小池修一郎念願の「ポーの一族」東京で開幕、明日海りお「宝塚版の魅力は団結力」

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宝塚歌劇花組による「ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』」の東京公演が、本日2月16日に東京・東京宝塚劇場で開幕。これに先駆け、公開舞台稽古と囲み取材が本日行われた。

小池修一郎が脚本・演出を手がける本作は、萩尾望都のマンガ「ポーの一族」を原作としたミュージカル。同作品をミュージカル化することを夢見て宝塚歌劇団に入団した小池が、原作者の萩尾と1985年に出会った際に「いつか劇化させてほしい」と申し出てから30年あまりの時を超え、今回ついに舞台化が実現した。

劇中で描かれるのは、永遠に歳を取らず生き長らえていくバンパネラの物語。今作では原作の「メリーベルと銀のばら」のエピソードを主軸としたストーリーが展開し、主人公のバンパネラ、エドガー・ポーツネル役をトップスターの明日海りおが演じる。またエドガーの義母シーラ・ポーツネル男爵夫人役をトップ娘役の仙名彩世が務め、トワイライト家の跡取り息子であり、のちにエドガーや彼の妹・メリーベルと関わりを持つことになるアラン・トワイライト役には柚香光がキャスティングされた。

物語は、妹のメリーベルと共に森に捨てられたエドガーが、ポーの一族である老ハンナに拾われるエピソードからスタート。妹を守るため、望まずしてバンパネラになったエドガーは、己の運命を呪いながらも、長い旅の中でバンパネラとしての生を受け入れていく。貴族社会の豪華絢爛な世界を表現した舞台美術や、バラをあしらった装置がステージを彩る中、明日海はエドガーの苦悩や、最愛の妹への思いを切ないナンバーに乗せて表現した。

公開舞台稽古後の囲み取材には、明日海と仙名の2人が出席。宝塚版ならではの魅力を問われた明日海は「衣装やセットなど、細部まで作り込まれたスケールの大きい作品になっています。宝塚の生徒にしか出せない団結力が見どころ」と力強く語り、続く仙名は「舞台の上でそれぞれのキャラクターが息づいていくエネルギーを皆様に感じていただけたらと思います」と注目ポイントを明かす。

恋愛関係にある男女を演じることが多いトップスターとトップ娘役だが、今回2人が演じるエドガーとポーツネル男爵夫人は、血の絆で結ばれた義理の親子という一風変わった関係性だ。明日海はこれについて言及し、「普段のスタイルとは異なる関係性を演じられて新鮮です。最後のデュエットダンスでも違った感覚を味わうことができました」と笑顔を見せる。

明日海のコメントを受け、仙名は「幼い頃のエドガーを演じる明日海さんが、体育座りをして私を見上げてくださるとき、『キュン』とするんです。一方で(精神的に)成長してからのエドガーはカッコよくて……日々緊張感を持ちながら演じさせていただいております」と明日海扮するエドガーの魅力を語った。

上演時間は休憩を含む約3時間。東京宝塚劇場公演は3月25日まで行われ、千秋楽にはライブビューイングも実施される。

宝塚歌劇花組「ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』」

2018年2月16日(金)~3月25日(日)
東京都 東京宝塚劇場

原作:萩尾望都「ポーの一族」(小学館フラワーコミックス)
脚本・演出:小池修一郎
出演:明日海りお仙名彩世柚香光 ほか

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