細野晴臣レコ発ツアー大団円、岸田繁&青葉市子もダンス

2

247

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 74 85
  • 77 シェア

細野晴臣が6月8日に東京・日比谷公会堂でソロアルバム「Heavenly Music」のリリースを記念したコンサートを行った。

細野晴臣「Heavenly Musicコンサート」の様子。

細野晴臣「Heavenly Musicコンサート」の様子。

大きなサイズで見る(全6件)

ダンスを披露する岸田繁(写真左)と細野晴臣(右)。

ダンスを披露する岸田繁(写真左)と細野晴臣(右)。

大きなサイズで見る(全6件)

コンサートには青葉市子も登場し歌やダンスを披露した。

コンサートには青葉市子も登場し歌やダンスを披露した。

大きなサイズで見る(全6件)

このコンサートは5月からスタートし長崎と京都を回った「Heavenly Music」リリースツアーの最終公演。当日は、昭和の雰囲気を色濃く残す日比谷公会堂で、往年のスタンダードナンバーを細野流にカバーした「Heavenly Music」の世界観を楽しめるとあり、会場には幅広い年齢層のファンが詰めかけた。

開演予定時刻の18:00を少し回ると伊賀航(B)、高田漣(G, Pedal Steal, Mandolin)、伊藤大地(Dr / SAKEROCK)がステージに登壇。そして細野が現れると、会場には待ってましたと言わんばかりの温かい拍手が響きわたった。

細野がステージ下手にセットされたグランドピアノの前に着席すると、アイヴァー・カトラー「I'm Going in A Field」のカバーからコンサートはスタート。バンドは丁寧なアンサンブルで静謐な空気を生み出していく。さらに各ミュージシャンのソロ回しが楽しいインストゥルメンタルナンバーを挟んで演奏されたのは、最近のライブでおなじみのYMO「Gradated Grey」のカバー。高田のリードギターがオリエンタルな雰囲気を醸し出すこの楽曲で、観客はサウンドに身を任せるようにゆったりと体を揺らしていた。「Gradated Grey」を終えると細野はステージ中央に移動。ギターを手に「暑い中、ようこそ」と挨拶したのち、「この時間帯はいつも眠いんですけど、今日はさっきエスプレッソを飲んだからバッチリです。でも心臓がバクバクするんで『救心』も飲んで……」と続けて観客を和ませた。

続いてブルージーなナンバー「My Bank Account is Gone」をプレイした後は、コシミハル(Piano, Accordion)をステージに招き入れ、細野の低域の効いたボーカルが原曲の新たな魅力を引き出すCARPENTERS「Close to You」のカバーや細野訳による美しい日本語詞と高田のマンドリンが郷愁を誘う「The Song is Ended」など、「Heavenly Music」の収録曲を立て続けに演奏していく。「Something Stupid」では、ゲストとして青葉市子が登場。細野と青葉の声による美しいハーモニーで観客を魅了した。その後も細野は青葉とともに、ボサノバ風のギターと2人のボーカルの掛け合いがさわやかな「悲しみのラッキースター」、先月東京・日本武道館で行われた「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace」でも青葉&坂本龍一という編成で披露したという「日本の人」を演奏。丁寧な歌唱で楽曲の持つ美しいメロディを強く印象付けた。

青葉に続いてステージに現れたのは、リーゼント風のヘアスタイルでキメた岸田繁(くるり)。細野はコンサート前日に放送された「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」で岸田が投稿したネタが読まれていたことに触れ、「投稿するんだ……」とほくそ笑みながらいじるなど、和やかなトークで観客を楽しませた。その後細野は岸田とともにアルバムでもコラボしているTHE BAND「When I Paint My Masterpiece」のカバーを披露。マンドリンとアコーディオンが豊潤な音色を響かせる中、サビのフレーズを2人で伸びやかに歌い上げた。

しかし細野は「When I Paint My Masterpiece」の演奏を終えると、タバコを吸うジェスチャーを見せつつ、岸田をステージに残しバンドとともに去ってしまう。1人ステージに残された岸田は、「細野さんが作った曲をやります。間違ったらごめんなさい」と前置きし、アコギ片手にはっぴいえんどの名曲「風をあつめて」を弾き語り往年のファンを喜ばせた。さらに岸田は「はっぴいえんどが好きなんですけど……昔『はっぴいえんど』みたいだねって言われたことがあって、そのときレコードショップの洋楽コーナーで“H”の欄を探しました。その頃作った自分の曲をやります」と話し会場を笑わせながら、くるりの「グッドモーニング」を演奏。熱唱でオーディエンスを引き込み、温かい拍手を誘っていた。

再び細野とバンドがステージに姿を現すと、細野は「今回手伝ってくれるという方がいて。ありがたいので来ていただきました」と、林立夫をステージを招き入れる。思わぬスペシャルゲストの登場にファンは拍手で喜びを表現した。林は「ラムはお好き? part2」「Hong Kong Blues」「Body Snatchers」「Tutti Frutti」といった楽曲でカホンを演奏し、バンドのグルーヴに奥行きを与えていた。

本編の最後を飾ったのは、細野がノリノリのダンスを披露したビデオクリップも話題になったキラーチューン「The House of Blue Lights」。グルーヴィな演奏で観客を乗せに乗せると、間奏ではステージ袖から岸田と青葉がダンスを踊りながら登場する。そのダンスが演奏をさらに盛り立て、演奏中に伊賀や高田もダンスを披露。さらに細野もビデオクリップで見せたコミカルな振り付けを実演し、会場に一体感を生み出していった。

続くアンコールは、KRAFTWERK「Radio Activity」のカバーからスタート。メッセージ性の強いこの楽曲で場内を緊張感で包んだかと思えば、最後は初期の代表曲「Pom Pom 蒸気」を繰り出し会場を陽気な雰囲気に塗り替える。大盛り上がりの中演奏を終えると、出演者は全員で観客に一礼をし、この日のコンサートを締めくくった。

細野晴臣「Heavenly Musicコンサート」6月8日東京・日比谷公会堂セットリスト

01. I'm Going in A Field
02. untitled(improvisation by Duke Ellington)
03. Gradated Gray
04. My Bank Account is Gone
05. Close to You
06. The Song is Ended
07. Something Stupid
08. 悲しみのラッキースター
09. 日本の人
10. When I Paint My Masterpiece
11. 風をあつめて(岸田繁ソロ)
12. グッドモーニング(岸田繁ソロ)
13. ラムはお好き? part2
14. Hong Kong Blues
15. Body Snatchers
16. Tutti Frutti
17. The House of Blue Lights
<アンコール>
18. Radio Activity
19. Pom Pom 蒸気

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全6件)

読者の反応

  • 2

珈琲待夢☕️ @simoon_2022

2013年の日比谷公会堂の細野さん。懐かしいライブレビューまだ残ってた!
皆さん踊って楽しかった(´∀`*)
細野晴臣レコ発ツアー大団円、岸田繁&青葉市子もダンス https://t.co/xhvedl9hEW

コメントを読む(2件)

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 細野晴臣 / 高田漣 / SAKEROCK / コシミハル / くるり / 青葉市子 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。