Homecomingsが雪国、ART-SCHOOLと作り上げた特別な夜 東名阪クアトロ対バンツアー終幕

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Homecomingsが7月21日に東京・渋谷CLUB QUATTROで東名阪ツアー「many shapes, many echoes」の最終公演を開催した。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

Homecomings(撮影:新家菜々子)

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昨年に続き2度目の開催となる「many shapes, many echoes」は、各公演にゲストアクトを迎える対バンツアー。今年は大阪公演にNo BusesとLAUSBUB、名古屋公演にMASS OF THE FERMENTING DREGSとdownt、東京公演にART-SCHOOL雪国という、世代やジャンルを越えた面々が登場した。

雪国

雪国(撮影:新家菜々子)

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トップバッターを務めたのは、今年の「FUJI ROCK FESTIVAL」で新人アーティストの登竜門「ROOKIE A GO-GO」への出演を果たした雪国。彼らは深淵なサウンドスケープから徐々に熱を帯びていく「樹海」でライブの口火を切ると、スローナンバー「Blue Train」でオーディエンスを繊細かつメランコリックな世界へと引き込んでいく。続く「架空の君へ」では、美しいライティングが場内を照らし、京英一(Vo, G)のささやくような淡いボーカルと相まって会場は神秘的なムードに包まれた。雪国はその後、「二つの朝」「東京」といった楽曲を次々と披露。最後は新曲「星になる話」で場内を美しい轟音で満たし、確かな爪痕を残してパフォーマンスを終えた。

ART-SCHOOL

ART-SCHOOL(撮影:新家菜々子)

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続くART-SCHOOLが最初の一音を鳴らした瞬間、体の芯まで響くような重厚なサウンドが響き渡り、フロアには熱狂の渦が巻き起こる。5人は最新ミニアルバム「1985」からみずみずしく疾走感あふれる「Trust Me」、ベースとドラムが強靭なビートを刻む「We Are All Broken」で会場全体を揺らすと、観客にひと息つく暇も与えないまま「ウィノナライダーアンドロイド」「スカーレット」を叩きつけるようにプレイした。戸高賢史(G)は後輩2組に向けて「音が大きいんですけど、耳が全然痛くなくて、聴いていてすごく癒やされました。このまま丁寧に積み重ねて、カッコよくなっていってほしいなと思います」と、今年で結成25周年を迎えたART-SCHOOLの一員としてエールを送った。ライブ終盤、ART-SCHOOLは木下理樹(Vo, G)の「今日はありがとうございました」という言葉を合図に「Just Kids」の演奏へと突入。最後の1曲まで最高潮を何度も更新し、十分すぎるほどにフロアを温めてHomecomingsへとバトンを渡した。

Homecomings

Homecomings(撮影:新家菜々子)

Homecomings(撮影:新家菜々子)[拡大]

Homecomingsはサポートドラムに吉木諒祐(The Novembers)を迎えてステージに登場。シューゲイズやドリームポップの要素を取り入れたサウンドに、清涼感のある歌声を乗せた最新曲「any day now」を1曲目にセレクトすると、ダンサブルなキラーチューン「US / アス」、美しいノイズと轟音ギターが交差する「blue poetry」を続けて観客を圧倒した。MCでは福富優樹(G)が会場に集まったオーディエンス、ゲストの雪国とART-SCHOOLに感謝を伝えつつ、「many shapes, many echoes」という企画タイトルに込めた思いを「僕たちは“隣人”というテーマを大切にしているんですけど、『みんなで1つの考え方になろう』ということではなくて、生きやすい、息をしやすい社会になればいいなと思いを込めています。今日はステージと客席の間に段差があるけど、気持ちの上では平らでありたい。だから友達が嫌がることはせえへんというか、そういう感覚を持っていろんなことに接して、安心できる場を作れたらいいなと思います」と語った。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

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バンドのエモーショナルな側面が垣間見える「recall(I'm with you)」「Shadow Boxer」を経たライブ中盤、ノイジなーSEが爆音で流れたのち、美しく歪なシューゲイズナンバー「ghostpia」が届けられると場内は異様な熱気に包まれる。Homecomingsは7月30日配信の新曲「every breath」や、映画「三日月とネコ」の主題歌「Moon Shaped」、無機質な打ち込みビートと熱を帯びた4人の演奏が激しく交差する「Drowse」をプレイ。「Tenderly, two line」を披露して場内を柔らかな空気で包むと、肉体的なアレンジを施したハウスナンバー「Air」でオーディエンスを踊らせてライブ本編を終えた。

Homecomings(撮影:新家菜々子)

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Homecomingsはアンコールで12月18日に初の東京・EX THEATER ROPPONGI単独公演「the aquarium of illumination and night glare」を行うことをアナウンス。「この頃には新しい曲も増えてると思うし、EX THEATERでしかできひんことをやれたらなと思っていますので、どうか皆さん年末まで元気でいてください! ありがとうございました!」と呼びかけると、最後に「angel near you」をじっくりと届けてステージをあとにした。

チケットぴあでは8月4日23:59まで、EX THEATER ROPPONGI公演のチケット先行予約を受付中。

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セットリスト

「Homecomings presents『many shapes, many echoes』」2025年7月21日 渋谷CLUB QUATTRO

雪国

01. 樹海
02. Blue Train
03. 架空の君へ
04. 金星
05. 二つの朝
06. 東京
07. 星になる話

ART-SCHOOL

01. Trust Me
02. We Are All Broken
03. ウィノナ ライダー アンドロイド
04. スカーレット
05. Heaven Kicked Me Out
06. クロエ
07. 1985
08. Just Kids
09. ロリータ キルズ ミー
10. UNDER MY SKIN
11. FADE TO BLACK

Homecomings

01. any day now
02. US / アス
03. blue poetry
04. luminous
05. 光の庭と魚の夢
06. recall(I'm with you)
07. Shadow Boxer
08. ghostpia
09. every breath
10. Moon Shaped
11. Drowse
12. Tenderly, two line
13. Air
<アンコール>
14. angel near you

公演情報

Homecomings oneman show “the aquarium of illumination and night glare”

2025年12月18日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI

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ガリガリ @XNOlpPI6AgnwzNo

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