L'Arc-en-Cielがアメリカでライブを行うのは、2004年にメリーランド州ボルチモアで行われたアニメコンベンション以来2度目。今回会場に選ばれたMadison Square Gardenはスポーツアリーナとして使用されているだけでなく、過去にエルトン・ジョン、U2、ビヨンセなど世界的なアーティストがコンサートを行い名演を披露したことでも知られている老舗の会場で、日本人アーティストが単独公演を行うのは史上初となった。
なお、ツアーが発表された時点ではThe Theater at Madison Square Gardenでの開催が予定されていたが、チケットが想定以上の売り上げとなったことから会場をアリーナに変更。日本では映画館27館にてライブの同時生中継が行われ、計1万5000人のファンがリアルタイムでL'Arc-en-Cielの快挙を見届けた。
そして1万2000人が集結したライブでは、最新アルバム「BUTTERFLY」収録曲はもちろん、新旧のヒットナンバーをたっぷりと演奏する充実のセットリストが展開された。また「叙情詩」がツアー初披露され大きな会場をうっとりと酔わせたほか、全編英語詞による「CHASE」「X X X」も演奏され、アジア公演とはひと味異なるパフォーマンスが会場を圧倒。またhyde(Vo, G)はニューヨーク公演のために、現地で数多くのセレブリティのヘアメイクを担当するカレン・B・ビショップを起用し、気合を入れてこの日に臨んだ。
MCは全編英語で行われ、hydeは冒頭で「What's up New York! L'Arc-en-Ciel in Madison Square Garden!」と挨拶し、初の日本人バンドとして大舞台に立つ喜びを語ったほか、最高のショーを見せると誓った。またken(G)はこのツアーでは恒例となっている“ご当地MC”を披露。映画「ナイトミュージアム」の舞台としても知られるアメリカ自然史博物館を訪れたことを明かし、展示されていた裸のマネキンをたくさん観て写真をたっぷり撮影したと語り観客を爆笑させた。さらにyukihiro(Dr)に英語版のボードゲーム「MONOPOLY」をお土産として手渡し、「今夜メンバー4人でホテルで遊ぶんだ」とはにかんでいた。
インターバルの際には、激しい足踏みやL'Arc-en-Cielコールが、大歓声や拍手とあわせて発生。最後のMCでhydeは何度も「Thank you」を繰り返し、「ここにたどり着くまでに20年かかった。また会えるよね」と観客に再会を約束。客電がついたあとも響きわたる大喝采が、オーディエンスの感動と興奮を表していた。
ライブ終了後にhydeとtetsuya(B)は取材に応じ、それぞれ大舞台を終えた感想を吐露。hydeは「演奏中にトラブルもあったけど、信頼しているメンバーとスタッフだから乗り越えられた。アメリカのファンはクールだと思ってたけど、一緒に歌ってくれて感動した」と述べ、「今までのライブの中で一番覚悟が違った。日本の旗を持ってきてライブをした気分だった」と振り返った。一方tetsuyaは「ニューヨークでのライブは初めてなんで、いろいろ問題も多くて課題の残るライブだった」とストイックな一面を伺わせながらも、「もう一度Madison Square Gardenに挑戦したい」と力強くリベンジを誓った。
L'Arc-en-Cielはニューヨーク公演の熱狂を引き継いだまま、このあとロンドン、パリ、シンガポール、ジャカルタ、ソウルにて海外公演を実施。5月には神奈川・日産スタジアム、大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、東京・国立競技場にて凱旋公演を開催する。
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ぽんさく @Rabbipon
「20年かかった」L'Arc-en-Ciel初NY公演は熱狂と興奮の渦に https://t.co/zZYWKSJg46