乃木坂46、“聖地”神宮で迎えた10回目の夏

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乃木坂46のコンサートツアー「真夏の全国ツアー2025」が、昨日9月7日に東京・明治神宮野球場でファイナルを迎えた。

乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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7月4日の北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナを皮切りに、静岡、大阪、宮城、福岡、香川、東京の全国7都市を巡った今年の「真夏の全国ツアー」。グループにとっての“聖地”でもある明治神宮野球場では計4日間にわたってライブが繰り広げられ、計15万2000人を動員した。乃木坂46が神宮で公演を行うのは今回で10回目。節目となる今年のステージでは、日替わり曲を含めて4日間で延べ121曲が披露された。この記事ではツアーファイナルとなった昨日の7日公演の模様をレポートする。

怒涛の夏曲ラッシュで幕開け

左から川崎桜、賀喜遥香、一ノ瀬美空。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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照れる遠藤さくら(左)と賀喜遥香(右)。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

照れる遠藤さくら(左)と賀喜遥香(右)。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])[拡大]

菅原咲月と瀬戸口心月による影ナレ、そしてオープニング映像を経て、白い衣装を身にまとった乃木坂46がステージに登場。「神宮! 全員声出す準備できてるのかー!?」という賀喜遥香の合図とともに、最終公演は賀喜がセンターを務める「君に叱られた」でスタートした。メンバーの頭には小さな王冠が輝いており、1人ひとりがこの日を迎えることができた喜びを爆発させるような表情で歌を届けていく。その勢いのまま披露されたのは「ジコチューで行こう!」。曲中では遠藤さくらと賀喜が手の平越しにキスをし、オーディエンスを沸かせるひと幕もあった。「裸足でSummer」では川崎が「みんなが苦しくなっちゃうくらい君のことメロメロにしちゃうぞ」とキュートな笑顔を振りまき、場内を一瞬で“メロい”ムードに染め上げる。夏曲を中心に5曲を畳みかけたのち、乃木坂46は神宮に集う観客に挨拶。キャプテンの梅澤美波は「10回目の神宮もあっという間に最終日を迎えてしまいました。そして今日は7月から回ってきたツアーのファイナルでもあります。全国の皆さんからいただいたパワーを胸に、集大成を見せていきたいと思います」と意気込み、奥田いろはは神宮球場にまつわるお気に入りのスペースの話題で会場を和ませた。弓木奈於は初めて乃木坂46のライブを観たのが神宮球場でのライブだったことを明かし、そのときのエピソードを披露。弓木らしい独特な言い回しで観客を笑わせた。

次のブロックでは井上和と中西アルノがダブルセンターを務める「ネーブルオレンジ」をはじめ、今年リリースされた楽曲たちがラインナップされた。このツアーで初参加となり、神宮球場のステージにも初めて立った6期生は「なぜ 僕たちは走るのか?」を客席後方に設けられたサブステージで披露。学業専念のため活動を休止している小津玲奈の思いも背負うような堂々としたパフォーマンスで会場を大いに沸かせた。一方、後輩たちとは異なるアプローチでファンを喜ばせたのは、遠藤、賀喜、川崎、弓木、小川彩、林瑠奈の6人。ストリート系の衣装に身を包み、ヒップホップナンバー「ってかさ」でマイクリレーを披露した。続く「不道徳な夏」ではセンターの金川紗耶が「へいへいお前ら、その程度で帰れると思うなよ! 全員声枯らせー!」と観客を焚きつける。体調不良で東京公演DAY1、DAY2を休演していた4期生の矢久保美緒もこの日はステージに立ち、持ち前の笑顔で客席を魅了した。

乃木坂46は“全員がヒロイン”

乃木坂46 6期生(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」より「ってかさ」パフォーマンスの様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46 「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

乃木坂46 「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])[拡大]

乃木坂46 「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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ライブ中盤では、今回のツアーのテーマである“全員がヒロイン”を体現するかのように、個性豊かなユニットのパフォーマンスが次々と展開された。トップを飾ったのは6期生の海邉朱莉、鈴木佑捺、森平麗心による「君の名は希望」。デビューからまだ半年にも満たない3人が、満員の観客を前に透き通る歌声を響かせた。続く「錆びたコンパス」では金川、矢久保、岩本蓮加、黒見明香、田村真佑、松尾美佑がクールなダンスで魅せる。「ぼっち党」では弓木、冨里奈央、岡本姫奈がそれぞれの“ぼっち事情”をユーモラスに告白して場内の笑いを誘った。その後も川崎、奥田、林、伊藤理々杏、佐藤璃果、柴田柚菜、吉田綾乃クリスティーによる「あんなに好きだったのに…」、小川、菅原、五百城茉央筒井あやめによる「ボーダー」と、ノンストップで展開されるパフォーマンスに観客は歓声とコールで応える。特に遠藤がセンターを務め、梅澤と池田瑛紗が両翼に立った「ごめんねFingers crossed」では、歌い出しから大歓声が巻き起こった。さらに井上、中西、久保史緒里による「ひと夏の長さより…」で場内はエモーショナルなムードに。「Sing Out!」では「このツアーを通して、メンバーみんなのいいところが皆さんに少しでも伝わっていたらうれしいです。それぞれに進行している物語があり、私たちだけではなく、ここにいる皆さんも主役です! だから最後はみんなで一緒に歌いましょう」と涙ながらに呼びかける賀喜の言葉を受け、球場内に温かいハンドクラップとシンガロングが響き渡った。

新たに刻まれた乃木坂46と神宮球場の歴史

乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46が神宮球場とともに歩んできた道のりを振り返るVTRを経て、明治神宮野球場公演10thメモリアルソングとして制作された新曲「真夏日よ」のパフォーマンスへ。3期~6期生の全員が一体となって歌い上げる姿に、客席からは割れんばかりのコールが沸き起こり、乃木坂46と神宮球場の歴史に新たな1ページが刻まれた。続く「Monopoly」でライブはいよいよ終盤戦。「ありがちな恋愛」を一ノ瀬と川崎のタブルセンターで届け、続く「制服のマネキン」では火柱が立ち昇る演出も相まって、球場内が熱狂に包まれる。「Actually...」では力強いビートに乗せて中西の咆哮が神宮の夜空にこだました。その後、乃木坂46は「夏のFree & Easy」「おひとりさま天国」を立て続けに披露。ひとしきり盛り上げたのち、ディスコナンバー「I see...」で場内を華やかな空気に染め上げた。

最後の1曲を前に、賀喜はこの夏のツアーを振り返り、先輩、同期、後輩、スタッフ、そしてファンへ向けて熱い思いを言葉にしていく。今回のツアーでは、自らがセンターを務めることで周りに安心してもらい、喜んでもらうことを目標に走ってきたと語り、その過程ではプレッシャーや責任の重さに涙を流すこともあったと吐露した。そして「でも、今日このステージに立って、皆さんやメンバーの楽しそうな笑顔、そして最終日が始まるときに私たちをステージに送り出してくださったスタッフの皆さんの表情を見て、ちょっとは目標を達成できたかなって思いました。私もこの夏、すごく楽しかったです。それは、私のことをたくさん支えてくれて、愛で包んでくださった皆さんがいたからです。本当にありがとうございました」と賀喜は笑顔で感謝の言葉を伝えた。最後に送られた最新シングル表題曲「Same numbers」では打ち上げ花火が夜空を彩り、さらに1100機のドローンによって描き出されたグループロゴが神宮球場の上空をジャック。まばゆい輝きに包まれる中、乃木坂46と神宮球場の夏は締めくくられた。

今の私たちの強みは

乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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乃木坂46 「真夏の全国ツアー2025」の様子。(Photo by 鈴木健太[KENTA Inc.])

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メンバーがステージを去っても球場内の興奮は収まることなく、アンコールに応えた乃木坂46はトロッコに乗って登場。「チートデイ」「他人のそら似」を歌いながら場内を巡り、客席後方のファンとも近い距離でコミュニケーションを図った。その後は「ジャンピングジョーカーフラッシュ」を投下し、賑やかなステージングで最後の最後までファンを楽しませた。キャプテン梅澤からツアーの感想を聞かれた6期生の瀬戸口は「忘れられない楽しい夏になった」と切り出し、「また必ずこの場所に帰ってきたいし、そのときには今日よりももっともっと大きい自分になりたいです」と決意を語る。遠藤は乃木坂46の歴史を振り返り、自分がこの場所に立っててもいいのか不安になることがあったというが、最後は「ここに来てよかったんですね。みんなで堂々と歌ってていいんだなって思わせてくれるような、10回目の神宮ライブになったなと思います」と晴れやかな表情を見せた。エモーショナルな空気の中で届けられた「乃木坂の詩」では、梅澤が改めてファンへの感謝を伝える。「ツアーを回ってきて思った今の私たちの強みは『みんなが乃木坂46に向ける愛情の強さ』だと思いました。みんなが乃木坂46を愛してここでがんばっているから、乃木坂46らしさが生まれるんだなって思いました。私たちは私たちなりの表現の仕方で、これからもファンの皆さまを幸せにしていきたいです」と万感の思いを口にし、温かい拍手を浴びた。そして来年、神宮球場が開場100周年を迎えることにも触れ、「また来年もみんなでここでお祝いしたいです。神宮11回目まで、ここにいるみんなで必ずつないでいきます」と決意を新たにした。

これにて終演かと思いきや、鳴りやまない「乃木坂! 46!」のコールに応えてダブルアンコールへ突入。乃木坂46は「君に叱られた」を再び届け、全力のパフォーマンスでファンを魅了した。ラストはオフマイクで「今年の夏も、本当にありがとうございました!!」とメンバー全員が声を合わせて叫び、歓声と拍手に包まれる中、2025年の真夏の全国ツアーは幕を下ろした。

※川崎桜の崎は立つ崎が正式表記

セットリスト

乃木坂46「真夏の全国ツアー2025」2025年9月7日 明治神宮野球場

01. 君に叱られた
02. ジコチューで行こう!
03. 裸足でSummer
04. ガールズルール
05. 好きというのはロックだぜ!
06. ネーブルオレンジ
07. なぜ 僕たちは走るのか?
08. ってかさ
09. 不道徳な夏
10. 君の名は希望
11. 錆びたコンパス
12. ぼっち党
13. あんなに好きだったのに…
14. ボーダー
15. ごめんねFingers crossed
16. ひと夏の長さより…
17. Sing Out!
18. 真夏日よ
19. Monopoly
20. ありがちな恋愛
21. 制服のマネキン
22. Actually...
23. 夏のFree & Easy
24. おひとりさま天国
25. I see...
26. Same numbers
<アンコール>
27. チートデイ
28. 他人のそら似
29. ジャンピングジョーカーフラッシュ
30. 乃木坂の詩
<ダブルアンコール>
31. 君に叱られた

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くほ @nogi_kuhocha

林の衣装だけMV衣装じゃないのマジで全然気づかなかった笑 https://t.co/Gtfl4HyI1x

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