Faint★Star、七夕の夜に笑顔と涙のアルバムリリースパーティ

Faint★Starの1stアルバム「PL4E」のリリースパーティが、アルバム発売日である7月7日に東京・2.5Dスタジオで開催された。

ユニット名にちなんだ七夕の日に初のフルアルバム「PL4E」を発表したFaint★Star。リリースパーティは彼女たちが2.5Dで定期開催しているレギュラーイベント「Faint★Star × 2.5D Tokyo Sound Collection」の一環として行われ、イベント3度目の登場となるDJ ABOと、アルバムにリミキサーとして参加したカジヒデキがゲストとして駆けつけた。

パーティのオープニングを務めたDJ ABOは「（観客が）いつもあったかい気持ちで迎えてくださって。かわいい女の子でもないのにね（笑）」といった軽妙なトークを挟みつつ、七夕とFaint★Starにちなんだ「When You Wish Upon a Star」からDJプレイをスタートさせると、カジの「エンジェリック・シンフォニー」や小沢健二の「ラブリー」、バニラビーンズとNegiccoによるピチカート・ファイヴのカバーなど、Faint★Starの音楽性にも重なる“渋谷系”の系譜でつなげていく。さらにはFaint★StarのHINAがかつて在籍したTomato n' Pineの「ワナダンス」とその元ネタであるMcfadden & Whiteheadの「Ain't No stoppin us Now」を並べたり、フリッパーズ・ギターの「カメラ！カメラ！カメラ！」からFaint★Star「フィルム！フィルム！フィルム！」につなげたりと、心にくい演出で会場の観客とUstream中継を視聴するファンを楽しませた。

DJ ABOがフロアを盛り上げたあとは、Faint★Starの2人がステージへ。HINAは「今夜はHINA、ダイブしちゃおうと思いまーす！」と冒頭からハイテンションで、YURIAはそれを優しくフォローする。そして2人は「今夜もサウンドをコレクトしていきましょう！」と観客に呼びかけると、ゲストのカジをステージに迎え入れた。カジはサポートドラマーのつなかわ和行とともに登場すると、まずは「ビーチボーイのジャームッシュ」を披露。間奏では「『あーわっあーわ』と言ってください！」とシンガロングを要求し、フロアに一体感を作り上げる。続く映画「デトロイト・メタル・シティ」の劇中曲「甘い恋人」でも「甘い、甘い、甘い、甘い」とシンガロングが巻き起こり、カジはゲイザー（Faint★Starファン）の熱いレスポンスに「最高！ 超最高です！ エビバディ渋谷！」「今までで一番男性声の『甘い』でした！」と大喜び。さらに「灼熱少女」「シヴィラはある日突然に」「亜熱帯ガール」「君とサマーと太陽がいっぱい」と新旧のナンバーを畳み掛け、最後は“渋谷系”を象徴するナンバーの1つ「ラ・ブーム～だってMY BOOM IS ME～」で締めくくった。

カジのライブ後、Faint★Starとのトークではリミックス曲「Boyfriend -A.S.A.P- Favourite Wild Summer Remix（好き好きサマーREMIX）remixed by カジヒデキ 」の話題に。カジは「オリジナルがこんないい曲をどういうふうにやったら面白いかなと悩んだんですが、生でやってみるのが面白いんではないかと思って、バンドのメンバーと1日スタジオに入りました。ロンドンの『Notting Hill Carnival』をイメージしたりして」と制作秘話を明かた。また自身の声によるコーラスを追加したことについて「自分がやった証を残したいなと」と話すと場内に大きな笑いが起こり、HINAは「（今日は）反応がすごくいいですね。いつもそんな元気じゃないのにね」と付け加えた。

トークのあとはいよいよFaint★Starのステージへ。Aimerの「Twinkle Twinkle Little Star」をバックに登場したHINAとYURIAは、アルバム「PL4E」の冒頭を飾るナンバー「Hurly-Burly」からライブをスタートさせる。続く「Sleeping in your car」ではYURIAが「さあ一緒にみんなで歌いましょう！」とゲイザーに呼びかけ、会場を包む3つの壁面には同曲のミュージックビデオが映し出された。2曲を歌い終えたところで、YURIAがHINAに今日のライブへの意気込みを尋ねると、HINAは「天の川の気持ちでがんばりたいと思います！」と返答。その後のMCでもHINAは「笹の葉買ってたの？ HINAはお家に生えてたよ」「クリスマス時期になるとおじいちゃんがお庭のもみの木をチェーンソーで刈りにいくんですよ。巨木をお家に入れるの。HINAの家、巨木対応だから」とどこまで本当かわからないトークを繰り広げた。

YURIAは「HINAちゃんの言葉全部拾ってたらキリがないから」とフォローしつつ、ライブを進行。「次のパートは緊張しております……」と前置きして歌われたのは、初披露となるバラードナンバー「Spilt Milk」だ。さらにミディアムテンポの「今夜はRIDE ON TIME」を続け、そして後半は一転、「レ・ミ・ラ」「エレクトロニックフラッシュ」「ス ラ イ」「メナイ」とEDM要素の強いダンスチューンを畳み掛けていく。ハードな楽曲の連続でゲイザーは大いに沸き立ったが、2人は「心臓がEDMだ（HINA）」「どんな感じ？（YURIA）」「ドックン……ドックン……（HINA）」「それ普通だよ！（YURIA）」という独特な掛けあいで場をなごませた。

2人はラスト2曲の前に、それぞれFaint★Starの結成からこれまでを振り返る。YURIAは「この1年で人生が180度変わりました。私はまだまだ未熟ですけど、HINAちゃんに出会えて、こうして皆さんの前で歌の仕事ができていることが何よりもうれしくて幸せです」と喜びを噛み締めた。そしてHINAは「Tomato n' Pineというユニットがあって、それがね……。トマパイが急に終わっちゃったの。でもずっと音楽をやりたかったの。こうしてYURIAちゃんと出会って音楽活動を再開できたけど、またいつ終わっちゃうか心配で……」とトマパイの突然の“散開”に触れ、目に涙を浮かべてしまう。しかし最後は「でもアルバムを出せたでしょ。だからみんな安心して付いてきてください！」と力強く締めくくり、ゲイザーは2人に温かい拍手と声援を送った。思わず感極まってしまった2人は気を取り直し、「皆さんラスト2曲です！ まだまだ盛り上がってくれますよね？」「まだ元気ありますよね？」と呼びかけると、「Tip Tap」と「スーパー・サマー・ワンダー」をパフォーマンス。場内をハッピーなムードで包み込み、全14曲のステージを終えた。

Faint★Starはこのあと7月11日、12日に東京都内のCDショップ計4店舗でアルバムリリースイベントを行う。この夏はそのほかさまざまなライブイベントへの出演が決定しているので、気になる人はぜひ足を運んでおこう。