バンド、ストリングス、ダンサーとともに見せた「喜怒哀楽」の世界
2月12日にリリースした1stソロアルバム「喜怒哀楽」を携えたこのコンサートでは、4公演合計で2万6700人を動員。増田自らが全編のプロデュースを手がけ、アルバムの収録曲の世界を集まったファンにじっくりと届けた。増田は公演に先駆け「NEWSに育ててもらった増田貴久が1人でどんな作品を作れるのか。戦ってきます! スタッフ、バンド、ストリングス、ダンサーの皆さんと一緒に頑張ります!」とコメントし、その意気込みをアピールした。この記事では25日の東京公演の模様をレポートする。
ライブのオープニングでは真っ白な光が全面にまばゆく輝くスクリーンをバックに、白い衣装の増田が1人きりでステージに登場。そのままアカペラでアルバムのタイトル曲「喜怒哀楽」を高らかに歌い始めた。ヘビーなトラック、激しく明滅するレーザー光線に合わせて全身を使ったパフォーマンスを繰り広げる増田は会場内の熱気を牽引。自身のメンバーカラーであるイエローの照明に照らされた「Master's bomb」では、増田がこのライブに対する決意を表すかのように激しいリリックを客席に叩き付けた。
ここでステージにはバンドメンバー5人とストリングス隊20人、そしてダンサー6人が登場。ミュージカル調のナンバー「Venom」をスケール感にあふれたパフォーマンスで披露し、観客を驚かせる。壮大な展開もつかの間、続いてスクリーンで上映されたのは「まっすーの喜怒哀楽を引き出そう」と題したユーモラスな企画映像。好物の餃子100個を前に“喜”の感情を見せる増田だが、1個だけ混じっていた激辛餃子を食べて“怒”に変わり……と思いきや、増田は「ギリギリ食べられる辛さ。中途半端(笑)」と微妙な表情を浮かべてファンを笑わせた。
中盤からはダンスパフォーマンスで魅了
ホールがほのぼのした空気に包まれたところで、柔らかなピアノイントロから披露されたのはEvery Little Thingの「恋文」、そして山下達郎の「FOREVER MINE」というカバー曲2曲。増田の甘く切ないボーカルがホール中に美しく響き渡り、観客を魅了した。そして増田は「ここからはここで……」とステージ上手最前方のスツールに腰を下ろす。あまりの近さに目の前の客席から悲鳴が起こると、増田は「近いよね?(笑)」と呼びかけて和ませた。「キャンディ」のアコースティックサウンドを届けたあとは「次の曲はせっかくなので、そっち側で」と下手側に移動するサービス精神を見せつつ、テゴマスの「ミソスープ」を披露。ストリングスの芳醇なアンサンブルに乗せ、増田に煽られたオーディエンスも大合唱で楽曲に華を添えた。
自身が作詞を手がけた「hanami」を大切な者への思いを届けるように丁寧に歌い、森の中で歌う様子を捉えた映像とともに「戀」を披露したあとは再び“喜怒哀楽”の映像へ。「100秒で泣いてください」というスタッフからの無茶振りに応える増田の悪戦苦闘を紹介。笑い声が満ちた場内の空気をガラリと変えたのは、「Symphony of Dissonance」の勇壮なストリングスイントロだ。増田は黒のトップスとピンク色のパンツに衣装をチェンジして現れ、情熱的なボーカルとダンスパフォーマンスで観客を圧倒。ここからは増田のダンスパフォーマンスが楽しめる楽曲が連投される。続く「kawaii」では1人きりで照明とシンクロしたダンスを繰り広げ、ライブでは18年ぶりの披露となった「Pumpkin」、さらに「Girls That Dance」「Remedy」といったナンバーではダンサーチームと息の合ったパフォーマンスを見せるなど、多彩なステージングでファンを喜ばせた。
「NEWSの増田貴久でした」8000人の止まない拍手
3本目の“喜怒哀楽”映像では、スタッフの「“楽”の引き出し方がわからない」という雑な前フリを機に、増田がさまざまなモノボケに挑戦する流れに。「何をしているときが一番楽しいですか?」と尋ねられた増田は、しいたけの被り物をしたまま「ライブですね。全部生で、その日その場所でしか生まれないものがある。“たのしいたけ”だな、って思う」と真剣な口調で語り、そのギャップで会場に笑いを起こした。ここで増田は再びステージに現れ、直前の言葉を体現するようにMPCを用いたパフォーマンスを展開。ステージ上に1人で立ち、リズムトラックやボーカルトラックを重ねて作り出したビートに乗せ、増田は「XXX」を軽快に歌い上げた。
高揚感に満ちたサウンドが印象的な「Echoes」に続き、最後の“喜怒哀楽”映像ではサプライズでケーキを顔面にぶつけられた増田がスタッフにぶつけ返すという“怒”の感情を見せるひと幕も。緩急たっぷりの展開を経てライブはいよいよエンディングへと向かう。再びバンドメンバーとストリングス隊が登場して披露されたのは「おやすみなさい」。増田はファンへの思いを表現するように力強いボーカルを轟かせ、曲が終わるとほほえみながら会場全体を見渡した。「物語」の大サビでは場内の照明が一斉に点灯し、8000人の観客が大合唱するさまを美しく照らし出した。
スクリーンに流れるエンドロールを増田とメンバー、観客が見守ったのち、コンサートの最後に披露されたのは1曲目と同じ「喜怒哀楽」。マイクを通さない増田の生声に、バンドとストリングスが鳴らす壮大なアンサンブルが続き、エンディングを華々しく飾った。MCなしで全19曲を歌い終えた増田は充実した表情で「NEWSの増田貴久でした。ありがとうございました!」と挨拶し、ジャンプして演奏を締めくくる。増田がステージを去ったあとも場内ではオーディエンスの拍手がいつまでも続き、この日増田が8000人にもたらした感動の大きさを物語っていた。
セットリスト
「増田貴久 1st LIVE 喜怒哀楽」2025年2月25日 東京ガーデンシアター
01. 喜怒哀楽
02. Master's bomb
03. Venom
04. 恋文(Every Little Thing カバー)
05. FOREVER MINE(山下達郎 カバー)
06. キャンディ
07. ミソスープ
08. hanami
09. 戀
10. Symphony of Dissonance
11. kawaii
12. Pumpkin
13. Girls That Dance
14. Remedy
15. XXX
16. Echoes
17. おやすみなさい
18. 物語
19. 喜怒哀楽
ジャニーズ出演情報 @13xIvlK6CP1hvqe
#NEWS #増田貴久 、多彩なパフォーマンスで“喜怒哀楽”を表現した初のソロコンサート - 音楽ナタリー
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