BURNOUT SYNDROMES、SF映画さながらの演出で観客巻き込む

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BURNOUT SYNDROMESの全国ワンマンツアー「孔雀~いざ真剣勝負~」が3月25日に福岡・DRUM SONで終幕。この記事では3月23日に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われたセミファイナルの様子をレポートする。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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このツアーは彼らが2月に発売したメジャー2ndフルアルバム「孔雀」を携えて全国5カ所で行ったもの。今回も石川大裕(B, Cho)によるセルフプロデュースのもとパフォーマンスが展開され、3人はあっと驚く演出で集まった超満員の観客を巻き込んでいった。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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まずはスクリーンに「燃えつき症候群防止委員会」通称“MBI”を名乗る女性が登場した。彼女はSF映画さながらのセットの中、このままライブやフェスの動員が増え続けると、人々はライブを楽しみすぎてしまい、ライブ以外に関心がなくなってしまうと熱弁。それを防ぐために、入場時に観客の手に押したスタンプと一緒に“ライブを楽しみすぎないようにする”マイクロチップを埋め込んだと告げると、フロアにはざわめきが起こった。続いてスクリーンには石川と熊谷和海(G, Vo)によく似た男性が登場。MBIと敵対する2人は、この日のライブにスリープ状態となっている3体のヒューマンレジスタンス“モエツキーター”を送ったことを説明した。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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スクリーンの中の石川と熊谷によく似た男性の呼びかけによって、観客は一斉に「ハイスコアガール」をシンガロング。その声によってステージ上の“モエツキーター”ことBURNOUT SYNDROMESは目覚め、改めて「ハイスコアガール」でパワフルにライブをスタートさせた。勢いに乗った3人は、石川がラップを繰り広げる「Melodic Surfers」、代表曲の1つ「文學少女」をドロップ。観客は手を左右に揺らしたり歌ったりと序盤からピークと言わんばかりの大盛り上がりの様子を見せていた。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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この様子を見ていたMBIの女性からは「ライブを思いっきり楽しんじゃダメって言ったでしょ?」というお叱りの声が。彼女の「チップの力を思い知らせてあげる。ゲームしましょ。ポーカーなんてどう?」という言葉から、ライブは「POKER-FACE」へ。打ち込みで構成され、どのような演奏が行われるのか期待が高まっていたこの曲では、石川がシンセサイザー、廣瀬拓哉(Dr, Cho)がマーチングバスドラムを披露してオーディエンスを楽しませた。石川は「ワンマンライブへようこそ! 怖かったね。僕らが来たからもう大丈夫! モエツキーター改め大阪のBURNOUT SYNDROMESです!」と改めて挨拶。「すべての出会いに感謝してこの歌を届けます」という石川の言葉から、熊谷がアコースティックギターを奏でる「吾輩は猫である」が温かな雰囲気で届けられた。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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「熊谷はいい曲作るマシンなので、『檸檬』の曲もいっぱいやりたいんですけどいいですか?」という石川の前置きから、メジャー1stフルアルバム「檸檬」の収録曲「君のためのMusic」「君は僕のRainbow」「Bottle Ship Boys」「ナイトサイクリング」からなる“燃えつきメドレー”へ。メドレー終盤、熊谷はアコギからエレキギターへと持ち替え、3人のアンサンブルは次第に熱を増していった。続く「君をアンインストールできたなら」の演奏後には、突如場内に赤いランプが点滅。ほどなく「MBIがライブハウスの照明システムに入り込んだ」とアナウンスされ、場内は照明が落ち真っ暗に。しかしメンバーの「みんな! スマートフォンの明かりを点けて! チップを壊そう!」という声かけにより、フロアはファンの持つスマートフォンの光によって瞬く間に明るくなった。

熊谷和海(G, Vo)(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

熊谷和海(G, Vo)(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

その光によってチップが壊れたことを説明したメンバーは「ありがとう! みんなのおかげでライブが続けられるよ! あなたが照らしてくれたおかげで、俺たちはまっすぐ道を進めるよ」と感謝し、「ヒカリアレ」をハツラツとパフォーマンスした。熊谷はバラエティに富んだアルバム「孔雀」について触れ、「音源以上にいろんなBURNOUT SYNDROMESを見てもらいたくて、先ほど見ていただいた茶番や小ネタ、寸劇を寝る間も惜しんで考えました……コイツが」と石川を指して笑顔を浮かべる。また「生きていく中で、つらいなあ、燃え尽きたなあと感じてしまうことがあるかもしれません。僕らは、あなたたちの隣で一緒に歩いていきたいから、明るいだけじゃなくて暗い曲も作っています。20歳のとき、クアトロワンマンがソールドなんてまったく見えないときに書いた曲です」と説明し、「斜陽」をじっくりと歌い上げた。

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」東京・渋谷CLUB QUATTRO公演の様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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「あなたが好きだと言ってくれたこの曲、俺たちは一生歌い続けるよ!」という石川の言葉から届けられたのは、BURNOUT SYNDROMESの飛躍のきっかけの1つであるテレビアニメ「ハイキュー!!セカンドシーズン」のオープニングテーマ「FLY HIGH!!」。演奏中には、オーディエンスだけの大きなシンガロングがクアトロに響き渡った。3人は「人工衛星」を熱演したのち、「BURNOUT SYNDROMESと花一匁しませんかー!」と声を上げてラストナンバーとしてテレビアニメ「『銀魂』銀ノ魂篇」のエンディングテーマ「花一匁」を披露。「かってうれしい はないちもんめ」「まけてくやしい はないちもんめ」という歌詞をオーディエンスと掛け合い、大熱狂の中で本編の幕を閉じた。

アンコールは初の全国流通アルバム「世界一美しい世界一美しい世界」より「東名高速道路清水JCTを時速二〇〇キロメートル超で駆け抜けるのさ」でスタート。そしてクラシックを取り入れた「ヨロコビノウタ」の演奏を終えると、熊谷は「あなたに出会えた喜びを僕らは忘れません!」とフロアに向けて叫んだ。

なおBURNOUT SYNDROMESは2019年3月に全国ワンマンツアーを開催することを発表。大阪・BIGCAT公演や東京・LIQUIDROOM公演を含む6公演を行う。バンドのオフィシャルサイトでは、4月1日までチケットの先行予約を受け付ける。

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BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2018『孔雀~いざ真剣勝負~』」2018年3月23日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト

01. ハイスコアガール
02. Melodic Surfers
03. 文學少女
04. セツナヒコウキ
05. エレベーターガール
06. POKER-FACE
07. 吾輩は猫である
08. 燃えつきメドレー
・君のためのMusic
・君は僕のRainbow
・Bottle Ship Boys
・ナイトサイクリング
09. 君をアンインストールできたなら
10. ヒカリアレ
11. 斜陽
12. 若草山スターマイン
13. 月光サンタクロース
14. FLY HIGH!!
15. 人工衛星
16. 花一匁
<アンコール>
17. 東名高速道路清水JCTを時速二〇〇キロメートル超で駆け抜けるのさ
18. ヨロコビノウタ

BURNOUT SYNDROMES「全国ワンマンツアー2019」

2019年3月2日(土)広島県 広島セカンド・クラッチ
2019年3月3日(日)福岡県 DRUM Be-1
2019年3月10日(日)大阪府 BIGCAT
2019年3月16日(土)愛知県 ElectricLadyLand
2019年3月23日(土)東京都 LIQUIDROOM
2019年3月30日(土)宮城県 darwin

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