KIRINJIツアー最終公演でRHYMESTERと熱演、あのサマーソングも

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KIRINJIが10月31日に東京・ステラボールで全国ツアー「KIRINJI TOUR 2016」の最終公演を実施した。

KIRINJIとRHYMESTERがコラボしたアンコールの様子。(撮影:立脇卓)

KIRINJIとRHYMESTERがコラボしたアンコールの様子。(撮影:立脇卓)

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このツアーは彼らが8月に最新アルバム「ネオ」を発売したことを記念して行われたもの。ステラボール公演は10月30、31日の2日間にわたり開催され、最終日にはアルバムのリード曲「The Great Journey」でKIRINJIとコラボしたRHYMESTERがゲストとして参加した。

サポートメンバーの矢野博康(Perc)を含む7人は、ステージに登場するとバラバラにクラップを開始。音がそろうと「fake it」へとなだれ込み、堀込高樹(G, Vo)が豊かな歌声で会場を包んでいく。2007年発表の「今日も誰かの誕生日」の演奏後、入場時に観客に配布されたサイリウムが彩る客席を見渡した堀込は「ようこそいらっしゃいました。サイリウムが光ってますね。最後まで持つかな?」と少し不安げな様子で笑い、「『ネオ』中心のツアーですが、『今日も誰かの誕生日』みたいな懐かしい曲もやったりするので最後まで楽しんでください」と呼びかけた。

KIRINJI「KIRINJI TOUR 2016」東京・ステラボール公演の様子。(撮影:立脇卓)

KIRINJI「KIRINJI TOUR 2016」東京・ステラボール公演の様子。(撮影:立脇卓)[拡大]

レーザー光線が光った「雲呑ガール」では、田村玄一(Pedal Steel, Steel Pan, Vo)の煽りによって観客が手拍子を弾けさせる。その後、楠均(Dr, Perc, Vo)による「ONNA DARAKE!」、千ヶ崎学(B, Vo)による「失踪」、コトリンゴ(Piano, Key, Vo)による「恋の気配」と、メンバーそれぞれがリードボーカルを務める楽曲がライブを彩っていく。「こんな感じでいろんなメンバーがリードボーカルを務めるのが楽しいなって。このKIRINJIはそういう感じにしようと思って4年前に始めました」という堀込の言葉から、7人は4年前に制作したという「進水式」を披露。小気味いいリズムに乗せて、やわらかくも凛としたコーラスワークを届けた。

およそ2年ぶりとなった今回の全国ツアーについて振り返ったMCでは、矢野が「このセットリストでやるのは最後なので、1曲ずつ噛み締めながらやっていきたい」と意気込む一方、楠が「このセットリスト、最初はトラップだらけで大変だった。今は軽々とやれてるので、あと15年ぐらいこの馴染んだセットリストでやりたい」と願望を述べる。堀込が「だーれもこなくなりますよ!」と突っ込むと客席からは笑いが起こっていた。

和やかなトークを経て、KIRINJIは力強いシンガロングが響いたHarpers Bizarre「Witchi Tai To」のカバーや、緩急のある演奏でオーディエンスを高揚させた「真夏のサーガ」、堀込による笛や弓木英梨乃(G, Violin, Vo)によるバイオリンの音色が奥行きのあるアンサンブルを作り上げたインスト曲「水郷」を続けて演奏。堀込は「シャムキャッツのイベントに出たときに『Witchi Tai To』とあわせて『真夏のサーガ』をやったら、若者に『エモいっすね』と言われて『エモいだろ?』って返した」と笑う。そして「エモいのも好きだけど、陰気な曲が好きで。そんな物悲しい曲が『ネオ』にも1曲入ってます」という説明から、コトリンゴのキーボードに乗せて弓木が語るように歌う「あの娘のバースデイ」が届けられた。

堀込のソロプロジェクト曲「涙のマネーロンダリング」を経て、弓木がリードボーカルを担当する「Mr. BOOGIEMAN」が披露される。彼女はサイリウムとマイクを手に持ち、ほぼスタンディング状態となった客席に目を向け、ファンと一緒にサイリウムを振るなどしてはつらつと歌唱。ステージを歩き回り、「赤い目のウサギ」という歌詞ではコトリンゴとウサギのポーズをしたり、堀込と背中を向け合って決めポーズをしたりと自由なパフォーマンスでファンを楽しませた。彼らはそのままハイテンションで「Golden harvest」「絶対に晴れて欲しい日」を畳み掛けてステージを降りた。

KIRINJIとRHYMESTERがコラボしたアンコールの様子。(撮影:立脇卓)

KIRINJIとRHYMESTERがコラボしたアンコールの様子。(撮影:立脇卓)[拡大]

アンコールではゲスト出演が予告されていたRHYMESTERが登場。宇多丸が「お願いいたします! ようやくこのときがやってまいりました。いきなり“あの曲”をやってしまうのもアレなので、俺たちの曲をKIRINJIバージョンで」と述べると、KIRINJIの演奏に乗せてRHYMESTERの「フラッシュバック、夏。」が披露され、宇多丸とMummy-Dはコール&レスポンスで観客を大いに盛り上げた。「The Great Journey feat. RHYMESTER」の演奏前には、ツアーではこれまでRHYMESTERの代わりにKIRINJIメンバーがラップをしていたということが話題に上がる。その演奏を見たというRHYMESTERは「僕らよりアバンギャルドなのやめてもらっていいですか?」「俺らがやってることが普通に見えちゃう。十分変わった曲なのに!」とユーモアたっぷりにクレームを入れていた。

ついにコラボでの生演奏が実現した「The Great Journey feat. RHYMESTER」では、堀込と共に観客が「満室!」「どこも満室!」と歌詞をコールし、ステージ後方には電飾によって「満」の文字が浮かび上がる。また千ヶ崎がハイスピードにベースを演奏する場面では、宇多丸とMummy-Dが「マナベース!」「マナベース!」と彼を応援。そこにDJ JINが高速スピンで参加するなど、ほかのメンバーも楽しそうに演奏を行っていた。RHYMESTERが去ると、熱演を繰り広げたKIRINJIメンバーは疲れ切った様子を見せる。全員の呼吸が整うのを待ったあと、堀込の「ちょっとメロウな曲やろっか……」という言葉から「P.D.M.」と坂本真綾「うちゅうひこうしのうた」のカバーがしっとりと届けられた。そして最後に披露されたのは堀込が2年前に猫を飼い始めたことがきっかけでできたという「ネンネコ」。田村がペダルスチールを猫の鳴き声のように奏でたり、メンバーそれぞれが猫の鳴き声をマネしたりと、温かい空気が広がる中で「KIRINJI TOUR 2016」は幕を閉じた。

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KIRINJI「KIRINJI TOUR 2016」
2016年10月31日 ステラボール セットリスト

01. fake it
02. 今日も誰かの誕生日
03. だれかさんとだれかさんが
04. 雲呑ガール
05. ONNA DARAKE!
06. 失踪
07. 恋の気配
08. 進水式
09. 温泉街のエトランジェ
10. 日々是観光
11. Witchi Tai To
12. 真夏のサーガ
13. 水郷
14. あの娘のバースデイ
15. fugitive
16. 涙のマネーロンダリング
17. Mr. BOOGIEMAN
18. Golden harvest
19. 絶対に晴れて欲しい日
<アンコール>
20. フラッシュバック、夏。
21. The Great Journey feat. RHYMESTER
22. P.D.M.
23. うちゅうひこうしのうた
24. ネンネコ

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