音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

ももクロ新イベ「夜ばなし」で生演奏ライブ&こうせつ共演

658

ももいろクローバーZが昨日11月17日、東京・Zepp Tokyoにてライブイベント「ももいろ夜ばなし第一夜『白秋』」を開催した。

「ももいろクリスマス」「独占!ももクノ60分」などの恒例のライブシリーズを複数持つももクロが、新たにスタートさせた「ももいろ夜ばなし」。記念すべき第一夜「白秋」は、ももクロのセールスポイントのひとつである激しいダンスを封印し、観客は全員着席、終始アコースティック編成の生バンド「夜ばなし隊」の演奏をバックに歌うという新たな試みが行われた。

イベントがスタートすると、ステージにはメンバーではなくセーラー服姿の女の子の姿が。この女子生徒を演じるのはももクロと同じスターダストに所属するタレント谷川菜奈で、彼女がおもむろにラジオのチューニングを合わせると場内にはAMラジオ風の番組が流れ始めた。番組パーソナリティは、数々の人気プログラムを持つ吉田照美だ。吉田は客席2階に設置されたスタジオに登場し、架空の番組「てるてるミュージックスクランブル」を進行させる。番組テーマは「秋の夜長にグッとくる音楽」。リスナーのメッセージを受け曲紹介をすると、ステージ上のバンドメンバーが演奏を始めた。1曲目は佐々木彩夏のソロによる山口百恵のカバー「秋桜」だ。

あーりんが「秋桜」を歌うのは、今年8月に同会場で行われた「坂崎幸之助のお台場フォーク村デラックス」の第33夜「お台場うたの盆まつり『ももいろフォーク村(Z)』」に続いて2回目。前回は練習不足で思うように歌えなかったくやしさを後日ブログにしたためたあーりんだったが、今回のステージでは丁寧にしっとりと歌い上げ、見事リベンジ成功と言える堂々としたパフォーマンスでトップバッターを務め上げた。ライブはその後もラジオ番組の一部として進行し、ももクロの5人はフォークソング&ニューミュージックのカバーや、オリジナルソロ楽曲のアコースティックバージョンをそれぞれソロで披露していく。原曲とは大きく異なるサウンドに生まれ変わった「だって あーりんなんだもーん☆」や、ボサノバ&サンバに変換された「太陽とえくぼ」など、この日限りのアレンジが次々と飛び出し、客席からはそのつど歓声とどよめきが起こった。

「番組のレギュラー企画」として行われた「スクール・オブ・ミュージック」のコーナーでは、この日の議題「青春の音楽 フォークソングとはなんぞや」を教える特別講師として、南こうせつがゲストで登場した。1970年代のフォーク全盛期に「かぐや姫」のメンバーとして大活躍したこうせつが、当時のことを知らないももクロにフォークソングの成り立ちや特徴を解説。こうせつはイルカの歌唱で大ヒットした「なごり雪」や、かぐや姫の代表曲「神田川」などについて詳しく話し、メンバーと一緒に歌ってフォークの楽しさを伝えた。

さらに「フォークはかしこまった歌詞じゃなく、日常の何気ない言葉からでも作れるのが魅力」と、メンバーにその場で浮かんだ事柄を自由に書かせ、「ずーっとずーっと歌い続けたい。今の幸せがずーっと続きますよーに(有安杏果)」「明日どんなタンスが届くかな(高城れに)」といった言葉を即興で歌に変えていく。また「ピアノは10年習っても身に付かなかったからギターを弾けるようになりたい」という玉井詩織に対し、こうせつは「今すぐ弾けるようにしてあげる」と自身のギターを手渡した。耳打ちでほんの少しだけアドバイスを受けた玉井がおもむろにギターを爪弾き、こうせつが歌を合わせる。Gコードひとつで歌えるゴスペル曲の一節だ。気軽に入り込める音楽の楽しさを教えるこうせつの名講師ぶりに観客は拍手喝采。最後はこうせつからももクロのリクエストで「あの素晴らしい愛をもう一度」を合唱した。

15分の休憩を挟んだ第2部は、夜ばなし隊の生演奏による「overture」からスタート。灯をともしたロウソクが並ぶステージに、ももクロの5人はイメージカラーを排した純白の衣装で登場し、まずはスタンドマイクに生演奏で「ワニとシャンプー」、miwaのカバー「春になったら」を歌う。ステージを駆け回らないももクロと、着席したまま声援を送る観客という異色の展開だ。続く冬のバラード「白い風」では5人が客席通路に飛び出し、観客を目の前に熱唱した。

第2部後半は、夜ばなし隊のメンバーいわく“戦争ブロック”。ももクロ楽曲の中でもアコースティック演奏とは縁遠い「LOST CHILD」「Z女戦争」といったアグレッシブなナンバーがセレクトされた。そしてラストの「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」では客席2階の左右に東響コーラスが登場。5人の歌声に絡み付く厚みのあるコーラスやバイオリンソロで場内の興奮は一気にピークへ。最後は「猛烈」のレコーディングに参加して以来すっかり“モノノフ(ももクロの熱狂的ファン)”になってしまったという東響コーラス・奥村さんの「ももクロちゃんたちと歌えて最高だったゼーット!!」で締めくくられた。

アンコールを受け再度ステージに上がったももクロ&夜ばなし隊は「ツヨクツヨク」を熱演した。そしてオーラスはこの日のゲストも全員集合。メンバーに呼び込まれたこうせつは、突然「さっき楽屋で打ち合わせしたんだけど」と、東響コーラスとともに賛美歌「荒野の果てに」を披露し「皆さんに素敵なクリスマスが訪れますように」と祈った。アンコールのラストナンバーに選ばれたのは、ももクロの「走れ!」。出演者と観客が持つペンライトとステージ上のロウソクが美しい光景を作り上げた。ゲストとバンドメンバーは去り際に、ロウソクを代わる代わる吹き消していく。最後に残った1本をももクロの5人が吹き消し、スペシャルな一夜は幕を下ろした。

ももいろクローバーZ「ももいろ夜ばなし第一夜『白秋』」セットリスト

01. 秋桜 / 佐々木彩夏(山口百恵)
02. 初恋 / 百田夏菜子(村下孝蔵)
03. 涙目のアリス / 玉井詩織
04. ありがとうのプレゼント / 有安杏果
05. 津軽半島龍飛崎 / 高城れに
06. 襟裳岬 / 高城れに(森進一、吉田拓郎)
07. だって あーりんなんだもーん☆ / 佐々木彩夏
08. 太陽とえくぼ / 百田夏菜子
09. 少女人形 / 玉井詩織(伊藤つかさ)

<スクール・オブ・ミュージック>
テーマ「青春の音楽 フォークソングとはなんぞや」
講師:南こうせつ
・なごり雪 / 有安杏果&南こうせつ(かぐや姫、イルカ)
・神田川 / 南こうせつ&ももいろクローバーZ(かぐや姫)
・あの素晴らしい愛をもう一度 / 南こうせつ&ももいろクローバーZ(北山修 - 加藤和彦)

10. ワニとシャンプー
11. 春になったら(miwa)
12. 白い風
13. きみゆき
14. LOST CHILD
15. Z女戦争
16. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」/ ももいろクローバーZ&東響コーラス

<アンコール>
17. ツヨクツヨク
~南こうせつ&東響コーラス「荒野の果てに」~
18. 走れ! / 出演者全員

※記事初出時、本文およびセットリストの曲名、原曲者名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

音楽ナタリーをフォロー