蓮沼執太フルフィル26人がすみだトリフォニーホールで初めて奏でた「フルフォニー」

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蓮沼執太フルフィルのお披露目公演「フルフォニー」が8月18日に東京・すみだトリフォニーホールで開催された。

蓮沼執太フルフィルお披露目公演「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)

蓮沼執太フルフィルお披露目公演「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)

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蓮沼執太フルフィルのメンバー(撮影:後藤武浩)

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蓮沼執太フルフィルは、16名のメンバーからなる蓮沼執太フィルに年齢、性別、国籍、演奏楽器すべて不問のオーディションで選抜された新メンバー10名を加えた蓮沼の新たなクリエーション。新体制をお披露目する「フルフォニー」では、既存の蓮沼フィルと新たな蓮沼執太フルフィルの2形態で変動しながら多彩なパフォーマンスが繰り広げられた。

メンバーに拍手を贈る蓮沼執太(右)。(撮影:後藤武浩)

メンバーに拍手を贈る蓮沼執太(右)。(撮影:後藤武浩)[拡大]

開場するとステージには“フルメンバー”と称される新メンバー10人がスタンバイしており、「windandwindows」を自由なアレンジで奏でながら観客を迎え入れる。また1800の客席には色とりどりのパンフレットが背もたれに配置され、見事なグラデーションで会場を彩っていた。開演時間になると総勢26人のフルフィルメンバーが壇上に登場。張り詰めた空気の中で「Anthropocene - intro」の演奏を始めると、会場の空気は一気に華やぎ、温かなムードがホールを満たした。また彼らは蓮沼フィルのライブ定番曲「Earphone & Headphone in my Head - PLAY0」を初めてフルフィル編成で披露。一体感がありながらもパワフルさが増したパフォーマンスに蓮沼も誇らしげな表情を浮かべながらメンバーに拍手を贈った。そして環ROYのナンバー「YES」を重厚感が増したフィルアレンジでセッションしたのち、蓮沼は26人のメンバー1人ひとりを紹介。1人も間違うことなく紹介し終えた蓮沼は「メンバー紹介するだけでもひと苦労ですね」と笑顔で語ったのち、ライブ前半最後の曲となる「Hello Everything」を丁寧に届けた。

蓮沼執太(撮影:後藤武浩)

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休憩を挟んだライブ後半はフィルメンバーによる「TIME」でスタート。ピアノの前に座った木下美紗都(Cho)の朗読のようなアカペラから始まるこの曲では蓮沼が指揮とコーラスを担当し、木下の繊細なタッチのピアノ弾き語りを主軸にしっとりとしたハーモニーを響かせる。蓮沼の指揮のもと複雑なリズムが絡み合う「off-site」では緻密な演奏と環ROYのクールなラップでオーディエンスを魅了した。

続いてフルフィルメンバーは全員で本公演の表題にもなっている新曲「Fullphony」を初披露する。“アーティスト、ホール、観客”の3つの音が響くことを意味するトリフォニーホールの命名由来に感銘を受けたという蓮沼は「音楽ってみんなに聴いてもらわないと音楽にならないと思っている」と語り、「Fullphony」は観客も具体的に参加することで成り立つ楽曲だと説明。「一旦、自分の体の音を聞いてください」と観客に自らの心拍数を確認させた彼は、合図と共に心拍のリズムに合わせて息を吐くよう指示する。ゆったりとしたテンポで始まった新曲はオーディエンスの呼吸音が入り交じり、壮大な雰囲気と一体感が会場全体を包み込む。後半にかけて速度を増し曲調が一変した「Fullphony」は環ROYの畳みかけるようなフロウで締めくくられた。

蓮沼執太フルフィル「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)

蓮沼執太フルフィル「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)[拡大]

続けて蓮沼たちは「centers #1」「centers #2」「centers #3」を一気にパフォーマンスする。ステージ上に灯った小さな電球が演奏にあわせて点滅を繰り返し幻想的な空間を作り上げる中、「centers #3」ではステージ上方にあるパイプオルガンにも明かりが灯り、池田恭子(Per)が荘厳な音色を奏でた。「素晴らしかったね」とメンバーを称えた蓮沼は本編最後に「ちょっと少なく感じちゃうけど、フィルメンバーで締めたいと思います」と挨拶し、16人で代表曲「ONEMAN」を披露した。

蓮沼執太フルフィル「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)

蓮沼執太フルフィル「フルフォニー」の様子。(撮影:後藤武浩)[拡大]

アンコールの声に応えて再登場したフィルメンバーは、息の合った様子でライブ定番曲「ZERO CONCERTO」を届ける。さらにフルメンバーも呼び込んだ蓮沼はメンバーに向け「今日は参加してくれてどうもありがとう。厳しい練習を乗り越え、本番を迎えられてとてもうれしいです!」と感謝の気持ちを述べ、最後に26人で新作のリード曲である「Meeting Place」を演奏し、「フルフォニー」の幕を閉じた。

なお蓮沼執太フィルは9月16日に愛知・ナディアパーク アトリウム、翌17日に大阪・ユニバースで単独公演を実施。29日には福岡で行われるイベント「MUSIC CITY TENJIN 2018」に出演する。

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蓮沼執太フルフィル「フルフォニー」セットリスト

01. Anthropocene - intro
02. windandwindows
03. Earphone & Headphone in my Head - PLAY0
04. Juxtaposition with Tokyo
05. the unseen
06. wannapunch! - Discover Tokyo - Sunny Day in Saginomiya
07. YES
08. Hello Everything
09. TIME
10. off-site
11. Fullphony ※新曲
12. centers #1
13. centers #2
14. centers #3
15. ONEMAN
<アンコール>
16. ZERO CONCERTO
17. Meeting Place

蓮沼執太フィル「アントロポセン -Extinguishers 愛知全方位型」

2018年9月16日(日)愛知県 ナディアパーク アトリウム

蓮沼執太フィル「アントロポセン - 360° 大阪全方位型」

2018年9月17日(月・祝)大阪府 ユニバース

MUSIC CITY TENJIN 2018

2018年9月29日(土)福岡県 福岡市役所西側ふれあい広場ほか特設会場

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蓮沼執太|Shuta Hasunuma @Shuta_Hasunuma

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