「RIJF2014」初の4日間開催で24万人が集結
2014年8月12日 15:38
28 音楽ナタリー編集部
ロッキング・オン・ジャパン企画制作による野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」が終了。茨城・国営ひたち海浜公園にて開催され、8月2、3、9、10日の計4日間で約24万人を動員した。
台風11号の接近に伴い、8月2、3日とは打って変わってやや不安定な気候の中での実施となった後半戦。断続的に雨が降ったため気温が低下して肌寒くなる場面もあったが、各ステージではそれをものともしない熱演が展開された。
■3日目:8月9日
「RO69JACK 2014」の優勝アーティストがフレッシュなライブで存在感をアピールする中、その他のステージではファンキー加藤、The Mirraz、B-DASHと各所で毛色の異なる面々が1発目のアクトを飾る。ソロとしては初めてGRASS STAGEを踏むファンキー加藤は、FUNKY MONKEY BABYSの曲も織り交ぜながら熱のこもった歌声をオーディエンスに届けた。日が高くなる時間帯にテスラは泣かない。、キュウソネコカミ、QOOLANDといった勢いのある若手バンドが熱演を繰り広げる中、木々に囲まれたSOUND OF FORESTにはスタジオジブリの最新作「思い出のマーニー」で主題歌を歌うプリシラ・アーンが登場。アコギを爪弾きながら映画主題歌「Fine On The Outside」からくるり「ばらの花」や荒井由実「ひこうき雲」などのカバーまでを歌い、穏やかな時間を提供した。
GRASS STAGEのくるりは「loveless」「Liberty&Gravity」という新曲を盛り込んだ充実のセットリストを用意。バンドメンバーに奥野真哉(Key / ソウル・フラワー・ユニオン)、福田洋子(Dr)、山本幹宗(G)、ゴンドウトモヒコ(Euphonium / anonymass、pupa)を迎えた7人体制で、豊かなアンサンブルを奏でた。LAKE STAGEのグッドモーニングアメリカのステージでは、白鳥のかぶりもの付きのレオタードをまとったたなしん(B, Cho)がチャイコフスキー「白鳥の湖」に乗せて登場する。ライブ中には10月に2ndフルアルバムの発売が決定したことも告げられ、歓喜の声が沸き起こっていた。
橋本絵莉子(Vo, G)の出産後初ステージとなったチャットモンチーは、恒岡章(Dr / Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)と下村亮介(Key, G / the chef cooks me)をサポートに迎えた新編成でGRASS STAGEに立った。MCでは「『ROCK IN JAPAN』は2年ぶりで、その間にちょっといろいろあって」と語る橋本に向けてフィールドから「おめでとう!」という祝いの言葉が飛び交う。彼女は「隠してたわけじゃないんだ、言ってなかっただけで(笑)。その間にチャットモンチーは4人になりました」と恒岡、下村を紹介。そしてこの4人で作ったという新曲「いたちごっこ」「こころとあたま」を披露してファンを喜ばせた。そんな和やかな空気をヒートアップさせたのは、この日の2日前に出演が発表された矢沢永吉。全身白のスタイルでエネルギッシュなライブを見せつけた。
夕暮れ時にはPARK STAGEでゲスの極み乙女。があふれんばかりのオーディエンスを前にダンスチューンを連発し、BUZZ STAGEでヒトリエがエモーショナルなパフォーマンスで鮮烈な印象を刻みつける。そしてGRASS STAGEのトリを担うASIAN KUNG-FU GENERATIONは、貫禄を感じさせるステージでフィールド中を熱狂の渦に巻き込んでいく。アンコールではNUMBER GIRL「透明少女」のカバーを披露したのち、後藤正文(Vo, G)が「ありがとう。本当に幸せなことだと思うよ、こんなに人が集まって音楽ができるなんて」と感慨深く語った。
■4日目:8月10日
GRASS STAGEのトップバッターとして登場したmiwaは「ミラクル」で清々しくライブをスタート。2010年にSEASIDE STAGEに出演して以来、WING TENT、SOUND OF FOREST、LAKE STAGEと年々出演するステージの規模が拡大し、5年目にしてGRASS STAGEへの登場となった。彼女はMCで「ようやくこのGRASS STAGEにたどり着きました。すごく感激しています!」と喜びを口にする。そして「chAngE」「君に出会えたから」などアップチューンを軽やかに演奏し、イベントの始まりを告げた。
パスピエ、Northern19、遠藤孝行(FREAK AFFAIR)、プププランド、RebellioNが各ステージの幕を開けると、その後も不安定な天候に負けじと熱いパフォーマンスが続く。SOUND OF FORESTにて「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」初出場となった前田敦子は「夏フェス初参加だから盛り上がり方がわからない……」と不安をのぞかせつつも、藤井一彦(G / THE GROOVERS)、ウエノコウジ(B / the HIATUS)、白根賢一(Dr / GREAT3)、高野勲(Key)、廣野有紀(Cho)という手練のサポートメンバーとともに熱のこもったアクトを披露した。またお昼過ぎのBUZZ STAGEには女性アイドルが立て続けに登場。仮面女子、Cheeky Parade、lyrical school、武藤彩未、Negicco、ひめキュンフルーツ缶の計6組がそれぞれ個性的なパフォーマンスを見せつけ、ファンを熱狂させた。ピンクのナース服を着てBUZZ STAGEに登場にした大森靖子は登場するや否やアコースティックギターを叩き壊す。「日本のロックを壊しに来ました。なんのために壊すかおわかり?」とフロアを煽り、攻撃的なパフォーマンスを展開した。
GRASS STAGEにはエレファントカシマシ、10-FEET、9mm Parabellum Bullet、the HIATUS、ユニコーンという常連組が登場。10-FEETは映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let It Go~ありのままで~」からライブを始め会場を沸かせ、the HIATUSの細美武士(Vo, G)は突然強く降り始めた雨を前にはしゃぐ姿を見せた。
日が暮れ始め、BIGMAMA、在日ファンク、アルカラ、真空ホロウ、遠藤孝行が各ステージを締めくくる中、GRASS STAGEにはリスやウサギのマスクを被ったキャストが居並び、独特の世界観が漂う。彼らが立ち去るとSEKAI NO OWARIのメンバーが登場。4人は「炎と森のカーニバル」できらびやかにGRASS STAGE最後のアクトをスタートさせた。雪のような乳白色のシャボン玉が舞った「スノーマジックファンタジー」、レーザーの演出が施された「Death Disco」など、さまざまな趣向を凝らしたステージでファンを楽しませる。そして本編ラストには「RPG」で会場に盛大な合唱を響かせた。アンコールで再び舞台に姿を現したFukase(Vo, G)は「この時間をやらせていただいて光栄です」と感謝の言葉を告げ、バンドは「インスタントラジオ」をプレイ。最後には4人がオフマイクで「ありがとうございました」と告げ、4日間にわたって行われた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」を締めくくった。
※記事初出時、一部アーティスト名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
SEKAI NO OWARI OFC @SekaiNoOwariOFC
皆さん、ありがとうございました!次は、サマーソニック!
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