横山剣&ピンキラ、40年ぶりの再会で昭和にワープだ

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2月26日に恵比寿ガーデンホールにて、ライブイベント「Take the "A" Train」が開催。リリー・フランキー、クレイジーケンバンド、ピンキーとキラーズの3組が出演した。

「あのときの少年と一緒にコンサートをやるとはね~」と感慨深げに話したピンキーこと今陽子。CKBのヨコワケハンサムな世界にすんなりとけ込み、パンチのある歌声とツイストダンスで、会場内に奇妙にねじれたタイムトリップ空間を作り上げた(photo:堀清英)。

「あのときの少年と一緒にコンサートをやるとはね~」と感慨深げに話したピンキーこと今陽子。CKBのヨコワケハンサムな世界にすんなりとけ込み、パンチのある歌声とツイストダンスで、会場内に奇妙にねじれたタイムトリップ空間を作り上げた(photo:堀清英)。

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「大人になったらみんな怒ったり憤ったりせず、蕎麦作ったりジャム作ったりすると思ってたけど、実際はそんなことなかった」と現在の心境を語ったリリー・フランキー(photo:堀清英)。

「大人になったらみんな怒ったり憤ったりせず、蕎麦作ったりジャム作ったりすると思ってたけど、実際はそんなことなかった」と現在の心境を語ったリリー・フランキー(photo:堀清英)。

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ピンキーとキラーズ、オンステージ!(photo:堀清英)

ピンキーとキラーズ、オンステージ!(photo:堀清英)

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憧れのピンキラとの共演に沸き上がる喜びを、黒いサングラスの奥に隠した横山剣。後ろは銅鑼(photo:堀清英)。

憧れのピンキラとの共演に沸き上がる喜びを、黒いサングラスの奥に隠した横山剣。後ろは銅鑼(photo:堀清英)。

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当時と変わらぬ歌声で老若男女を魅了したピンキー(photo:堀清英)。

当時と変わらぬ歌声で老若男女を魅了したピンキー(photo:堀清英)。

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このイベントは、HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年を記念した対バン企画の第6弾。ピンキラがひさびさにライブを行うとあって、会場には年配のファンも多く見られた。

「ピンキラを意識した」という黒いハットをかぶって登場したトップバッターのリリー・フランキーは、現在45歳ながらこの日の出演者の中では最年少。「僕が一番年下のイベントってあまりないですよ(笑)」と苦笑いしながら、まずはTOKYO MOOD PUNKSのシングル曲「ジェイミー」をいつもとは違うアレンジで披露した。

間髪入れず演奏された「フジオ」では、TOKYO MOOD PUNKSでも行動を共にするドラマー松下敦(ZAZEN BOYS)のドラムが強烈に鳴り響く。「こいつのドラム、うるさいですよねえ」と年配の多い客席に気を使った様子を見せながらも、トークは基本的にいつもと変わらず下ネタとダークな身の上話のオンパレード。

なお、この日はサポートメンバーとしてバイオリンの佐藤帆乃佳(aluto)も参加していたが、これには「下ネタを話してても、高尚な話に聞こえるでしょう?」という意図があったとのこと。「話がまずい方向に流れたら、勝手に弾き始めていいから」という約束に、客席からは大きな笑いが起こった。が、このあと実際にバイオリンを弾かざるを得ない状況が、短い出演時間の中で2度も訪れることになる。

「昭和歌謡をテーマにしたイベントということで、何か昭和のヒット曲をカバーしようと思ったんですが……結局昭和の曲ならなんでもいいやと思って」と最後に披露されたのは、頭脳警察の「さよなら世界夫人よ」。リリーはアコースティックギターをかき鳴らしながら、昭和ロック史に残る問題作を熱唱した。

幕間のBGMは、昭和40年代に日本でも流行した海外のボサノヴァ、イージーリスニングなどが中心。セルジオ・メンデス&ブラジル'66の大ヒット曲「マシュケナダ」が流れるとふたたび客電が落ち、今度はステージ上から「マシュケナダ」のイントロが。「日本のセルメン」としてデビューした、ピンキーとキラーズの登場だ。

まずはボーカルのピンキーこと今陽子が、ソロで「マシュケナダ」を熱唱。年配のファンも思わず体をくねらせ、手拍子を合わせる。続いておなじみスーツ姿にダービーハットの4人がステージに現れ、ピンキーもここでお揃いのハットを装着。ピンキーとキラーズ、オリジナルメンバー5人が揃うと、ラテンアレンジでカバーされたTHE BEATLES「デイ・トリッパー」をノリノリで歌い上げた。

ピンキーが「30何年ぶりに、生きて(笑)集まることができました!」とユーモアたっぷりに挨拶すると、客席からは拍手喝采。会場にはデビュー当時からのファンが多く集まったが、この日の出演者、横山剣もその1人。横山は当時「日劇」のコンサートでステージに上がり、キャンディーで作られた首飾りをピンキーに渡したことがあるのだという。

続くヒットソングメドレーでは「七色のしあわせ」「かぜの季節」「土曜日はいちばん」「星空のロマンス」「青空にとび出せ!」を披露。4thシングル「涙の季節」を挟み、おまちかね「恋の季節」のイントロが流れ出すと、この日一番の歓声が巻き起こった。ジョージ浜野、エンディー山口、ルイス高野、パンチョ加賀美、そしてピンキー。当時と変わらぬ5人の姿に思わず涙ぐむファンが続出。最後はピンキラのヒット曲を数多く生み出した作曲家いずみたくの残した名曲「見上げてごらん夜の星を」を情感たっぷりに歌い上げ、ピンキラひさびさのステージは幕を閉じた。

トリを務めるクレイジーケンバンドのライブは、最新アルバム「ZERO」のタイトルナンバー「零」からスタートした。憧れのピンキラと同じステージに、同じアーティストとして立つことができた横山剣は冒頭からエンジン全開。愛犬との別離を歌った名曲「コロ」では、いつも以上にコブシの入った歌声を響かせた。

続いてピンキラの「マシュケナダ」に呼応するように、ブラジル音楽の名曲からマルコス・ヴァーリ「ブラジルの神」をカバー。そして本邦初披露となる新曲「山の音」では、ファンキーなサウンドに拍子木を取り入れた斬新なアレンジでCKBの新境地を見せた。なお、この新曲「山の音」は4月よりスタートするテレビ東京系ドラマ「湯けむりスナイパー」のオープニングテーマに起用される。

後半戦、人気のナンバー「香港グランプリ」のイントロが流れると、それまで座っていたCKBファンが思わず立ち上がり、横山剣と同じポーズを決める。とまどっていた年配のピンキラファンも、どこか懐かしいメロディと勢い溢れるサウンドに乗せられ次第に盛り上がり、若者たちと一緒に体をくゆらせた。ラストは切ないナンバー「横顔」で締めくくり、ライブ本編は終了。

アンコールに応え、クレイジーケンバンドがふたたび登場すると、ギタリスト小野瀬雅生とお揃いのギター、ギブソン・ファイヤーバードを抱えたリリー・フランキーが合流。ヒット曲「タイガー&ドラゴン」を共に演奏した。さらにオーラスは今陽子をボーカルに迎え、CKB結成当時からのレパートリー「葉山ツイスト」のスペシャルコラボバージョンを披露。時代・世代を超えたコラボに客席からは大きな拍手が巻き起こった。横山は「結成から12年、この曲で何度も『昭和にワープだ』と歌ってきましたけど、このことだったんですね。音楽やってて良かったです」と感慨もひとしお。そして最後にCKBのみで壮大なソウルナンバー「生きる」を演奏し、約3時間半に及ぶ夢のステージは幕を閉じた。

Hot Stuff 30th Anniversary「Take the "A" Train」セットリスト

■リリー・フランキー
01. ジェイミー
02. フジオ
03. バラ
04. さようなら世界夫人よ

■ピンキーとキラーズ
01. マシュケナダ(今陽子ソロ)
02. デイトリッパー
03. ピンキラヒットメドレー 七色のしあわせ~かぜの季節~土曜日はいちばん~星空のロマンス~青空にとび出せ!
04. 涙の季節
05. 恋の季節
06. 見上げてごらん夜の星を

■クレイジーケンバンド
01. 零
02. 愛の世界
03. コロ
04. ブラジルの神
05. 山の音
06. デトロイト音頭
07. California Roll
08. Bat Man~香港グランプリ
09. 横顔

<アンコール>
01. タイガー&ドラゴン / クレイジーケンバンド with リリー・フランキー
02. 葉山ツイスト / クレイジーケンバンド with 今陽子
03. 生きる / クレイジーケンバンド

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