「VS.シリーズ」の集大成
「戦うように一緒に音楽を作っていく。」というコンセプトを掲げ、2022年にスタートさせた「VS.シリーズ(ヴァーサス・シリーズ)」の第1弾から第5弾までをまとめたオリジナルアルバム「[SKA]SHOWDOWN」を3月18日にリリースしたスカパラ。今回のライブ「[SKA] SHOWDOWN」は、その「VS.シリーズ」の集大成となるライブだ。これまでに同シリーズにゲスト参加した
開演時刻を迎えると、メンバーコールとオーディエンスの歓声に誘われたスカパラメンバーが順に“バトルフィールド”へと姿を現す。そして9人は「JUMON」でエネルギッシュに火蓋を切った。「[SKA] SHOWDOWN!」と加藤隆志(G)がタイトルコールし、彼らは「スキャラバン」「DOWN BEAT STOMP」と、鉄板のアッパーチューンを投下。軽やかに熱いスカビートで聴衆にモンキーダンスを踊らせ、幕開け早々に東京ガーデンシアターをダンスフロアに変えてみせる。3曲を終えたところで、谷中敦(Baritone Sax)は「超スペシャルだからね!」と“VS.アーティスト”が一堂に会すこの機会を喜び「我々も緊張しながら勝ちに行きます! “VS.”だから、お客さんとも戦うからね。戦うように楽しんでくれよ!」と宣言した。
LEO「音楽、万歳!」
続く「Glorious」では、そんな“挑戦状”を受け取ったオーディエンスがリズミカルなタオル回しで旋風を起こして9人に応戦。そして「TOKYO SKA Collection [SKA] SHOWDOWN SPECIAL」と題されたメドレーコーナーでは、ホーンセクションとギター、ベースが刺激的な音の応酬を繰り広げる「HAMMERHEAD」、ソリッドなギターと艶やかなトランペットが疾走する「ルパン三世のテーマ’78」など、“一撃必殺”の楽曲群が惜しみなく届けられた。「まさに、今日のような日にぴったりの曲!」という川上つよし(B)の言葉とともに初披露された、アルバム「[SKA] SHOWDOWN」の収録曲「Once In A Lifetime」がさわやかな風を運んだひとときを経て、ライブはいよいよ“VS.アーティスト”とのパフォーマンスタイムへ。その1組目としてALIがコールされると、LEOはゲストの
包容力を感じさせる艶やかな歌声で魅了したLEO(ALI)は「スカパラの準工作員、LEOです!」とチャーミングに自己紹介。スカパラメンバーを敬愛する彼は「スカパラって、ハンパなくプロなんですよ。コラボをするたび、俺は温泉に来たような気持ちになって。日本屈指の温泉やなって……」と独自の表現で賛辞を贈ってスカパラメンバーを沸かせる。そんなにぎやかなMCを経て、2組のコラボナンバーである「サボタージュ」へ。GAMO(Tenor Sax)のサックスに北原雅彦(Tb)のトロンボーン。四方八方から飛び交う熱の塊のような音の1つひとつを真正面から受け止め、そのエネルギーを伸びやかな歌声に昇華してみせたLEOは最後に「音楽、万歳!」と叫び、ゲストのトップバッターを務め上げた。
Chevon「我々だからこそやれることがある」
「俺に対して空が“VS.”を仕掛けてる……」。そうつぶやいたスカパラの晴れ男・茂木欣一(Dr)の、雨雲を吹き飛ばすかのようにさわやかなボーカルが響き渡った「一日花」を経て、「SKA ME CRAZY」ではNARGO(Tp)や北原が炸裂させた遊び心がオーディエンスの笑顔を誘う。そののち、2組目のゲストとしてステージにはChevonが登場。スカパラとChevonは1曲目にChevonの「ダンス・デカダンス」を選び、ハイエナジーに駆け抜ける谷絹茉優(Vo)のボーカルと余裕たっぷりにソロを回すスカパラホーンズの緩急に満ちたパフォーマンスで聴衆を楽しませた。曲を終えると谷絹は「(この場で)すんごい、一番若手なの。(バンドを)令和に始めてるの。でも、そんな我々だからこそやれることがあるんじゃないかって」と思いを語り、客席へ向け「皆さんとも“VS.”するつもりで来たので、戦ってるところを見せたいと思います」と“宣戦布告”。沖祐市(Key)が奏でる流麗な音色と谷絹のハイトーンが重なり始まったコラボ曲「私たちのカノン」ではChevonのKtjm(G)、オオノタツヤ(B)とスカパラメンバーがお互いの音を確かめ合うようにプレイしながら谷絹の背中を押す。11人の音を受け止めた谷絹は突き抜けるように晴れやかなボーカルで、ポジティブな思いを歌い上げた。
Chevonがステージを去るとライブは折り返し。譜面台がセッティングされたステージでスカパラの9人は「JUNK or GEM」を奏で、続く「リボルバー・イレブン」ではアンダーグラウンドなムードで会場を包み込む。お立ち台に上がった川上の職人技光るベースプレイから始まった「トーキョー・デッド・ヒート」では、超絶技巧を見せた沖のキーボードに雷音を轟かせるような茂木のドラムと、メンバーそれぞれがスキルフルなプレイでオーディエンスを圧倒。この日のライブテーマにもふさわしい“デッドヒート”で客席を熱くさせた。
“スカパラとは真逆の世界”交わるTKコラボ
インストバージョンで届けられた「紋白蝶 -8 a.m. SKA-」を経て、3組目のゲストとしてステージに現れたのはTK(凛として時雨)。静かな佇まいをまとった彼は「unravel」で口火を切り、ピンと張り詰めたムードの中で激情を放つ。TKとスカパラによる迫力のアンサンブルは会場の空気をダイナミックに震わせ、瞬く間にオーディエンスを圧倒した。曲を終えると、谷中はTKの音楽について「ストイックに美しいものを作っていく世界は、スカパラとは真逆の世界というか」と表現。また、加藤は「僕も“TK”ですから」と言ってTKを笑わせ「TK対TK、生で合わせるのは初ですからね!」と観客の期待感を煽る。そんな2組が続けて届けたのは“エントロピー増大”というテーマのもと制作された「クローズド・アーカイヴ」。ノイジーで鋭いギターが唸りを上げる中、2組は音の洪水のように聴く者を飲み込んでいく壮大なアンサンブルを東京ガーデンシアターに轟かせた。
アイナ「戦国武将みたいな先輩と」
スカパラによる「White Light」がプレイされたのち、「唸るぜ」のワンフレーズで観客のテンションを引き上げたのは4組目のゲストであるアイナ・ジ・エンド。スマッシュヒットを記録した「革命道中 - On The Way」で名乗りを上げた彼女は、キュートなスマイルと強かなほほえみを自在に行き来しながら、スカパラの9人の真ん中で艶やかな存在感を放つ。MCでは谷中の口から「なんだかんだで付き合いも長くなりました」と、アイナとのBiSH時代からの縁が語られ、アイナは「百戦錬磨の戦国武将みたいな先輩と今こうやってご一緒できることがすごくうれしかったです」とコラボの喜びを口にした。そんな両者のコラボナンバー「崖っぷちルビー」ではスカパラホーンズに囲まれながら、無二の歌声で“運命を諦めない”生き様を力強く叫んだアイナ。その凛とした佇まいと芯の通ったボーカルで、谷中とともに書き上げたメッセージをしっかりと聴衆の心に届けた。
稲葉浩志と作り上げた“最高の時間”
個性と個性がぶつかり合う熱戦が次々に展開した「[SKA] SHOWDOWN」のクライマックス。キーボードの調べに乗せてこの日の最後のゲスト・稲葉浩志が姿を見せると、会場中からの大歓声がステージに降り注いだ。ざわめきの中、階段を降りた稲葉がステージセンターに立つと、スカパラはコラボ曲の1つ「タイムカプセル」を奏で出す。稲葉は9人の演奏にゆったりと身を委ねながらその歌声で情緒豊かに物語を紡ぎ、自在に響かせるシャウトでも会場を熱くさせた。
曲を終えるなり、谷中は「涙出た!」と万感の表情。「ホントにすごい。すごいね!」と続けると、稲葉は「この人数にもすっかり慣れてしまいました」と笑って9人とスカパラファンを喜ばせる。1曲目からスカパラのパフォーマンスを見守っていたという稲葉は「1曲目から最後の曲みたいな。スカパラのこのパワーに付いて来られる方、リスペクトです!」とオーディエンスを讃え、この言葉に会場は大盛り上がりとなった。砕けたムードの中で2つ目のコラボ曲「Action」へと展開すると、稲葉のハイエナジーなシャウトに会場は瞬時に沸騰。稲葉とスカパラ、両者のパッションがほとばしる熱いセッションは聴衆の興奮状態を最高潮まで引き上げる。そのカリスマ性で空気を掌握した稲葉は自由でエッジィなロックボーカルを響かせオーディエンスを魅了。圧倒的な存在感を示した彼は最後に「最高の時間、ありがとうございました!」と叫んでさっそうとステージをあとにした。
NARGOが誓う「37年目も突っ走っていきます!」
「すっかり“焼け野原”状態だけど(笑)、こんなもんじゃ終わらないぜ!」。GAMOの言葉がファンを沸かせた「Paradise Has No Border」で本編が締めくくられるも会場の熱気は収まらず、ライブはアンコールへ。ステージに舞い戻ったスカパラの9人はそれぞれに思いを叫び、大森はじめ(Per)は「最高の夜を本当にありがとう!」と感謝し、NARGOは「37年目も突っ走っていきます!」と宣言した。「¡Dale Dale! ~ダレ・ダレ!~」のシンガロングが会場をふたたび一つにしたのち、ステージ上では記念撮影が行われ、この日の出演者が集結。お互いの熱いパフォーマンスを讃え合う中で、稲葉は「オーディエンスのエネルギーが素晴らしいです。この空気の中にいさせていただいて、ありがとうございます」と言葉を紡いだ。ゲストアーティストを送り出し、谷中は「楽しかったですね」と改めてひと言。そして、熱い戦いを締めくくるラストナンバーとして、スカパラは初披露の新曲「Showdown」をファンに贈る。「戦うように楽しんでくれ」。谷中がライブで欠かさず訴え続けてきた大切なメッセージを歌詞に取り入れたこの曲でそれぞれの健闘を称えた9人の表情は充実感いっぱいに輝き、晴れやかなムードの中で「[SKA] SHOWDOWN」の幕は閉じられた。
なお、この日のライブの模様は、6月中旬にHuluで見放題独占放送、配信されることが決定している。放送内容の詳細はHuluのオフィシャルサイトで確認を。
セットリスト
「[SKA] SHOWDOWN」2026年3月31日 東京ガーデンシアター
01. JUMON
02. スキャラバン
03. DOWN BEAT STOMP
04. Glorious
05. HAMMERHEAD
06. ルパン三世のテーマ’78
07. 天空橋
08. Once In A Lifetime
09. LOST IN PARADISE w / ALI, AKLO
10. サボタージュ w / ALI
11. 一日花
12. SKA ME CRAZY
13. ダンス・デカダンス w / Chevon
14. 私たちのカノン w / Chevon
15. JUNK or GEM
16. リボルバー・イレブン
17. トーキョー・デッド・ヒート
18. 紋白蝶 -8 a.m. SKA-
19. unravel w / TK(凛として時雨)
20. クローズド・アーカイヴ w / TK(凛として時雨)
21. White Light
22. 革命道中 - On The Way w / アイナ・ジ・エンド
23. 崖っぷちルビー w / アイナ・ジ・エンド
24. タイムカプセル w / 稲葉浩志
25. Action w / 稲葉浩志
26. Paradise Has No Border
<アンコール>
27. ¡Dale Dale! ~ダレ・ダレ!~
28. Showdown
リンク
もり🍄🐈もり @matangoneko
【ライブレポート】スカパラが稲葉浩志ら“VS.アーティスト”と作り上げた「最高の時間」!有明で「[SKA] SHOWDOWN」集大成(写真31枚) https://t.co/T5GB3EZYkI