THE BACK HORN、「LAST 野音 NIGHT」で打ち上げた爆音夢花火

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THE BACK HORNがワンマンライブ「THE BACK HORN『爆音夢花火 2025』~LAST 野音 NIGHT~」を6月14日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)にて開催した。

THE BACK HORN(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

THE BACK HORN(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

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オープニングナンバーは21年前と同じあの曲

2004年7月に「夏のワンマン市街戦!~夕焼け目撃者」を行って以来、これまで5度に渡って“夕焼け目撃者”と銘打ったワンマンライブを日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で実施してきたTHE BACK HORN。同会場が再整備工事のため10月1日から使用休止になることを受け、改修前最後の野音ライブとして本公演が企画された。公演タイトルにある「爆音夢花火」は、「夏のワンマン市街戦!~夕焼け目撃者~」の模様を収めた映像作品「爆音夢花火」からの引用。バンドは事前に本公演で演奏してほしい楽曲をSNSで募集し、その結果、1位の「世界樹の下で」をはじめ、「キズナソング」「蛍」「導火線」「奇跡」の5曲がセットリストに組み込まれた。なおTHE BACK HORNの野音公演は雨が既定路線となっており、今回も開演当初は曇り空を保っていたものの、途中からは雨降りとなった。

「THE BACK HORN『爆音夢花火 2025』~LAST 野音 NIGHT~」の様子。(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

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約2500席用意された座席はもちろん、後方の立ち見席まで満員に膨れ上がった会場にメンバーが姿を見せる。この日の口火を切ったのは「レクイエム」。第1回の「夕焼け目撃者」でもオープニングを飾った、重厚ながらも鋭利さを備えた初期のTHE BACK HORNらしい鎮魂歌だ。そこからファンへの思いをつづった最新アルバムのタイトル曲「親愛なるあなたへ」につなげ、20年の月日を飛び越えてバンドの成長を見せつける。さらにファンと歌うことを夢見てコロナ禍に制作された「希望を鳴らせ」では、さっそく合唱が巻き起こった。

“原点回帰”の狂騒的パフォーマンス

松田晋二(Dr)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

松田晋二(Dr)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])[拡大]

「初めて野音でやったときの雰囲気もあり、SNSで募った『野音で聴きたい曲』もあり、最新のTHE BACK HORNの感じもあるので、いろんな時代のいろんな楽曲に酔いしれて最高の夜にしてください!」と松田晋二(Dr)が本公演の狙いを語り、「ひょうひょうと」がスタート。この曲も第1回「夕焼け目撃者」でプレイされており、初期のTHE BACK HORNを語るうえで外せない楽曲だ。菅波栄純(G)が気持ちよさそうに爆音でギターを掻き鳴らすと、観客も拳を上げて楽しむ様子を見せた。

岡峰光舟(B)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

岡峰光舟(B)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])[拡大]

「THE BACK HORN『爆音夢花火 2025』~LAST 野音 NIGHT~」の様子。(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

「THE BACK HORN『爆音夢花火 2025』~LAST 野音 NIGHT~」の様子。(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])[拡大]

ダンサブルな中にもダークトラップを差し込んだ「Mayday」、ジェットコースターのように緩急のある展開で突っ走る「疾風怒濤」などを経て、「情景泥棒」ではいつの間にか降り出していた雨に負けじと4人の演奏にも熱が入る。特に「情景泥棒~時空オデッセイ~」ではシューゲイザーバンドのように歪んだノイズの波が客席を飲み込みオーディエンスを圧倒する。続く「カラビンカ」でも菅波がギターを手放して鳥のように手を羽ばたかせながらステージを自由に飛び回るなど、“原点回帰”とも言える狂騒的なパフォーマンスでファンを魅了し、この日のハイライトに。曲が終わると岡峰光舟(B)は「全然戻らねえじゃん。こいつ(ギター)弾かねえなと思って」とツッコみ、松田も「リハでやった3倍はカオスだったね」と同調した。

“野音で聴きたい曲”のオンパレード

山田将司(Vo)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

山田将司(Vo)(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])[拡大]

“野音で聴きたい曲”の1位に選ばれた「世界樹の下で」や壮大なバラード「キズナソング」という初期の楽曲でオーディエンスを惹きつけたあと、山田将司(Vo)は「こんな雨なのに、『THE BACK HORNと言えば雨だよね』って言いながら来てくれてありがとう」と感謝の言葉を述べる。そして「行こうぜ野音!」と焚き付けて「蛍」でラストスパートに突入。「遠ざかる蝉時雨 / 風に消えた夏の香り」という歌詞が夏の野音にぴったりだが、この日は「雲が空を奪って / 優しすぎる雨を降らす」のパートが図らずもリアルに響く。ライブで披露されるのが珍しい「導火線」が観客のハートにさらなる火を付け、「コバルトブルー」「太陽の花」というキラーチューンが立て続けに披露されると、雨をものともせず踊り狂う聴衆の姿も。最後はファン人気の高い「奇跡」でさわやかに締めくくられた。

花火のように発射された金テープ。(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])

花火のように発射された金テープ。(Photo by Rui Hashimoto[Sound Shooter])[拡大]

アンコールでバンドは「冬のミルク」「明日世界が終わるとしても」「無限の荒野」の3曲を披露。金テープがまるで花火のように発射された「無限の荒野」では大合唱が発生してフィナーレらしく大盛り上がり。松田が充実した表情で「次の野音で会いましょう!」と言ってステージをはけるも、鳴り止まないアンコールに呼び戻され「名残惜しいのでやり納めます!」と言ってダブルアンコールに突入。ライブ鉄板曲「刃」を爆音で力強く届け、ライブを大団円に導いた。

2025年上半期は自主企画「マニアックヘブンVol.16」の開催、アルバム「親愛なるあなたへ」のリリースおよび全20本のツアー、そして野音公演と濃密な時を過ごしたTHE BACK HORN。アンコール中には10月24日から「KYO-MEI対バンツアー」を開催することを発表し、下半期も立ち止まることなく駆け抜けていくことをファンに約束した。

セットリスト

「THE BACK HORN『爆音夢花火 2025』~LAST 野音 NIGHT~」6月14日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)

01. レクイエム
02. 親愛なるあなたへ
03. 希望を鳴らせ
04. ひょうひょうと
05. Mayday
06. 疾風怒濤
07. 幻日
08. 情景泥棒
09. 情景泥棒~時空オデッセイ~
10. カラビンカ
11. 世界樹の下で
12. 幸福な亡骸
13. キズナソング
14. 蛍
15. 導火線
16. コバルトブルー
17. 太陽の花
18. 奇跡
<アンコール>
19. 冬のミルク
20. 明日世界が終わるとしても
21. 無限の荒野
<ダブルアンコール>
22. 刃

公演情報

THE BACK HORN 「KYO-MEI対バンツアー」 ~共鳴破天の夜~其のニ

2025年10月24日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2025年10月26日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
2025年11月3日(月・祝)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
2025年11月15日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
※ゲストは後日発表

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たかな◬⃝𓃵 |双極症Ⅱ型の会社員 @takana7_21

銀テの写真すてきだ。 https://t.co/9V4ztsmaAC

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