tacica“博物館”ツアー、渋谷で壮大ファイナル

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昨日12月17日、tacicaの東名阪クアトロワンマンツアー「“三大博物館 新館特別展”~ワンマンの夜明け~」のツアーファイナルが渋谷クラブクアトロにて行われた。

アンコール終盤、猪狩はファンへの挨拶を「泣きそうになるからもう曲やろう」と言って打ち切り、感謝の想いを最後の曲「アースコード」に込めた(撮影:鈴木万祐子)。

アンコール終盤、猪狩はファンへの挨拶を「泣きそうになるからもう曲やろう」と言って打ち切り、感謝の想いを最後の曲「アースコード」に込めた(撮影:鈴木万祐子)。

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このツアーは3会場ともチケットがソールドアウト。最終日の渋谷には750人のファンが訪れ、場内には開演前から真冬とは思えない熱気が充満した。

ステージ上にメンバー3人が登場すると、フロアからは大きな歓声と拍手が沸く。しかし3人はいつもどおり、あくまでも淡々と準備を行い、坂井俊彦(Dr)のソロから始まる「コオロギ」でライブの幕を開けた。続いて「クローバー」「人間1/2」と疾走感あふれるナンバーを立て続けに披露し、場内の気温を徐々に高めていく。

前方に密集したファンを心配して、猪狩翔一(Vo,G)は「具合悪かったら言ってね?」と声をかける。が、その後も大人気のナンバー「黄色いカラス」、坂井と小西悠太(B)による強力なグルーヴが響き渡る「ゼンマイ」とパワフルなステージを展開し続け、クアトロの室温はとても下がりそうにはない。

「最近ライブが減っていて……今回は久しぶりのライブで、しかもワンマンだから緊張すると思ったんだけど、すごい楽しいです」と、朴訥な口調で猪狩が語る。そんな彼らは中盤で、1月14日リリースのシングル「人鳥哀歌e.p.」に収録される3曲の新曲を一挙に披露。すでにライブでも人気を博している爽やかなロックチューン「人鳥哀歌」や変則的なドラムパターンで聞かせる「蜜蜂の毛布」、シンプルで温かいスローナンバー「オニヤンマ」と、前作「parallel park」からさらなる成長を遂げた、新たなtacicaサウンドをファンに提示した。

前方のファンは彼らの演奏と歌声に熱狂し、拳をあげてモッシュを繰り返すが、後方のファンは畳み掛けられる音をかみ締めるようにじっと聴き入る。それぞれのスタイルで楽曲を堪能しながら、ライブは終盤戦へ。フロアから「頑張れー!」という声援が飛んでしまうほどハラハラさせる、坂井によるたどたどしい物販紹介の後、ラストを飾る3曲が披露される。

最後は「オオカミと月と深い霧」「ウソツキズナミダ」「HERO」を演奏。汗びっしょりになって歌い上げる猪狩、ステージ狭しと動き回りつつ太いベースラインを奏で続ける小西、着実にリズムを刻む坂井の3人。最後まで淡々と、だが全力の想いを込めた演奏を繰り広げた。

アンコールでは猪狩が「この『三大博物館』は毎年やりたいです。そのうち本当の博物館でやれたらいいなと思ってるので、その日までついてきてください」と夢を語り、フロアからは大きな歓声が沸いた。鳴り止まない拍手に応えて彼らが演奏したのは、複雑な変拍子が印象的な新曲「タイル」と、博物館というタイトルにふさわしい壮大なナンバー「アースコード」の2曲だった。

最初から最後まで、コール&レスポンスも手拍子も煽ることもなく、ただひたすらその歌と演奏のみに全力を注ぐtacicaのライブ。この日もステージ上は落ち着きを保ったまま終了したが、彼らの情熱は何の演出にも頼ることなく、その音のみを通じてオーディエンスにまっすぐに届いていた。

tacica“三大博物館 新館特別展”~ワンマンの夜明け~」
2008年12月18日 渋谷クラブクアトロ セットリスト

01.コオロギ
02.クローバー
03.人間1/2
04.黄色いカラス
05.ゼンマイ
06.バク
07.Silent Frog
08.サカナヒコウ
09.人鳥哀歌
10.蜜蜂の毛布
11.オニヤンマ
12.オオカミと月と深い霧
13.ウソツキズナミダ
14.HERO

en-01.タイル
en-02.アースコード

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