凛として時雨TK、ソロを追求し尽くした弾き語りツアー

TK from 凛として時雨が3月13日に東京・浜離宮朝日ホール 音楽ホールにて、弾き語りツアー「TK Acoustic & Electric TOUR 2014 "Killing you softly"」の最終公演を行った。

東名阪で開催された今回のツアーでTKは、ギターやキーボードによる弾き語りライブを展開。凛として時雨ともバンド編成でのソロライブとも異なるパフォーマンスで、自身のディープな世界にオーディエンスを誘った。

場内が暗転し、静謐な空気が漂う中でTKがステージに登場。彼はキーボードの前に座ると新曲「罪の宝石」でライブの幕開けを告げた。短い曲が終わり、彼が消え入りそうな声で「ありがとうございます」と感謝を伝えると厳かな拍手が送られる。続いてアコースティックギターを抱えた彼は、凛として時雨の初期曲「テレキャスターの真実」と「鮮やかな殺人」を続けてセルフカバー。先ほどとは打って変わって鋭さをはらんだ歌声が響き、ほんのりと緊張感が場内に漂う。

オーディエンスが一挙一動を見守る中、TKは3曲目が終わったところで思い出したように「あ、TKです……」と自己紹介。軽やかにギターをカッティングしながら「abnormalize」を披露し、続く「CRAZY感情STYLE」ではギターを爪弾きながら歌詞を噛み締めるように歌い上げた。また「fourth」ではポエトリーリーディングのようなパフォーマンスを交えつつ、柔らかな空気を生み出した。

大古晴菜（Key）を迎えてのブロックでは初恋の嵐「涙の旅路」のカバーや、タイプの異なる新曲2曲がパフォーマンスされ、新たなTKサウンドが観客を惹き付けていく。TKの歌とエレキギター、大古のキーボードで披露された「white silence」は、曲が佳境に差し掛かると2人のアンサンブルがアグレッシブに展開し、曲が終わってからも激しい余韻がホールを支配した。TKが狂気をにじませたシャウトを繰り返した「Re:automation」を経て、本編の最後を飾ったのは大古とのキーボード2台による「illusion is mine」。浮遊感のあるサウンドに乗せて、TKの歌声がホールを満たしていく。TKが「ありがとうございました」とささやくように本編の終わりを伝えると、ため息のような歓声とともに大きな拍手が沸き起こった。

オーディエンスが息を飲む中で始まったアンコールは、「楽しめてますか？」というTKの質問で空気が少し和らぐ。そして彼は大古とのセッションで、3年前に作ったというインストゥルメンタルナンバー「am326」を披露した。ラストに届けられたのはアコギ1本による弾き語りでの「Sergio Echigo」。彼はギターをかき鳴らし、感情を爆発させるように声を張り上げ、激しい一面をあらわにする。曲を最後まで歌い切るとTKは「ありがとうございました」と述べ、足早にステージを降りていった。

1人の世界を追求した濃密な1時間半で、満員のオーディエンスを酔わせたTK。6月からはバンド編成でのホールツアーを控えており、また違ったライブで観客を楽しませてくれそうだ。

TK from 凛として時雨「TK Acoustic & Electric TOUR 2014 "Killing you softly"」
2013年3月13日 東京都 浜離宮朝日ホール 音楽ホール公演セットリスト

01. 罪の宝石
02. テレキャスターの真実
03. 鮮やかな殺人
04. abnormalize
05. CRAZY感情STYLE
06. fourth
07. 新曲
08. 涙の旅路
09. seacret cm
10. 新曲
11. white silence
12. 12th laser
13. Re:automation
14. illusion is mine
＜アンコール＞
15. am326
16. Sergio Echigo