)、結局ブチギレギャルになってみたり、間奏の「ゴンアゲ?」のパートは「悩み系ギャルみたいな感じでお願いします」と指示されたので、そのイメージで歌ってみたりしました。超王道アイドルのかわいい感じで歌ったパートもあるし、1曲の中で多重人格になってキャラを使い分けました。
なぎ 1番の「あっぷっぷ!」というパートは「幼さが欲しい」とスタッフに言われたので、自分ができる最大限の幼いかわいさを出してみました。でもラップのパートは余裕のあるカッコよさを意識して。かわいさとカッコよさ、両方の魅力を感じていただける曲だと思います。
なるき ギャップだね。僕は「…ちょっと待って! パーティーが『パ』、ラブが『ラ』 『ゴン』は?」というセリフパートを担当していて。「かわいい感じかな?」とか「焦ってる感じかな?」とかいっぱいアプローチを考えてレコーディングに臨んだんですが、いつもの自分の感じでやってみたら一発OKで、「いっぱい考えたの無駄だった?」となりました(笑)。でも、スタッフさんたちが「このセリフ、なるきっぽい」と考えて割り当ててくださったんだと思うので、そんなにこだわらずに自分のままでよかったんでしょうね。逆にAメロの歌い出しは「もっと王子様らしく」とか「もっとカッコいい感じで」とかいろいろ指示があったので、たくさんのパターンを録らせてもらいました。
ようた 僕は「もっともっと届け」という歌詞を元気に歌ったら、スタッフに「そうじゃない」と言われて(笑)。「いい意味でようたくんのもっと行き切っちゃってる元気さで歌ってほしい」という話だったので、普段の感じでやってみたら「そっちそっち」と褒められました。ライブでは歌詞が聞き取れないくらい振り切っちゃってます(笑)。ほかの曲ではぱっちとなぎがラップを担当することが多いんですが、今回は僕のラップパートもあって。なぎのあとに僕のラップパートが続くんです。なぎは普段の声が低くて、逆に僕は高いんですけど、せっかくなのでこれまでにないテイストを入れてみたいなと思って、“高音なりの低い声”にしてなぎとのバランスを取りました。そこはかなり試行錯誤しましたね。
ヴィーナスゼウスにとって一番楽しい場所に
──タイトルの「マジ☆まじない」は「マジのおまじない」の意味だそうですね。パンダドラゴンが世界中をハッピーにするおまじないをかけてあげる、というとてもポジティブなメッセージが詰まっています。
ぱっち 自分たちがファンの方に伝えたい思いが詰まってますね。自分たちはファンの方と会えるイベントやライブに向けて日々練習をしていて、ファンの方も僕らに会うために日々がんばってくれていると思うんです。「いつだってウェルカム 君のホーム」という歌詞には、ヴィーナスゼウス(パンダドラゴンファンの呼称)の皆さんにとって、パンダドラゴンのライブやイベント会場が一番楽しい場所であってほしいという思いが込められています。それと、「頑張らんでいいよ 頑張ってるもん」っていう歌詞がすごくパンダドラゴンっぽいですよね。この曲を聴いたファンの方たちから「毎日がんばる中で大変なこともあるけど元気が出た」という声をもらえているんですが、自分たちもこの歌詞を読んで「自分たちらしくいていいんだ」って勇気付けられました。
──肩の力を抜いて伸び伸び楽しもうというマインドがとてもパンダドラゴンらしいですよね。
ぱっち はい。楽しむことを一番大事にしているグループですから。もちろんカッコつけるときも、アイドルっぽく振る舞うときもありますが、気を張りすぎずファンの方やメンバーと楽しい空間を作っていきたいという気持ちが一番強くあります。
たいが 「エビバディパーティー勢いでハッピー あれもしたい これもしたい 全部やっちゃってモーマンタイ」っていう歌詞を読んだときに、うちらのことを言われてるみたいで染みました。僕たちはオーディションの段階からセルフプロデュース力を評価されたメンバーが集まって、自分たち発信で楽曲も含めていろいろな提案をして道を切り拓いてきたので。
──MVは初の海外撮影で、インドネシアに行って撮ったんですよね。
ようた そうなんです。突然のインドネシア行きでした。
ぱっち 弾丸でしたね。
なぎ 日本とは感性が違うインドネシアで、そこでしかできないことをやってみようという意図なんです。普段は映画を作ってるチームにかわいいセットを組んでいただき、現地の方にゾンビになってもらって一緒に踊ったりして、日本ではできないようなことをやってみました。現地の方とのダンスシーンの撮影が特に長くて。しかも終盤だったので、言葉は通じないけどお互い励まし合って、心でつながれた感覚がありました。
なるき 撮影後半の待ち時間はほぼみんなで円になって話してたよね(笑)。全然言葉通じないのに。
ようた みんないい人だったし。
ぱっち 僕たちはそれぞれアイドルが好きでこの活動を始めましたが、インドネシアにはK-POPや日本のアイドルが好きな人が多くて、アイドルの話って国を超えてコミュニケーションができるんだなと改めて思いました。
なるき LE SSERAFIMさんの話をしたりしたよね。
ようた ね。あと、たいがちゃんがTikTok用の動画を撮ってて。
たいが せっかくインドネシアに行ったので休憩中にJKT48さんの曲を踊ってたら、現地のダンサーが「JKT48⁉」って反応してくれて盛り上がりました。うれしかったですね。
ぱっち 改めて「アイドルっていいな。素敵やな」って思いました。
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5人になっても、絶対毎日いい日にするんだ