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majiko ロカ
まっすぐに愛を求める、爆発的な衝動
森朋之
2025年5月、majikoは中国・広州南沙で開催された88rising主催の大型フェス「Head In The Clouds 2025」に出演。欧米と同様、ヒップホップが隆盛を極める地のオーディエンスから強いリアクションがあったのは、打ち込みベースのアッパーチューンだった。その経験を踏まえ、“いかにライブで覚醒できるか”をテーマに制作されたのが新曲「ロカ」だ。
きらびやかな歪みを感じさせるシンセと「じゃあねじゃあね 過去 暗い部屋 怖いの」という言葉から始まる「ロカ」。曲が始まって25秒あたりで一気にテンションを上げ、爆発的な四つ打ちビートと鋭利なギターサウンド、自由にうねりまくるベースラインが絡み合いながら、リスナーの興奮をグイグイと誘いまくる。強烈なシャウトとデリケートな感情表現を行き来するボーカルはもちろん、差し色的に使われているラテンのフレイバーも印象的で、これは確かに“ライブで初めてこの曲を聴くオーディエンス”も一瞬で魅了するだろう。
歌詞のテーマはずばり、愛。「僕ら一番欲しいの そう、ラブ！」というラインに示されている通り、この曲の中でmajikoはどこまでもまっすぐに愛を求めまくっている。それはどう見ても愛が足りなすぎる現代に対するメッセージでもあるだろうし、どうしようもない虚無を抱えた彼女自身の切実な願いでもあるのだろう。最後のフレーズは「この衝動を誰が止められるというのだろうか」なのだが、ここまで率直なリリックはおそらくmajiko史上初めてではないだろうか。
「ロカ」を含むデジタルEP「GOLDEN JUNKIE」は全曲majiko自身の作詞、作編曲によるもの。ソングライター、クリエイターとしてもさらなる進化を遂げた彼女は、3年連続となる中国ワンマンツアーを敢行する。そこでどんな熱狂を生み出すか、ぜひ注視してほしいと思う。
majiko「ロカ」
majiko（マジコ）
2010年より「まじ娘（こ）」として動画共有サイトに「歌ってみた」音源を投稿、徐々にネットシーンから人気を集める。自身でも作詞、作曲、編曲、イラストを手がけ、楽曲提供など、マルチな才能を発揮し活躍の場を広げている。近年では中国ツアーや台湾などでワンマンライブを開催。さらにアジアストリーミング総再生数2億回超えと、その活躍は世界から注目され始めている。2025年10月に新作EP「GOLDEN JUNKIE」をリリース。同月に中国ツアーを行い、北京、広州、深圳、上海を回る。
