「10年やったらいろいろあるなあ」チャットモンチー、GLAY兄貴との競演に感激

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チャットモンチー企画の対バンツアー「チャットモンチーの求愛ツアー▽2015」の最終公演が、7月1日に東京・Zepp TokyoにてGLAYを迎えて行われた。

「グロリアス」をパフォーマンスするチャットモンチーとTERU(GLAY)。(撮影:古溪一道)

「グロリアス」をパフォーマンスするチャットモンチーとTERU(GLAY)。(撮影:古溪一道)

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求愛ツアーはチャットモンチーの2人が敬愛するアーティストを招いて各地を巡るツアーで、デビュー10周年記念を兼ねた今回は、柳沢慎吾、ハナレグミ、Ken Yokoyama、GRAPEVINE、YOUR SONG IS GOOD、スチャダラパーといった先輩アーティストが参加。そして千秋楽に登場したGLAYはチャットモンチーの“求愛”に答えるべく、熱く情熱的なパフォーマンスで満員のオーディエンスを盛り上げた。

GLAY(撮影:古溪一道)

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「求愛ツアーのテーマ」がスピーカーから流れ、ステージを覆う幕にかわいらしいオープニング映像が流れる中でイベントはスタート。一瞬ほのぼのとした空気が漂うも、幕が開き突然「口唇」が始まると地鳴りのような歓声が起こり、場内の熱気はいきなり沸点へと達した。この日のGLAYはサポートの永井利光(Dr)を含む5人編成でライブを実施。JIRO(B)は笑顔でステージの前方に足を向けると、激しいプレイでオーディエンスを煽り、TAKURO(G)もギターを豪快に鳴らす。TERU(Vo)とHISASHI(G)はステージ中央に設置されたお立ち台に立ち、フロアに視線を向けながら熱演を繰り広げた。

TERU(Vo)(撮影:古溪一道)

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MCでTERUは「(チャットモンチーは)選ばれし戦友どもって感じでうれしいです」「妹みたいなそんな存在なので、今日は一緒に楽しみたいと思います」とチャットモンチーとの競演を喜び、「男性が多いね。男性向けにいろいろ用意したので」と口にすると「SOUL LOVE」を歌い上げた。そしてTAKUROの爪弾くギターに乗せてTERUが優しい歌声を重ねた「HOWEVER」のあとは、チャットモンチーの「真夜中遊園地」のカバーへ。イントロが奏でられた瞬間に「ウオー!」という歓声が上がり会場全体が激しく揺れる。この曲ではJIROが力強いコーラスを添え、HISASHIが橋本絵莉子のギターを丁寧にコピーするなど、“妹分”へのリスペクトを込めたGLAY流のパフォーマンスでチャットファンをも魅了した。

ライブの後半は「百花繚乱」「微熱(A)girlサマー」「彼女の“Modern…”」と新旧のライブの定番曲が続き、会場はGLAYのワンマンライブさながらの盛り上がりに包まれる。「SHUTTER SPEEDSのテーマ」が始まる前に、ステージのセンターに立ったJIROは「楽しいぜ!」とシャウト。TERUも「チャットモンチーのファンも最高だねえ。チャットモンチー呼んでくれてありがとう」と感謝を述べ、「この熱をチャットモンチーに思いっきりぶつけてくれ!」と叫んでチャットモンチーにバトンを渡した。

チャットモンチー(撮影:古溪一道)

チャットモンチー(撮影:古溪一道)[拡大]

GLAYのライブ終了後の転換時には、チャットモンチーが地元・徳島で4日間限定でオープンしたショップ「チャット商店」の模様を紹介した四国放送「ゴジカル!」の映像が特別に上映されるというサービスも。そんなひとときを経て、チャットモンチーのライブは「変身」から始まった。恒岡章(Dr / Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)、下村亮介(Key, G / the chef cooks me)の“男陣”と北野愛子(Dr / DQS、nelca、ex. your gold, my pink)、世武裕子(Piano, Syn)の“乙女団”、計4名のサポートメンバーがイントロを鳴らす中、橋本絵莉子と福岡晃子はハンドマイクで登場し、会場を盛り上げる。その後はシンセサイザーを加えた新たなアレンジで聴かせた「シャングリラ」、タイトなリズムを刻む「こころとあたま」と楽曲を次々と繰り出した。

橋本絵莉子(撮影:古溪一道)

橋本絵莉子(撮影:古溪一道)[拡大]

福岡晃子(撮影:古溪一道)

福岡晃子(撮影:古溪一道)[拡大]

最初のMCでは2人がGLAYとの対バンを叶えた喜びを興奮気味に語り合う。橋本は「起きてるのに夢みたい。ぼんやりしてて嘘みたい(笑)」と話し、福岡は「(GLAYとの対バンは)無理やん、普通。でも出てくれたんですよ! デビュー10周年のプレゼントとして出てくれたんだと思うので、がんばります」と気合いを見せた。そして男陣を従えて「いたちごっこ」「東京ハチミツオーケストラ」を披露する。ここから乙女団も加わり、「私が証」へ。不穏な空気を漂わせる迫力の演奏が終わると、橋本と福岡がツアーグッズのキャップをかぶり「ぜんぶカン」に入る。2人の個性がにじみ出たラップにオーディエンスは大喜び。フリップを使ってのフロアとのコール&レスポンスも成功し、会場の一体感はさらに高まっていった。

謎の女性アイドル“橋本聖子”。(撮影:古溪一道)

謎の女性アイドル“橋本聖子”。(撮影:古溪一道)[拡大]

続いて乙女団との女性4人のみで披露されたのは「最後の果実」。ここでは橋本がステージ袖にはけ、代わりにワンピース姿の謎の女性アイドル“橋本聖子”が登場して歌う。サイドステップを踏みながら可憐に歌う姿に、観客は思わず笑顔に。曲が終わり、福岡が「全国全部ついて来ましたね、あの人(笑)。でも今日でしばらく観られないんですよね」と語ると、入れ替わりでステージに戻ってきた橋本は「でも舞台裏で『武道館でもやる』って言われました(笑)」と返し、フロアを沸かせていた。

そしてライブ本編はいよいよ終盤へ。「ときめき」「隣の女」では、女性4人のみで強力なアンサンブルを聴かせ、観客をさらに盛り上げていく。福岡のベースイントロで大歓声が沸き起こった「Last Love Letter」で熱狂に包まれたあとは、ラストナンバー「例えば、」へ。6人それぞれが心を込めた音を丁寧に鳴らし、本編を締めくくった。

チャットモンチー(撮影:古溪一道)

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アンコールでは福岡が「一緒のとこ観たいやろ?(笑)」と観客を煽り、橋本とともにスペシャルゲストとしてTERUを呼び込んだ。2人が「私たちの曲やってくれてうれしかったです」と喜びを伝えると、TERUは「俺たちも憧れの対バンだったので」と返し、2人を大興奮させる。そんな中、福岡は「私たちもGLAYさんの曲をカバーさせてもらいます……でもご本人がいらっしゃるからカバーじゃない!(笑)」と曲紹介し、GLAYの「グロリアス」を7人で披露した。橋本とTERUのボーカルが響き合うレアな空間に、オーディエンスはこの日一番の盛り上がりを見せていた。

曲が終わり、TERUがステージを去ると2人は「……10年やったらいろいろあるなあ……」と呆然とした様子。気を取り直して来年2月の地元・徳島でのフェス開催を発表すると、フロアからは喜びの声と拍手が起こった。そして橋本は「『求愛ツアー』は3年前からやっているんですけど、サポートメンバーを迎えてやるのは今回が初めてで。それぞれ活躍してるメンバーだし、その段階からすでに『求愛』だなと感じました」、福岡は「『10年やから』って、お祝いとして出てくれた人たちをチャットのお客さんにも観てほしかった」と、今回のツアーに対する思いを明かした。

「10年で一番大きな出来事が2人になったことで、そのときに作った曲をやります。この曲が皆さんと一緒に何年も生き続けてくれたら」という福岡の言葉に続き、最後に披露されたナンバーは「ドライブ」。6人の笑顔での演奏によってツアーの幕が閉じられた。

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「チャットモンチーの求愛ツアー▽2015」
2015年7月1日 Zepp Tokyo セットリスト

GLAY

01. 口唇
02. ROCK'N'ROLL SWINDLE
03. 誘惑
04. SOUL LOVE
05. HOWEVER
06. 真夜中遊園地
07. 百花繚乱
08. 微熱(A)girlサマー
09. 彼女の“Modern…”
10. SHUTTER SPEEDSのテーマ
11. HEROES

チャットモンチー

01. 変身
02. きみがその気なら
03. シャングリラ
04. こころとあたま
05. いたちごっこ
06. 東京ハチミツオーケストラ
07. 私が証
08. ぜんぶカン
09. 最後の果実
10. ときめき
11. 隣の女
12. Last Love Letter
13. 例えば、
<アンコール>
14. グロリアス
15. ドライブ

※本文およびセットリスト中の「▽」は白抜きハート。また「(A)」は丸囲みが正式表記。

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