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宮野真守「ジャンプしてみて」ジャケ写

宮野真守 ジャンプしてみて

気付いたら体が動き始めジャンプしたくなるファンクナンバー

文 / 西廣智一

この夏、個人的にいろんな場面で目に、耳にして、頭から離れなくなった楽曲がある。YouTubeを観ていると、突如流れてくるヤンキーによるコミカルなやりとり。TikTokではアーティストのアクションを真似るように、そのタイトル通り思い思いにジャンプするさまざまなショート動画を目にする機会が多かった。そして、8月10日開催の音楽フェス「LuckyFes'25」DAY2で目にした、初見のオーディエンスをも巻き込む圧巻のパフォーマンス。そのすべてが筆者の脳裏に強く焼き付き、気付けばこの曲を延々とリピートする結果につながった。

それが宮野真守の楽曲「ジャンプしてみて」だ。11月19日にリリースされる約3年ぶりのオリジナルアルバム「FACE」より、先行配信の第1弾としてリリースされたこの曲。ブラスを強調した、エンタテインメント性が強いソウルフルなファンクサウンドをベースに、どこか気になるストーリーめいたフレーズの数々が2分50秒という短い尺の中で矢継ぎ早に繰り出されていく。

駐車場裏で不良に絡まれる、「ポケットの中に入ってるだろ? なあ、ジャンプしてみろよ」というヤンキーマンガさながらのシチュエーションや、2番に登場する「パーマ屋」というワード。どこか昭和~平成初期を思わせる懐かしさが漂うが、そんなことはおかまいなしに「ちょっとそこのニーチャン」「ちょっとそこのネーチャン」と聴く者、観る者をこの独特な歌世界へとどんどん巻き込んでいき、気付いたら自然と体が動き始め、一緒に高くジャンプしている……そんな光景が容易に想像できる、シンプルでわかりやすいダンスチューンと言えるだろう。

そんな楽曲を、多彩な声色と巧みな歌唱力で表現してみせる宮野のボーカルも圧倒的で、これだけの実力があるからこそ誰からも親しまれるファンクナンバーとして浸透したのだろう。さまざまな場面で根っからのエンタテイナーぶりを遺憾なく発揮する宮野の姿がダイレクトに反映されたこの曲は、宮野真守というアーティストの新たなアンセムとして、今後も長きにわたり愛され続けるに違いない。

宮野真守「ジャンプしてみて」MUSIC VIDEO

宮野真守「ジャンプしてみて」
2025年10月24日(金)配信開始 / KING RECORDS
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作詞:森田和樹
作曲:森田和樹、EFFY
編曲:EFFY

宮野真守(ミヤノマモル)

宮野真守

2001年に海外ドラマ「私はケイトリン」の吹き替えで声優デビュー。以降、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」「キン肉マン 完璧超人始祖編」など数々の話題作で主演を務める。近年はアニメのみならず、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズや「トップガン マーヴェリック」など多くの実写作品で吹き替えも行っている。俳優としては劇団☆新感線の「髑髏城の七人」Season月《下弦の月》」や、ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」にも出演。近年では映画やテレビドラマへの出演も増えてきている。歌手としては2008年にシングル「Discovery」でキングレコードよりデビューを果たす。2009年から精力的に行っているライブではダンスを取り入れるなど、エンタテインメント性の高いパフォーマンスを展開。東京・日本武道館や埼玉・さいたまスーパーアリーナでの単独公演を次々に成功させてきた。