TAKUYA、ハピバ、Applicatらバレンタイン個性派競演

2月14日に東京・WWWにてライブイベント「Fly like an Eagle」が開催され、ライブアクトとしてTAKUYA、HAPPY BIRTHDAY、Applicat Spectra、赤い猫の4組が、オープニングおよびクロージングDJとしてピエール中野（凛として時雨）が出演した。

バレンタインデーに似合う選曲でピエール中野が会場をしっかりあたためたのち、トップバッターとして赤い猫が登場。メンバー全員10代という彼らだが、オープニングの「渡り鳥」から、ギミックに富んだプレイで観客を釘付けにしていく。メンバー3人はステージに立っている喜びを表すように笑顔を見せながら、大人びたボーカルを聴かせるスローテンポな「12月」や、ジャジーなアンサンブルが光る「長い夜」を熱演。短い時間ながらも多才さを伺わせるライブを披露した。

続くApplicat SpectraはドリーミーなSEをバックに、メンバーが順々にステージへ。所狭しと配置された機材を駆使しながら、新曲「神様のすみか」や「イロドリの種」など幻想的なナンバーを奏でていく。ナカノシンイチ（B, Vo, Sampling Pad）は独特のハイトーンボイスでオーディエンスを惹きつけ、曲の間奏ではスティックを手にサンプリングパッドを操る。そんなナカノの楽しげなプレイに呼応するように、ほかのメンバーもそれぞれの楽器を手に美しい音世界を紡いでいった。また終盤で演奏された「クロックワイズ」では、ダンサブルなビートと跳ねるような歌声にあわせて自然とハンドクラップが起き、会場に一体感が漂う一幕もあった。

イベントの折り返しを飾ったのは、田渕ひさ子（G / bloodthirsty butchers、toddle、LAMA）と345（B / 凛として時雨）の2人を迎えた特別編成によるHAPPY BIRTHDAYのステージ。手をつないで現れた4人は、定位置につくと向かい合わせになり一夜限りのスペシャルセッションをスタートさせた。個性的なプレイヤー2人のサポートもあり、ライブは普段以上に激しさとエモーショナルな魅力が全開に。きさ（Vo, G）もあっこ（Dr）も「楽しい！」を何度も連発し、弾けたプレイで会場を盛り上げていく。きさの「一生懸命作った曲を一緒に演奏できる人がいてうれしい」という言葉に続いた「こころの王様」では345とひさ子がコーラスに加わりチャーミングな彩りを添え、パンキッシュな「PMS」ではひさ子の激しいギターソロが炸裂。ガールズパワーを感じさせるパフォーマンスに大きな拍手が沸いた。

トリのTAKUYAは、最新アルバム「トキドキココロハアメ デモアメノチカナラズハレ」からの楽曲を中心にライブ映えするアッパーチューンを熱演。「暗闇ひとりマイム」でドライブ感のあるギタープレイとボーカルを響かせたかと思えば、「GREATEST DELIGHT」では声にオートチューンをかけエレクトロサウンドでフロアを満たす。少しおとなしい観客を前に「なんか渋谷じゃない気がしてきた（笑）」と煽りながら、フレッシュさと貫禄を兼ね備えたプレイを展開した。またアンコールは本編から一転して、ミディアムナンバー「僕の部屋で 君の部屋で」をプレゼント。バレンタインの夜にふさわしい、しっとりとした空気が観客をうっとりと酔わせていた。