2010年にイギリスで初演された「ラブ・ネバー・ダイ」は、
市村は「上演のたびに『ラブ・ネバー・ダイ』という作品が日生劇場にピッタシ合っているなと思います」「今回が最後という気持ちで、1回1回クリスティーヌと良いセッションをお届けしたい」と意気込む。石丸は「前回は自分なりに表現したつもりでしたが、『表現しきれなかった』という悔いも残っていた。今回は、“愛”を知らないファントムがどのように愛に向き合っていくのかを課題にしています」と述べる。初参加の橋本は「めっちゃ緊張しています」と率直に述べ、「ファントムの仮面は、俳優にとって憧れのもの。普段は姿勢が悪くダラッとなりがちな僕ですが、仮面を付けた瞬間に背筋がピッとなる。ファントムというキャラクターに導かれる感覚があります」と実感を込めて語った。
平原は、自身のミュージカル初出演となった本作の日本初演を振り返り、「当時はわからないことだらけで、稽古場なのにおしゃれな服装をして行ってしまったことも(笑)。市村さんからは、演じることの尊さや“心”の伝え方を舞台上でも教えてもらいました」「愛の深さを知ることができた作品」と言葉に力を込める。初演でメグ・ジリー役を演じた笹本は「当時、(クリスティーヌ役の平原を観て)日本にこんなにクリスティーヌそのものの方がいるんだと驚き、『その声が私にも欲しい』とまさにメグのような気持ちで観ていました。クリスティーヌ役を務める今回は、メグたちに同じように思ってもらえるようがんばってきました」と振り返る。初出演となる真彩は「宝塚歌劇団を退団してから初のトリプルキャストでしたが、お二人の姿を観ながら勉強できる素晴らしい時間でした。わからないことを聞くと、とても優しく教えてくださるので、短い期間でもいろいろなチャレンジができました」と稽古場での充実ぶりを語った。
囲み取材では、平原のミュージカルデビューから約11年間の歩みを知る市村に、報道陣が平原の印象の変化について問う場面も。市村は「10年前はひよこが歩いているような感じでかわいかったですが、最近はまた一段とスケールが大きくなって。成熟した女性としてメロメロでございます」と回答。一方の平原は、市村が演出家のフィリップスに「(『オペラ座の怪人』の10年後の物語である)『ラブ・ネバー・ダイ』のさらに10年後を描く作品を作ってくれ」とリクエストしていたと明かす。「成長した息子グスタフに嫁ができて、その嫁がファントムに花束を渡しに行く、という光景まで想像して市村さんは泣いているんですよ(笑)」と平原に暴露された市村は、照れ笑いを隠せない様子で「この仮面を付けているときは、(キャラクターが崩れるので)できるだけ笑いたくないんだよね」と呟いた。
上演時間は休憩含む約2時間25分。公演は2月24日まで行われる。
ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」
2025年1月17日(金)〜2025年2月24日(月・振休)
東京都 日生劇場
スタッフ
作曲:
歌詞:グレン・スレイター
脚本:アンドリュー・ロイド=ウェバー / ベン・エルトン / グレン・スレイター / フレデリック・フォーサイス
演出:サイモン・フィリップス
出演
ファントム:
クリスティーヌ:
ラウル・シャニュイ子爵:
メグ・ジリー:
マダム・ジリー:
グスタフ:植木壱太 / 小野桜介 / 後藤海喜哉
フレック:
スケルチ:
ガングル:
⻘木美咲希 / 石川剛 / 尾崎豪 / 川島大典 / 神澤直也 / 木村つかさ / 咲花莉帆 / 白山博基 / 菅原雲花 / 鈴木満梨奈 / 高瀬育海 / 高田実那 / 長瀬可織 / 光由 / 村上すず子 / 安井聡 / 吉田玲菜
スウィング:熊野義貴 / 小峰里緒
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LIM編集部 @lesmisquarti30
【会見レポート】市村正親が“さらなる後日譚”を想像して涙、「ラブ・ネバー・ダイ」本日開幕(舞台写真あり) https://t.co/acRuuFUCX7