「赤坂大歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』」の制作発表会見が本日1月28日に東京都内で行われた。
赤坂大歌舞伎は、故・中村勘三郎の「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」というひと声から、2008年に始まったシリーズ企画。2017年に上演された蓬莱竜太演出「赤坂大歌舞伎 新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』」以来、赤坂大歌舞伎としては約3年ぶりの公演となる今回は、三遊亭圓朝の長編落語を原作とした新作「怪談 牡丹燈籠」に、
会見には、獅童、勘九郎、七之助、本作の脚本・演出を担当する
源は「スピーディーに決まったから、まだまったく本ができておりません(笑)」と明かし会場の笑いを誘いつつ、「お客さんが観たいであろう部分は残し、漏れていた部分を掘り起こして、ドラマとは違うものにしたいと思っています。人の心に深く残るというより、観てギクッとするような筋立てやセリフを書いていきたい」とコメント。また「(脚本が)できていないと言いましたが、僕は本を書くのが速い方なので、心配しないでください!(笑)」と話し、獅童、勘九郎、七之助を笑わせた。
7年ぶりに赤坂大歌舞伎に出演する獅童は、宮辺源次郎と伴蔵の2役を演じる。まず「源監督とは一度ドラマでご一緒したことがあるので、今回歌舞伎の演出をしていただけることをうれしく思います。稽古がとにかく楽しみです!」と源に信頼を寄せつつ、役どころについては「放蕩野郎と小悪党……ですよね?(笑)」と源に視線をやる。「新しいものを作るときは、稽古の流れによってキャラクターが変わることがある。なので、どんな役かは決めつけず、稽古場でみんなで意見をぶつけ合いながら、自分なりに作っていきたい」と真摯に述べた。さらに「僕は生真面目なので、(源次郎や伴蔵と)人間的には正反対ですよね……」と語ると、七之助はその発言に「ツッコまないですよ(笑)」と返し、仲睦まじい様子を見せた。
萩原新三郎と黒川考助を勤める勘九郎は「新三郎は、今で言う引きこもりのニート。でもお露という絶世の美女と出会ってしまったがために、運命の歯車が狂ってしまう役。演じるにあたって、お露が惹かれる魅力というのが少しでも出せたらいいなと思います」と話したあと、「ドラマでは七之助が演じていたので、彼の新三郎を参考にします。……あーあ、お露が(ドラマ版でお露を演じていた上白石)萌音ちゃんだったらよかったのに! なんで歌舞伎なんだろう!(笑)」と冗談を飛ばし、会場の笑いを誘った。
七之助は、お国、お露、お峰の3役を勤める。それぞれの役どころを「全員、生きるために一生懸命というのは共通していると思います。お国は悪女ではありますが、源次郎と出会ってしまったがために揺らいでしまう。そこが1つの見どころかと。またお露は、父に対する反発やお国への嫌悪など、かなり潔癖な女性ですね。そんな彼女が新三郎という男性に出会い、“焦がれ死に”するほど愛してしまう。お峰はさらに別次元。欲というか、勢いがあって可愛らしく、ちょっとファニー。三者三様で役柄が全然違いますので、演じがいがありますね」と語り、「演じ分けは早替りになると思うので、そういった歌舞伎の手法もお見せできれば」と微笑んだ。
記者から、作品の構想を聞かれた源は「まだ話せない部分が多いのですが……七之助くんにどんな“焦がれ死に”をさせようかな、と考えています(笑)。だって、好きで好きで死んでしまうって、誰も見たことがないでしょ。なので……七之助さんの“焦がれ死に”を楽しみにしていてください!(笑)」と期待を煽り、「とある個性的な役者さんに、ストーリーを牽引するような面白い役を演じていただく予定です。そちらもお楽しみに」と笑顔を見せた。
最後に勘九郎は「2013年に父がやるはずだった『怪談乳房榎』を、この3人でやらせていただきました。正直、赤坂大歌舞伎をやることはもうないのではと思っていたのですが、こうして続けることができてうれしく思います。この3人なら怖いものなし。歌舞伎の解釈を加えつつ、新たな『牡丹燈籠』にすることができれば」と語り、会見を締めくくった。公演は5月5日から24日まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて。チケットの販売は2月16日にスタート。
「赤坂大歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』」
2020年5月5日(火・祝)~24日(日) ※2020年4月10日追記:本公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。 ※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
東京都 TBS赤坂ACTシアター
原作:三遊亭圓朝
脚本・演出:
出演:
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yama @fuku14
う~ん、歌舞伎で見るなら獅童ではないかなぁ…。
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