ついにデビュー、美麗-Bi-ray-メンバーの意気込み
取材冒頭ではデビューが決まった心境について、メンバーそれぞれがコメント。EMIは「デビューするという小さな頃からの夢が叶ったときはうれしかったし感動しました。でもここからがスタート。YOSHIKIさんという偉大な方にプロデュースしていただけるという重みを感じながら、メンバー同士で支え合いながら、デビュー曲『Butterfly』はもちろんのこと、私たちの楽曲を世界に届けたい」と意気込む。HINATAは「デビューが決まって本当にうれしいし、夢への第一歩が近付いていると思うとワクワク。デビューしても謙虚な姿勢でがんばっていきたい」と口にし、COCOMIは「YOSHIKIさんの音楽の世界観を、自分たちの持ち味を生かして世界に届けたい。感謝の気持ちを忘れずに、しっかりと表現できるアーティストになりたい」と発言。MICHELLEは「4人でデビューが決まったとき、とてもうれしかった。メンバー同士の仲がよく、それぞれの声が魅力的なグループです。それぞれの声でオーディエンスを喜ばせることのできる4人が集まっているので、感謝の気持ちを忘れずにがんばっていきたい」と述べた。
またデビュー前にもかかわらず、美麗-は2024年夏に放送された日本テレビ系「24時間テレビ 47」にYOSHIKIとともに出演し、X JAPANの名曲「Rusty Nail」を披露。今年4月にはアメリカ・ロサンゼルスにあるドジャースタジアムで米国国歌を斉唱するなど、すでに大舞台を経験している。このことについてEMIは、「すごく貴重な経験をさせていただきました。特に心に残っているのは、MLBでの国歌斉唱という特別な機会を任せていただいたことです。プレッシャーも大きい中、フィールドに立って歌った瞬間の会場の景色がすごく心に残っています。もっとあのような景色を見られるように、たくさんの方に私たちの歌を聴いていただけるようにがんばりたいという思いが強くなりました」と振り返った。
YOSHIKI「夢のようなプロジェクトです」
プロデューサーであるYOSHIKIは、日本テレビ系「歌唱王」の特別審査員を務めた際に、オーディション参加者だった今のメンバーたちと出会う。当時の4人について「期待の何倍もすごいアーティストに出会った気がして」と印象を語ったYOSHIKI。「『もしもグループを結成したら、1+1+1+1が4ではなく、何十倍の可能性にもなるんじゃないか』と感じて直々にプロデュースすることになった」と明かした。また4人の声は「声質が全員違うから、すごい化学反応を起こすと思います。キーのレンジもそれぞれ違うので、4オクターブと表現していますけど、ここまで広範囲のレンジをカバーできることにも可能性を感じていますね」という。
これまでのアーティスト人生の中で、何度も東京ドームのステージに立ち、海外でも伝統ある会場でのコンサートを成功させてきたYOSHIKI。さまざまな経験を積み重ねた上で、世界を目指して戦っていきたいという気持ちが常にある中、 “4オクターブを奏でる4人の若き歌姫”と称される美麗-Bi-ray-は「夢のプロジェクト」だと自信をみなぎらせる。
YOSHIKIにとって美麗-Bi-ray-の音楽作りは、これまでの経験を結集させた新たな挑戦でもある。「僕は作曲家としてオーケストレーションも手がけてきました。オーケストラのイメージを彼女たちの声で表現できるのは、僕にとって、改めて言いますが、本当に夢のようなプロジェクトです」と語る。4人の異なる声質と広い音域を生かし、「ダイナミックでドラマティックな楽曲」を生み出す可能性に心を躍らせた。特にデビュー曲「Butterfly」は、困難を乗り越え希望を追い求める力強さと美しさをテーマにしており、YOSHIKIのこれまでの作品に通じるコンセプトが込められている。
“日本発”で世界に挑戦
グループ名の「美麗-Bi-ray-」にも、YOSHIKIの長年の思いが反映されている。「10年以上前から温めてきた名前で、海外生活が長い中で「美麗」という漢字の美しさや、さまざまな意味に解釈できる響きに惹かれていました」と明かす。さらに、X JAPANの楽曲「JADE」の歌詞にある「美麗」というフレーズとのつながりがあるのかと聞くと、「よくそこまで読みましたね!」と驚きつつ、「僕のコンセプトはいつもどこかでつながっていて、『JADE』と、このプロジェクトは確かにリンクしています」と認めた。なおX JAPANの「JADE」は2009年に初演、2011年に配信リリースされた楽曲で、苦しみを乗り越えることや、希望、再生について歌うロックチューン。“美麗”という言葉は、英語詞メインの歌詞で唯一の日本語フレーズ「自分で切り裂いた胸の傷跡さえ美麗になるまで」で確認できる。
美麗-Bi-ray-の音楽は、世界的なブームを巻き起こすK-POPとは一線を画す独自のスタイルを追求している。「K-POPも素晴らしいし、タイミングが合えばコラボレーションもあり得るけど、今回はあえて日本発で世界に挑戦したい」と語るYOSHIKI。彼女たちの「ボーカルの強さ」と「独特な雰囲気」を最大限に引き出し、「世界のマーケットに正面から勝負できる楽曲」を目指しているという。特に、AI技術が進化しボーカルの加工が容易な現代において、本物のボーカリストの力を強調する姿勢は、YOSHIKIの音楽哲学そのものだ。「生身のボーカルの重要性はこれまで以上に高まっている。彼女たちの実力は、どんなシーンでも通用する」と自信のほどをうかがわせた。
デビュー曲がいきなりハリウッド映画の主題歌に
美麗-Bi-ray-のデビュー曲「Butterfly」は、ハリウッド俳優のレベル・ウィルソンの主演映画「BRAIDE HARD」の主題歌としてYOSHIKIが書き下ろした楽曲。公開初週には全米2000館以上で流れる予定だ。「オープニング、劇中、エンディングと、映画の複数のシーンで流れる。こんなデビューは歴史上稀に見ることなんじゃないか」とYOSHIKIは笑う。この華々しいグループのスタートは、メンバーたちの実力とYOSHIKIのプロデュース力が結実した結果と言えそうだ。特に、ドジャースタジアムでの米国国歌斉唱の機会を得た際も、「彼女たちのボーカルの力を何度もMLB側に力説して勝ち取ったもの」と振り返っている。
メンバーたちもYOSHIKIと過ごす中で日々多くの刺激を受けているという。MICHELLEは、YOSHIKIからのバースデーサプライズに「人生で一番うれしかった」と感動を語り、COCOMIは「素敵な場所で歌う機会を与えてもらい、驚きと感謝でいっぱい」と述べた。HINATAは、YOSHIKIのライブパフォーマンスを見て「観客を感動させるアーティストになりたい」と決意を新たにし、EMIは「『Butterfly』の楽曲とYOSHIKIさんの音楽への情熱に心を動かされた」と語った。一方でYOSHIKIも、メンバーの「いい意味で限界を知らない姿勢」に学びを得ているとのことで、「毎回レコーディングで新たな可能性を発見している」と互いに高め合う関係を築いているようだ。
また音楽業界の未来を見据えるYOSHIKIは、「今はK-POPやJ-POPの枠を超え、突然変異のような新しい現象が起こり得る時代」と分析。BTSやBLACKPINKらによる世界の音楽シーンでの成功を認めつつ、「日本のカルチャーやアニメなど、日本の強みを生かしながら、彼女たちのボーカル力を武器に新しい挑戦を切り開きたいです」と意気込む。30年以上にわたりハリウッドで活動してきたYOSHIKIがその経験を生かし、「日本から世界へ」というビジョンを掲げて送り出す美麗-Bi-ray-。YOSHIKIの情熱と4人の若き歌姫の才能が交錯する、まさに「夢のプロジェクト」は6月20日に世界デビューを果たした。
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音楽ナタリー @natalie_mu
【独自取材】YOSHIKIが太鼓判!若手ガールズグループ・美麗-Bi-ray-デビュー
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